Golf World（2012年12月4日号）texted by Bill Fields

クラフトナビスコ選手権で涙をのんだキム・インキョン。愕然とする失望感、孤独感がいつか実る日も。（Stephen Dunn／Getty Images）

1世紀以上も昔、ホールテンはゴルフの勝敗を左右する“目に見えない”要素を調査した。グリップ、スタンス、スイングでもない不思議な“何か”が、優勝を間近とした選手を襲い、途端に困難が振りかかってくるという現象を調べた。2012年に多くの選手達があと一歩のところで優勝を逃したように、「全米アマチュア選手権」でもマイケル・ウィーバーが残り2ホールから敗戦に至った。ゴルフの世界には、成功が必ず保証されるような計画や技術など存在しない。これが真実だ。

しかし勝つ為には、負けも必要だ。トーレパインズGCで涙を飲んだスタンリーは、なんと翌週に行われた「ウェストマネジメント フェニックスオープン」で、最終日に8打差をひっくり返して優勝した。同大会で泡を食ったのはスペンサー・レビン。最終日スタートの時点で6打あったリードを保てなかった。ロイヤルリザムで屈辱を味わったスコットもまた、4ヶ月後には自身初となるオーストラリア・マスターズで優勝。彼らにとっては、表彰台で手にした小切手の金額よりも、優勝に繋がった苦い経験から得たものの方が、数倍の価値があっただろう。

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大失敗を経験した数ヶ月後、キムは「とにかく練習を続けることが大事。学びに終わりはないから」と語った。1人で最後まで戦い、苦しみ喘いだ後に手にするものとはいえ、彼らにとっては痛みを伴う辛い経験ではあるのだが。

米国ゴルフダイジェスト社提携
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