海外メジャー最終章! 日本勢は石川、藤田、谷口が出場
2012年 全米プロゴルフ選手権
期間:08/09〜08/12 場所:キアワアイランドリゾート(サウスカロライナ州)
【WORLD】メジャー最終戦の舞台 キアワアイランド
Golf World(2012年8月6日号) texted by Mike Stachura
オーシャンコースが今の地位を確立したのは、カジュアルなゴルフファンも熱を上げる91年「ライダーカップ」でのことだった。ダン・ジェンキンスはあまりの難易度の高さに「ピート・ダイは14.5ポイントで、その他は世界中の連中は13.5ポイントだ。信じられないくらい難しい」と酷評。レイ・フロイドも同じ週に「どうやって好スコアを出せば良いのか見当もつかない」と語るほどだった。
それから21年が経ち、真のメジャー大会がついに開催される。既にちまたで話題となっているのは、ベストプレーヤーたちがコース上の野獣たちにどう挑むのか、ということ。昨年の全米プロ権優勝者のキーガン・ブラッドリーは、同コースが作られた時5歳になったばかりで、コースについて問われると「難しいとは聞いていたけれど、彼らの意見は正しかった」と、驚きの表情を浮かべた。その前には同コースで初めてラウンドしたときの印象についても聞かれ、「耐えられないくらい嫌なコース」と語っていた。
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2007年に「全米プロシニアゴルフ選手権」が開催された時は、批評家たちの意見は極めて直接的だった。毎時30マイルの強風が吹く中、ファーストラウンドの平均スコアは77.24とひどいものだった。大会最終日に優勝したのはデニス・ワトソンで9アンダーを記録。その他アンダーパーで終われたのは6名のみだった。ピーター・ジェイコブセンは、「とんでもないコースとは聞いていたけれど、全員打ちのめされたよ」と当時を振り返る。ジェイコブセンはトータル299を記録したが、それは今年の選手権で使用されるコースより475ヤードも短いコースでの話だ。
ダイは甲高い笑い声と共に語る。「世界一難しいコースと言われればうれしいが、プロなら対応が可能なプレーばかりだ。リピート率も上がるだろう。それでも彼らなら良いスコアを記録できると信じている。私はそう思っているよ」と。
コースのデザインは風の影響を色濃く受ける。ダイはそういうことも計算し、時には同じティ位置でスタートしても、風によってはトータル1500ヤードも距離が伸びると感じる時もあるくらい。それこそライダーカップで起こった現象で、練習ラウンドでは北西の風が吹いていたが、最終日には南東に風向きが変わった。しかしダイは、今年の選手権では著しい風向きの変化は無いとしている。彼いわく、8月の風は北西から。つまりラウンドはじめは追い風となり、6番から13番までは向かい風に変化。そして残りの5ホールでは再び追い風になるという。
しかしそれも確かなことではない。確実に言えることは、どの向きからでも風が吹いていると感じること。コース設計家であり、ダイの妻であるアリスの発案により、風の影響を全く受けない場所は作られなかったからだ。仮に隠れるようなフェアウェイを作ってしまったら、大西洋を一望できなくなってしまう。ダイもそれに同意したのだ。また、彼はフラストレーションのたまる横風の影響の方が強いと指摘してもいる。キアワでは防風という概念はあまり意味を持たない。特に最近は三つの方角から12時間続けて風が吹く気象条件らしく、傾向をつかんでおくことなど意味がない。