人気急上昇中のビーフも出場!イングランド勢の今季地元最終戦
2016年 英国マスターズ by Sky Sports
期間:10/13〜10/16 場所:ザ・グローブ(イングランド)
英国マスターズの大会アラカルト
かつての世界ナンバーワンであるルーク・ドナルドが大会ホストを務める「英国マスターズ by Sky Sports」の開幕を目前に控え、europeantour.comでは英国の地で開催される今季最後の大会で知っておくべき情報を集めてみた。
<2015年大会を振り返る>
2015年大会は、当時21歳のルーキー、マシュー・フィッツパトリックがソレン・ケルドセン、シェーン・ローリー、そしてファブリシオ・サノッティらを退け、ヨーロピアンツアー初優勝を飾った。7年ぶりに「レース・トゥ・ドバイ」のスケジュールに復帰し、57,047人のギャラリーが訪れた大会は、フィールドで最年少だった選手がワイヤー・トゥ・ワイヤーで完全優勝を果たしたのである。4日間を通して好調を保ったイングランドのフィッツパトリックは、地の利とギャラリーの声援を味方に、最終日「68」をマークし、ウォーバーンGCを通算15アンダーで回って後続に2打差をつけて優勝した。
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<2016年大会のフィールド>
今週のフィールドでは、ダニー・ウィレット、Y.E.ヤン、グレーム・マクドウェル、トレバー・イメルマン、ポール・ローリー、そしてホセ・マリア・オラサバルといった6人のメジャー王者がヘッドラインを飾ることになる。オラサバルの競技出場は2015年の「マスターズ」以来となるが、ヨーロピアンツアー23勝を誇る歴戦の強者は多くのギャラリーを引き連れることになるだろう。
フィッツパトリックはタイトル防衛へ向け、今季ヨーロピアンツアーで2勝を挙げているスウェーデンのアレックス・ノレン、「全米オープン」で2位に入ったシェーン・ローリー、そして前週のセントアンドリュースでコースレコードに並ぶ「62」を叩き出し、直近のヨーロピアンツアーでツアー初優勝を果たしたティレル・ハットンらの挑戦を受けることになる。
大会ホストのドナルドに加え、イングランドからは2016年「ライダーカップ」欧州代表メンバーだったリー・ウェストウッド、クリス・ウッド、そしてアンディ・サリバンが出場し、「レース・トゥ・ドバイ」の終盤戦へ向けしのぎを削る。
<新たな余興>
今大会では、開幕前の火曜の夜に、ヨーロピアンツアーのスター選手たちがコースに集い、ナイターで行われる1ホールノックアウト式の短期決戦である「ヒーローチャレンジ」が開催される。これには8人の選手が参加し、最後の1人が残るまでノックアウト形式でマッチプレーが行われ、ものの1時間足らずで勝者が決まる見込みとなっている。
ドナルド、サリバン、ノレン、そしてローリーといった面々に加え、ファンの一番人気であるアンドリュー・"ビーフ"・ジョンストンがライトの下でその技量を披露するほか、オーストリアのベルント・ヴィースベルガー、フランスのアレクサンダー・レビ、そしてインドのジーブ・ミルカ・シンもこの余興に参加する。
このプロによる短期勝負に加え、この夜はセレブによる1ホール勝負も行われ、これにはテレビパーソナリティのピアース・モーガン、歌手のブライアン・マックファーデン、そしてクリケット選手のケビン・ピーターセンとシェーン・ワーンが出場する。
また、この日はザ・グローブの練習グリーンをアリーナに変え、プロとセレブによる4チームで競われる「ISPS Handaプレッシャーパット対決」で行われ、出場する面々が技術と精神力を試されることになる。
<コース>
コースはキングスバーンGLなどを手掛けた高名なコース設計家であるカイル・フィリップスにより2003年に設計された。複雑さを特徴とするハートフォードシャーのザ・グローブは、うねりのある大きなグリーン、そしてコース内のほぼ全てのバンカーを囲む細かい芝が目を引く設計に。12番と13番ホール沿いにはグランドユニオン運河が流れている。「英国マスターズ by Sky Sports」では本来のフロントナインとバックナインを入れ替えて行われる。
ザ・グローブで「英国マスターズ」が開催されるのは今回が初めてとなるが、過去にこのハートフォードシャーのコースでは1度だけヨーロピアンツアーの大会が開催されたことがある。2006年の「WGCアメリカンエクスプレス選手権」がそれであり、この時はタイガー・ウッズが優勝を遂げた。
<トリビア>
◇1946年に開催された第1回大会では、ボビー・ロックとジミー・アダムスの引き分けという結果に終わった。この時は両者72ホールを「286」でラウンドして引き分けたのだが、大会史上、最終結果が引き分けに終わったのはこの1回のみである。
◇ロイヤルセントジョージで行われトニー・ジャクリンが優勝した1967年大会ではゴルフの歴史に新たな1ページが書き加えられた。ジャクリンは「64」でラウンドした最終日にパー3の16番でホールインワンを達成。英国でテレビを通してエースが目撃されたのはこれが初めてのことだった。
◇1988年にオーガスタで「マスターズ」王者となったサンディ・ライルは、同年の「英国マスターズ」も制覇し、"マスターズ"ダブルを達成した。ライルは「英国マスターズ」で優勝賞金41,660ポンドを獲得。スコットランド出身のライルは、英国人として初めてヨーロピアンツアー公式キャリア獲得賞金で100万ポンドを突破した選手となった。
◇ウォーバーンのデュークスコースで開催された2000年大会では、ロジャー・チャップマンとアラスター・フォーサイスが最終日に同組でラウンドしたのだが、このときフォーサイスは2番で、そしてチャップマンは8番でそれぞれホールインワンを達成。ヨーロピアンツアーにおいて、同組の選手2人が同ラウンドでホールインワンを達成したのはこれが最後となっている。
◇今週「英国マスターズ by Sky Sports」に出場する選手で、ザ・グローブで開催された2006年の「WGCアメリカンエクスプレス選手権」でもプレーしたのは12人。ルーク・ドナルド、トレバー・イメルマン、トンチャイ・ジェイディー、デビッド・ハウエル、ホセ・マリア・オラサバル、ロバート・カールソン、ヨハン・エドフォース、リー・ウェストウッド、サイモン・ダイソン、トーマス・ビヨーン、アンソニー・ウォール、そしてグレゴリー・ボーディがその12人である。
◇今週の大会には、6人メジャー王者、3人の欧州ナンバーワン経験者、2人の世界ナンバーワン経験者、83人のヨーロピアンツアー優勝経験者、そして20人の「ライダーカップ」出場経験者が出場する。
◇「英国マスターズ」では、過去に13人のメジャー王者が大会制覇を果たしている。ボビー・ロック(1946年と1954年)、マックス・ファルクナー(1951年)、ピーター・トムソン(1961年と1968年)、トニー・ジャクリン(1967年と1973年)、ボブ・チャールズ(1972年)、ベルンハルト・ランガー(1980年)、グレッグ・ノーマン(1981年と1982年)、イアン・ウーズナム(1983年と1994年)、リー・トレビノ(1985年)、セベ・バレステロス(1986年と1991年)、サンディ・ライル(1988年)、サー・ニック・ファルド(1989年)そしてジャスティン・ローズ(2002年)がその13人である。
◇2015年にこの大会を制したマシュー・フィッツパトリックがタイトル防衛に成功すると、22歳45日でヨーロピアンツアー同一大会連覇の最年少記録を更新することになる。現在、この最年少記録は1981年に23歳311日で「PGA選手権」を連覇したサー・ニック・ファルドが保持している。