朴セリ、伝説は終わらない
アメリカ女子ツアー2002年振り返り 年間11勝のアニカと韓国勢の9勝、そして地元アメリカの4勝
2001年に2年ぶりに賞金女王に返り咲いたアニカ・ソレンスタムは、開幕戦の「LPGA武富士クラシック」で日本の藤井かすみなどを振り切って幸先の良いシーズンを迎えた。2週連続優勝は逃したが、メジャー第1戦「ナビスコ選手権」に優勝。2001年はシーズン序盤に優勝を重ね、中盤少し調子を落としたが、2002年は休むことなく勝ち続けた。
メジャーには1勝しかできなかったソレンスタムだが、6月までに6勝。7、8月は出場試合数も少なく優勝はなし。だが9月に入ると怒涛の優勝ラッシュが始まった。その安定したフォームから繰り出すショットは、測ったようにグリーンを捕らえる。今年の人気商品にもなった2ボールパターで、どこからでもバーディを狙える正確なパッティングも光った。
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今年ソレンスタムのライバルとして活躍したのは一昨年まで2年連続賞金女王をキープしたオーストラリアのカリー・ウェブではなく、韓国の国民的ヒロイン朴セリだった。メジャー第2戦の「マクドナルド選手権」でソレンスタムの連勝を阻止し、シーズン終盤には、ソレンスタムの常勝街道の合間を縫って2連勝。年間5勝は一昨年賞金女王になったウェブを上回る勝利数だ。
その朴の活躍に刺激を受けたのか、韓国の選手が立て続けに優勝を飾った。7月に入りシーズン開幕から好成績を続けてきた金美賢が、「ジャイアントイーグルLPGAクラシック」でおよそ2年ぶりのツアー3勝目を挙げると、翌週の「サイベースビッグアップル・クラシック」では、グロリア・パークが、同じく韓国のH.W.ハンをプレーオフで下した。さらに翌週の「ウェンディーズ選手権」再び金美賢が、H.W.ハンとの接戦を制してシーズン2勝目を飾った。
そしてシーズン終盤、日本の成田ゴルフ倶楽部で行われた「シスコワールドレディースマッチプレーチャンピオンシップ」に、グレース朴が日本の米山みどりとの激闘を制した。地元アメリカ勢ではジュリー・インクスターが2勝、ローラ・ディアスの2勝だけ。国際化の進む米国ツアーだが、32試合でアメリカ以外の選手が優勝したことになる。来シーズンもこの傾向は続くだろう。
この1年、日本ツアーから飛び出した若手3人にも注目は集まった。中島真弓、小俣奈三香、片野志保が福嶋晃子、小林浩美に加わった。しかし、残念ながらシード権を確保できたのは福嶋のみ。だが、来シーズンも各選手の挑戦はつづく。