落胆大きく…アダム・スコットは通算6オーバーで終戦
2016年 ISPSハンダ ゴルフワールドカップ
期間:11/24〜11/27 場所:キングストン・ヒースGC(オーストラリア)
ゴルフW杯をもっと楽しむために!知っておきたいアレコレ
前回大会を振り返る
ゴルフワールドカップの前回大会となると、ロイヤルメルボルンで開催された2013年大会まで遡らなければならない。3年前、個人トロフィーを掲げて地元ファンを歓喜させたジェイソン・デイは、アダム・スコットと組んだチーム戦でも優勝し、豪州勢が母国でタイトルを独占した。大会の1週間前に、その年の台風30号で親戚8人を亡くしていたデイは、称賛すべき精神力を見せ、デンマークのトーマス・ビヨーンを2打差で下した。
最終日を「70」でラウンドしたデイは通算10アンダーとし、パートナーのスコットが通算7アンダーとしたことで、豪州は5度目のゴルフワールドカップ制覇を達成した。最終日を「71」でラウンドしたビヨーンは、通算8アンダーとしてワールドカップでは自身2度目の2位に入った。デンマークは、南アフリカのアーニー・エルスとレティーフ・グーセンが組んで優勝した2001年大会でも2位に入っている。
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一口サイズの大会史
今回で58回目の開催となるゴルフワールドカップは、1953年に今とは異なる大会名で産声を上げた。「カナダカップ」の名称で幕を開けたこの大会は、その名の通りカナダのモントリオールで第1回大会が開催されたのだが、当時の参加国はわずか7カ国と、比較的地味な大会だった。大会は米国人のジョン・ジェイ・ホプキンスの発案で開催され、彼の名は今でも勝利チームに授与されるトロフィーに刻まれている。
その後、大会は28カ国・地域が参加する、世界的に最も規模の大きなゴルフのチーム大会に成長した。2016年大会は、フォーマットが72ホールのストロークプレーによる、2名1組のチーム戦に戻されることになった。選手たちは、大会初日と3日目をフォーサム(交互にショットする)方式でプレーし、2日目と最終日をフォアボール(ベストボール)方式でプレーする。
2016年大会のフィールド
メルボルンで開催される2016年のゴルフワールドカップには、36人の欧州ツアーメンバーが出場する。28チームに分かれる彼ら全員の勝利数を合算すると273勝となり、ゴルフワールドカップの出場回数は67回となる。16人の選手は世界ランキングでトップ50圏内につけており、フィールドの半数以上はトップ100圏内だ。18人は「ライダーカップ」か「プレジデントカップ」でのプレー経験がある。
フィールドにいる3人のメジャー王者の一人であるアダム・スコットは、チームメイトのマーク・レイシュマンとともに豪州のタイトル防衛に臨む。大会25勝目を狙う米国チームは、リッキー・ファウラーとジミー・ウォーカーがプレーし、彼らと今年の「ライダーカップ」で対戦したアンディ・サリバンとクリス・ウッドはイングランド代表として出場する。
ワールドカップ3勝目を狙うスウェーデンは、現在世界で最もホットなプレーヤーの一人であるアレックス・ノレンがデビッド・リングマースとタッグを組む。初優勝を狙うデンマークは、ともに飛ばし屋のトーマス・ピータースとニコラス・コルサーツがコンビを組む。
コース
サンドベルトと呼ばれるメルボルン南東の郊外に位置するキングストン・ヒースGCは、オーストリア、そして世界でも有数のコースとして知られる名門クラブである。元々、コースは1909年にエルスターンウィックGCとして、かつてあったエルスターンウィックパークで開場したが、その後、1925年にヘザートンへと移され、キングストン・ヒースと名称を改めた。
パー82として開場したコースは、当時オーストラリアで最長のコースであった。元々のコース設計はダン・ソーターが行っているが、アリスター・マッケンジーが1926年に当地を訪れた際、このコースに合ったバンカリングの戦略に関するアドバイスを残している。
同クラブはこれまで「オーストラリアオープン」を7度開催しており、2009年にはタイガー・ウッズが地元のグレッグ・チャルマースを2打差で退けて優勝した「オーストラリアンマスターズ」も開催した。キングストン・ヒースでワールドカップが開催されるのは初めてで、ロイヤルメルボルンに続く豪州2つ目のワールドカップ開催コースとなる。
トリビア
・ワールドカップの史上最年長出場記録はベルギーのフロリー・フォンドンクが保持している。67歳だった彼は、1979年に19度目にして最後のワールドカップ出場を果たしている。一方、史上最年少出場記録はマルコ・ボブクが持っており、ユーゴスラビアを代表して1979年大会に出場したとき、まだ15歳だった。
・ディフェンディングチャンピオンの豪州がタイトル防衛に成功すれば、1999年と2000年に連覇を果たした米国チーム以来の快挙となる。
・これまで最多勝は米国の24勝。豪州と南アフリカがそれぞれ5勝で続いている。スペインが4勝、カナダが3勝、イングランド、ドイツ、アイルランド、日本、スウェーデン、ウェールズがそれぞれ2勝を挙げている。優勝1回は、アルゼンチン、台湾、イタリア、スコットランドの4カ国。
・アーノルド・パーマー(1960、1962、1963、1964、1966および1967年)とジャック・ニクラス(1963、1964、1966、1967、1971および1973年)がそれぞれ6勝で個人による最多勝記録を保持。この2人はコンビを組んで1963年、1964年、1966年、そして1967年大会を制し、同一パートナーでの最多勝記録も持っている。後年、フレッド・カプルスとデービス・ラブIIIが1992年、1993年、1994年、そして1995年大会を制し、この記録に並んだ。