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“メジャーチャンピオンズ・ツアー”構想

メジャー優勝者だけを集めたツアーをつくろうという動きがある。来年から、年齢が37歳から55歳までのメジャー戦優勝経験者20名を集め、優勝賞金40万ドル、最下位で5万ドルという試合を年に8試合、名門コースだけを選んで開催するというもの。これまで何度もメジャーの舞台となってきたメリオン、オークモント、ウィングドフッ トといったコースの名があがっている。

このアイディアを思いついたプレイヤーたちが、これまで長年テレビのゴルフ中継 にたずさわってきたプロデューサーのテリー・ジャストロウ(Terry Justrow)に相談して実現の可能性や方向性を探っているところだ。実現すれば、ジャストロウには コミッショナーになるよう話が持ち掛けられている。

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1992年のマスターズチャンピオン、フレッド・カプルスもその主要メンバーと目される一人だ。このところ出場する試合数を減らしてきていたカプルスだが、この新ツアー構想は全盛期を過ぎたプレイヤーたちの思いを反映している。彼らは若いプレイ ヤーが台頭しているPGAツアーと、今ひとつ華やかさにかけるシニアツアーのはざま で宙に浮いたような存在なのだ。

4大メジャーの優勝経験者たちとの根回しも進んでいる。ジャストロウはPGAツアー関係者にも話をしている。副理事長で運営担当役員のエドワード・ムーアハウス (Edward L. Moorhouse)もその一人だ。

新構想への参加に興味を示すプレイヤーは続々と出てきているが、現実的にはPGA ツアーのメンバー規約が大きく立ちはだかる。新ツアーに参加すればPGAツアーのメンバー資格は失うことになる。北米での競合ツアーの試合に出ることは禁じているの である。プレイヤーにはPGAツアーに見切りをつけてまで参加するかどうかという問題になる。

複数のメジャーに勝っているグレッグ・ノーマンニック・ファルドは、すでに資格を放棄しているプレイヤーだ。年間に最低15試合出場という規定を満たしていないためである。しかし、資格を放棄しても最大10試合までは出場できる。4つのメジャー、ワールドゴルフ・チャンピオンシップ3試合、プレイヤーズ・チャンピオンシップ、そしてスポンサー推薦での5試合には出場の可能性は残されるのである。構想中の新ツアー側としてもPGAツアーのメンバーのままでは参加をさせるわけには行かない。テレビ放映とスポンサーは現段階ではまだ決まってはいないが、そうなればPGAツアー側に多額の権利料を支払わなくてはならないからだ。

PGAツアーのコミッショナー、ティム・フィンチェムは新構想については知っているとのことだが、「私にはもっと大きな獲物がいる」のだからとほとんど気にかけてはいない。「聞くたびに新しい内容になっいる」と言うフィンチェムだが、現状ではPGAツアーとして運営しているメジャーはひとつもないという思いもあろう。

テレビ・プロデューサーとしてこれまで68回のメジャー戦中継をものにしてきたジャストロウはコメントを拒絶している。まだ、初期段階にあって、まずはパートナーとなりうる関係筋と話をしたいからというのがその理由だ。

「テリー(ジャストロウ)はスポンサーがつくかどうか、そして何人のメジャー勝者たちがPGAツアーの資格を捨ててくれるのかを見極めようとしているんです」

プレイヤーたちのマネージングを手がけるロッキー・ハンブリック(RockyHambric)はニッサンオープンの会場でその件について話したという。

「エンターテインメントとしては素晴らしいアイディアでしょう。もしかしたらシニアツアーよりもエキサイティングな部分もありうるでしょうしね」

全米オープンを2度制したカーティス・ストレンジと1993年の全米プロを獲ったポール・エイジンガーも、興味をそそられ、参加を検討しているプレイヤーだ。ともにジャストロウと話し、構想を聞いている。ストレンジは言う。

「面白いものになるでしょう。検討しようと思っています。しかし、シニアツアーには不利益になるでしょうからね。私はその対象年齢にいるので興味はあるのですが」

新ツアー構想がうまくいく可能性についてエイジンガーは「おそらくチャンスはある」と言った。

カプルスやファルド、ノーマン、ストレンジ、エイジンガーに加えて37~55歳のメジャー・チャンピオン候補者というとそうそうたる顔ぶれが並ぶ。50歳以下ではデイヴィス・ラヴ三世、ヴィジェイ・スィン、ニック・プライストム・レーマン、ハル・サットン、マーク・カルカヴェキア、ベルンハルト・ランガーマーク・オメーラリー・ジャンセン、セヴェ・バレステロス、コーリー・ペイヴィン、スティーヴ・エルキントン、イアン・ウーズナム、ボブ・トゥエイ、ジェフ・スルーマンラリー・マイズマーク・ブルックスクレイグ・スタドラー、スティーヴ・ジョーンズ、サンディー・ライル、ジェリー・ペイト、ウェイン・グレディー、イアン・ベーカーフィンチ。さらにシニアからは、トム・ワトソン、ベン・クレンショウ、トム・カイト、ラニー・ワドキンス、ラリー・ネルソン、ファズィー・ゼラー、アンディー・ノース、ジョニー・ミラー、ビル・ロジャース。

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