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【WORLD】待望の初優勝 R.ファウラーの真価

Golf World(2012年5月14日号) texted by Jaime Diaz

ファウラーが過去に師事したコーチは、昨年他界したバリー・マクドネル1人だけだ。

ファウラーとパームビーチで“ご近所”というイアン・ベイカーフィンチは、年齢を重ねるごとにコーチを頻繁に変え、色々なアドバイスを受けたことが悪い影響になったと話す。「回りの人間はいつも『ベテランのようにプレーした方が良い』とアドバイスをくれたけれど、実際には自由に、子供のように伸び伸びとプレーした方が勝てた。私は若い頃にそんな自由な部分を失ったが、リッキーにはそうなってもらいたくはないね。リッキーには子供のようにプレーしてほしい。大学生のようにね」。

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マッコードとキャディのスコヴロンはともに、ファウラーの一番の長所はプレーに対する取り組み方と、常にアグレッシブに考える姿勢とした。マッコードは「10代の頃、彼が予選でキャディについてくれたことがあったんだけれど、突然みぞれが降ってきてね。5ホールで諦めた。でも、何よりも感動したのは、リッキーが何度も真剣にアドバイスしてくれて、勇気づけてくれたことだった。彼は戦う男。それでいて、試合中も普段のように冷静で、落ち着いているんだ」と語った。

今回の優勝により、ファウラー人気を利用する市場活動は一層活発になり、本人にとって重荷となるかもしれない。それでも彼は、見た目は派手だが性格は内向的なため、ファウスト的な、最終的に自分を失うような、諸々の契約は結ばないだろう。「自分は自分。自分ではない違う人間にはなりたくないし、自分とは違うキャラクターを押し出したくはない」と本人は話している。

ブームがすぐに去ってしまう若者向けの文化と密接な関係を持つファウラーだが、ゴルフに関しては長い目で自分自身を見つめているという。頻繁に「何も変えず、自分のスタイルをキープし続けろ」というアドバイスをもらう一方で、貪欲にレベルアップを目標としている。「自分の中で最も成長したと思えるのは、コースマネージメントと、ラウンドの最中に冷静さを保って、ボギーやダボを叩いても、そのあとに修正できるようになったことかな」。ファウラーは、この大会の2日目、序盤こそ3オーバーとしたが「72」にまとめた。本人いわく、このラウンドが優勝につながった一番の要因だったという。

そして最終日も冷静さを保ち、首位と3打差でスタートすると、3パットを2度記録、特に9番のパー4では5メートルから3パットし、流れを止めるミスを犯していた。だが今年の「マスターズ」で、友人のバッバ・ワトソンが優勝した姿を間近で見ていたことから得たものを、即座に実践したようだ。

ファウラーが今後、オリンピッククラブ(全米オープン)やロイヤルリザム(全英オープン)で、この初優勝の時に見せたプレーと同等のパフォーマンスを披露できるかは、まだ断言できない。

しかし、勝負どころで落ち着いたプレーを見せられるかについては、以前よりも疑いは少なくなったことだろう。PGAツアーでの初白星を手にした今、ようやくファウラーは見た目に合致するだけの実績を作った。いやいや、むしろ見た目よりも実力の方が高い評価を得ることになるかもしれない。

米国ゴルフダイジェスト社提携
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