ファーガソンに魅了された欧州の精鋭
2014年 ライダーカップ
期間:09/26〜09/28 場所:グレンイーグルスホテル(スコットランド)
ライダーカップ 勝敗を左右する主将推薦選手
By Brian Wacker, PGATOUR.COM
トム・ワトソンはかつて「ライダーカップ」の米国代表主将を務めた際、レイ・フロイドとラニー・ワドキンスを主将推薦選手として出場させた。ザ・ベルフライで開催された大会で、2人は計5.5ポイントを獲得し、米国は欧州代表を15-13で下した。
対照的に、欧州代表の主将推薦選手だったセベ・バレステロス、ホセ・マリア・オラサバル、ヨアキム・ハフマンは計3ポイントしか得られなかった。
<< 下に続く >>
1993年のことだ。2年おきに開催されるライダーカップで、米国はそれ以来、敵地開催で勝利を収めていない。
あっという間に20年の月日が流れ、ワトソンによる今回の主将推薦に関しても色々と騒がれた。特に選考期限について、一番勢いに乗る選手を選ぶためにも、遅らせるべきだという議論が起こった。
とは言え、ワトソンや、選ばれた選手、あるいは選ばれなかった選手にとって、悩みの種になったわけではない。プレーオフの「BMW選手権」「ツアー選手権byコカ・コーラ」で優勝し、フェデックスカップを獲得したビリー・ホーシェルも、ワトソンとは何通かメールのやり取りをしただけだったという。
ワトソンは「彼にはメールで、『ホーシェル、なんてことだ。あと1日あれば君を選んでいたかもしれない。1ドル足らなかったわけではなくてね』と伝えた」と、週初めに冗談を言ったくらいだ。
主将推薦の選手にはどういうプレーを期待できるだろうか?ワトソンが選出したのはハンター・メイハン、キーガン・ブラッドリー、ウェブ・シンプソン。欧州主将のポール・マギンリーが選んだのは、イアン・ポールター、リー・ウェストウッド、スティーブン・ギャラハーだ。
何が起きるにせよ、主将推薦の1人、もしくは2人以上の選手が、結果を左右するインパクトを残すはずだ。歴史がそう語っている。
1993年大会を含む直近10大会では、主将推薦の選手が好成績を残したチームが、8勝を挙げている。
そのうち5勝は欧州だ。米国は1993年のほか、99年のブルックリン、バルハラでの2008年に勝利した。08年は主将推薦のメイハン、J.B.ホームズ、スティーブ・ストリッカーが合計6.5ポイントを獲得し、ポールターとポール・ケーシーの5ポイントを上回った。
マギンリーは、ザ・ベルフライで開催された02年、オークランドヒルズでの04年、Kクラブで開催された06年に出場し、欧州は3大会連続で勝利した。これらの大会では、欧州の主将推薦選手の合計獲得ポイントが、米国をそれぞれ1、2.5、2.5上回った。
ケルティックマナーでの2010年大会では、米国の主将推薦だったタイガー・ウッズ、ザック・ジョンソン、スチュワート・シンク、リッキー・ファウラーが、欧州のパドレイグ・ハリントン、ルーク・ドナルド、エドアルド・モリナリよりも計2.5ポイント多い数字を残したものの、欧州が1ポイント差で米国に勝利した。バルデラマで開催された1997年大会は、欧州、米国の主将推薦の選手がともに計4ポイントずつ獲得したが、欧州が勝った。
ワトソンは今回、1993年と同様に選手の経験を重視した。93年の主将推薦だったフロイドとワドキンスはともにメジャー優勝経験者で、ワドキンスは「ライダーカップ」8度の出場経験で20勝11敗3分という好成績を残した。
ブラッドリーとシンプソンは安定したシーズンを送ったとは言えないが、メジャーで優勝し、チーム戦で争う国際大会の経験もある。先月の「ザ・バークレイズ」で優勝したメイハンはメジャー未勝利だが、マッチプレーにはめっぽう強く、31勝16敗4分(シングルスでは21勝9敗1分)という数字を残している。
欧州側を見ると、マギンリーの主将推薦はややサプライズな感じがあるようにも思える。
ポールターは「ライダーカップ」で通算12勝3敗を記録。前回大会では4勝0敗と負けなしで、最終日の序盤にウェブ・シンプソンを2アップで下し、メディナでの欧州の大逆転勝利につながった。
過去8大会に出場しているウェストウッドは、18勝13敗6分。今シーズンは不調に苦しんだ時期もあったが、豊富な経験は、初出場3人を含むチームの助けになると期待される。
ギャラハーはシーズン終盤に勢いを増した。「イタリアオープン」で3位に入り、自動的に出場が決まるランキングから、グレーム・マクドウェルを押し出す寸前まで追い詰めた。
両チームの主将推薦選手は、今回の「ライダーカップ」にどういう影響を及ぼすだろうか?
勝敗を左右する活躍をしたのは、どちらのチームの主将推薦選手か。その答えは最終日に分かる。