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2013年 マスターズ
期間:04/11〜04/14 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)

14歳グァン・ティンランが最年少予選通過 ペナルティ論争が勃発

ジョージア州オーガスタナショナルGCで開催中の「マスターズ」で新たな記録が誕生した。中国のグァン・ティンランが2日目、スロープレーの1罰打を課せられながら「75」で回り、通算4オーバー55位。バッバ・ワトソン石川遼らと同じくカットラインの50位タイからは漏れたが、首位から10打差以内にとどまり、2010年のマッテオ・マナセロの記録(16歳11か月21日)を更新する史上最年少の14歳5か月18日で決勝ラウンド進出を果たした。

初日1オーバーの46位タイ。丸刈りの中学生の思いもよらない安定感は、第2ラウンドも健在だった。1番から1.5メートルのパーパットを沈めると、バーディチャンスはなかなか作れないが、丁寧にパーを重ねた。

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ショートゲームをはじめショット前のルーティンにかける時間が長く、17番ホールではスロープレーの裁定により1ペナルティを課せられてしまうが、ボギーはこのホールを含めてわずか3つ。ホールアウトした時点では、予選通過のボーダーライン上だったこともあり「ペナルティで予選落ちしても、僕には素晴らしい週になった。本当に楽しかったし、たくさん勉強になった」と話していたが、学びの時間はさらに2日間延長。他のアマチュア全5名が予選落ちしたため、72ホールを完了さえすれば、ローアマチュア獲得となる。

成長著しい中国のジュニアゴルファー。来月の欧州ツアー「ボルボ中国オープン」には、予選を勝ち抜いた12歳のイェ・ワーチェン(Ye Wo-cheng)が参戦。昨年13歳で同大会に出場したグァンのツアー最年少出場記録を塗り替える。昨年「全米オープン」で最年少出場したアンディ・チャンは中国系米国人。ゴルフ途上国の夜明けをさらに印象付けた。

ところで、このペナルティについては裁定直後から激しい論争が勃発している。同組のベン・クレンショーは強風でタフな状況であったことを強調し「まだ14歳だ。確かに彼のプレーが遅い時もあった。でも秒数ルールはこういうコンディションの試合では誰もが守るのは難しい」と非難。ブラント・スネデカーらは「他選手で例を挙げればよかったのに。初めてのマスターズで予選を通過しようとしていたんだろう?スロープレーは問題だけど、タフな状況だ。子供には気の毒」。マスターズ史上類を見ないスロープレーでの罰が、快挙が達成されるかどうかの瀬戸際に“見せしめ”のような形で課せられたことを疑問視した。

一方でもう一人の同組選手マナセロは「誰にとっても難しい日だったけれどプロでは仕方のないこと。スロープレーは全体の問題。競技委員は厳格だった」と裁定を支持している。

優先させるべきはルールの尊重か、歴史的瞬間というべきシチュエーションか。(そしてそもそも、スロープレーをどう罰するかという根本的な考え方の整理か)。相反する形で起こった議論。仮に彼が予選落ちした場合は、それがさらに大きくなっていたことだけは間違いない。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)

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