J.ダフナーが今季2勝目! 今田は67位
2012年 HP バイロンネルソン選手権
期間:05/17〜05/20 場所:TPCフォーシーズンズリゾート(テキサス州)
【WORLD】シーズン2勝!J.ダフナーとワッグル
Golf World(2012年5月28日号) texted by Dave Shedloski
ジェイソン・ダフナーの5月は、ツアー初勝利に始まった通算2勝、そして結婚、ハネムーンとこの上ない成功が詰まった月となった。しかしその中でも、ゴルフの正説であるワッグルの名誉を挽回させたことは、ここまでの彼の最大の成功だ。
かつて、ベン・ホーガンはワッグルをスイングにおいて欠かすことのできないものとし、1957年に発行したレッスン本「Five Lessons: The Modern Fundamentals Of Golf」で詳細に渡って説明している。ところが、「ザ・プレーヤーズ選手権」でケビン・ナのプレショットルーティンによるスロープレーが話題となってからは、誰もワッグルをあまりしたくはなくなったようだ。
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しかし、ダフナーは彼のヒーローであるホーガンを笑顔にしたことだろう。ランダムな頻度で起こるダフナーのワッグルは、現在、最もリズミカルで効果的なスイングの一つを生み出しているのだ。ダフナーには豊かなキャラクターの数々が合わさっている。アトランタ・アスレチック・クラブで開催された昨年の「全米プロゴルフ選手権」でキーガン・ブラッドリーにプレーオフで破れた後に生まれた信念、いつも窮地に追い込まれているような態度、そして、注目を浴びる遅咲きのゴルファーといった点がそれだ。
クリーブランド出身の35歳のダフナーは、最終72ホール目で25フィートのバーディパットを決めて、5月の「HPバイロン・ネルソン選手権(ラスコリナス、TPCフォーシーズンズ)」で勝った。1打差でディッキー・プライド、ジョー・デュラント、J.J.ヘンリーらをかわして見せた。彼ら3人も長きに渡って勝利から見放されてきたが、21日前に「チューリッヒ・クラシック」でアーニー・エルスを抑えてツアー出場164試合目にして初優勝したダフナーに、その勝利への道を断たれたというわけだ。
バイロン・ネルソンでは最終日に「67」を記録し通算11アンダー269で制覇、ハンター・メイハンと並び今季ツアーの複数回優勝者(GDO編集部注:今季2勝。ザ・メモリアルトーナメントでタイガー・ウッズも今季2勝目を挙げた)となったダフナーは「素晴らしいひと月になった」と振り返る。「2勝して結婚もした…。プライベートも、プロとしても、これ以上は望めないよ」。
同大会終了時までの直近32ラウンドのうち10ラウンドでトップタイとなったことを含めた活躍で、オーバーン大卒のダフナーの株は急上昇。昨季にトーナメント終盤で活躍したことで、知名度もぐっと上がった。残り3ホールを残して5打差を逆転されたこともあったが、ダフナーとかなり長い間バッグを担ぐキャディのケビン・ベイルは望みを捨ててはいなかった。
ダフナーは「全米プロの後は少し気落ちしたこともあったけど、昨季は落ち込んだこともなかったよ。オフシーズンがためになった。海外でいくらかプレーできたから、シーズンを良い状態で迎えることができると思ったんだ。何勝かできるってね。前にも言ったけど、コースにいると落ち着くし、自分のゴルフができていると感じられるんだ。それに優勝することに対する重圧にもうまく対応できている」。
2003年からダフナーのキャディを務め、ダフナーの優勝でキャデラックを手に入れたベイルはこう続ける。「彼はボールを上手く打っているので、優勝できるといつも信じてきた。彼よりも良いスイングをする選手はあまりいないと思うよ。最後のティショットもよく見えなかったんだけど、フェアウェイのど真ん中をとらえたことは、それでも分かったさ」。
過去にペイン・スチュアートにクラシックな動きを身につけさせたチャック・クックが、ダフナーの美しくリズミカルなスイングを作り上げた。そしてそのスイングが、フェアウェイキープ率で2位、パーオン率でトップ、そしてTPCフォーシーズンズでの素晴らしいアプローチといった結果につながった。ショットが平凡なグリーン上でのプレーを助けているのも特徴で、今季のダフナーはストロークゲイン/パット(パッティングによるスコアへの貢献率)で122位と下位につけている。そしてバイロン・ネルソンではパッティングのスタッツで56位、最終日は2度もスリーパットを叩いた。しかし、それでも優勝したのだ。