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2012年 全英オープン
期間:07/19〜07/22 場所:ロイヤルリザム(イングランド)

【WORLD】ロイヤルリザムには“ベスト”を決める歴史がある/ジェフ・オギルビー

Golf World(2012年7月16日号) texted by Geoff Ogilvy

私とロイヤルリザム&セントアンズの関係は1996年まで遡る。10代のアマチュアプレーヤーだった私は、地元オーストラリアの仲間だったスティーブン・アレンと、イギリスでブラバゾン・トロフィー(全英アマ)や全英オープン予選をプレーした。当時、私はその予選を通過できなかったのだが、スティーブは見事突破して、全英本戦出場を果たしたのだった。

アメリカに住まない人々も、この大会を“The Open”と呼ぶ。それを知ったのは、リザムで練習ラウンドをしていたスティーブに付き添い、私もロープ内に入ったときのことだった。練習場では、若かりし日のアーニー・エルスを初めて見た。私は彼の美しいリズミカルなスイングをずっと見続けていたものだ。ニック・ファルドもいた。ファルドが5~10球を打つのに、1時間近くかけていたことを思い出す。それが、彼がショット毎に課している、プリショットルーティーンのレベルだったのだ。

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コース自体は当時も今と変わらず魅力的だった。海岸線のリンクスではないが、海からは半マイルに位置しており、その匂いを感じられる。そして、極めてユニークというほどでもないが、パー3でスタートするのはやはり珍しい。(とはいえ、メルボルンのビクトリアにある私が所属するコースは、パー“3.5”として表現できる短いホールで始まるので、私にしてみればそんなに違和感はないのだけれど)。

私が試合を観戦しているうちに抱いたコースへの一番の印象は、スタートからフィニッシュまでゴルフの全てを試されるということだった。当時アーニーは、上がり3ホールで2ボギーを叩き、トム・レーマンに敗れた。ローアマに与えられるシルバーメダルを目指すタイガー・ウッズという名の若きアメリカ人が、2日目に「66」をマークしたのを覚えている。

リザムのフロントナインは、それほど難しくないが、バックナインは特に記憶に残っている。難しい12番のパー3の後に続く6ホール連続のパー4は、風が吹いていればイーブンパーで切り抜けられれば胸をなで下ろしていい。私は2001年にリザムで開催された全英に出場した時、それが本当であると分かった。その時は予選落ちしたが、そのタフなバックナインにより、チャレンジを楽しめたものだ。

現地ではここ数か月、記録的な雨が続いていることは知っている。しかし悪名高く、頼りにならないイギリスの天候が、今年も硬くて良く跳ねるコースを作り上げてくれることを望みたい。他のリンクスコースのように、リザムもコンディションはベストであってほしい。リーダーボードがレーマン、エルス、ファルド、フレッド・カプルスら世界の一流選手で占められた1996年もそうだった。

一方で、リザムで我々がベストプレーヤーを確認するということは今に始まったことではない。ボビー・ジョーンズはここで優勝し、ボビー・ロック、ゲーリー・プレーヤー、ピーター・トムソンも勝利した。セベ・バレステロスは2度も優勝。デビッド・デュバルが11年前にここで優勝したときは、タイガーのようにその名を叫ばれていたわけではなかったが、誰よりも良いプレーをしていた。才能ある選手のみが優勝できるということが、リザムがいかに素晴らしいコースかということを物語っている。

みんなが言うことだが、リザムでスコアメイクするカギはまず、バンカーを避けること。確かにこれは本当のこと。けれど、言うだけなら簡単だ。リザムはずっと前から、ボールがバンカーに転がり落ちやすいコースの一つで、一度そうなれば、結果はどうなるかということは、あなたも分るだろう。バンカーから離れたところに落ちたショットが、ゆっくりと、そして冷酷に転がってバンカーに入るのは、自分のショットでなければリンクスのゴルフで最高の面白さの一つなのだが…。

もし選手権前の週に雨が降らなければ、ボールはコースを良く転がり、ドライバーを何回打つかということに影響を与えるだろう。キャリーとランを合わせてアイアンでも300ヤード飛べは、ドライバーなどいらない。しかし私は、リザムのこの戦略的なアスペクトが好きだ。多くのティグラウンドでは、こういった考えをするはず。特にバンカーを避けることが最優先されるティグラウンドではそうだろう。

さて、今年は誰が優勝するのだろうか。上がり数ホールがこのミステリーを決することになるだろう。息を抜けるとすれば、短めのパー4で、1979年にセベが臨時駐車場からショットしたあの16番だけ。他のホールは大変難しい。しかしただひとつ言えるのは、イギリス人が“レベル4”と呼ぶこういったホールを乗り切った選手がクラレットジャグを手にするということだ。

米国ゴルフダイジェスト社提携
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