2019/03/14進藤大典ヤーデージブック

PGAツアーの名物パー3 浮島グリーンは究極の距離感テスト

■TPCソーグラス17番パー3(137yd) 世界最高峰のゴルフコースにはそれぞれ名物パー3があります。PGAツアーではやはり「マスターズ」が行われるオーガスタナショナルGCの12番、「ウェイストマネジメントフェニックスオープン」開催のTPCスコッツデール16番、そして今週の「プレーヤーズ選手権」の舞台TPCソーグラスの17番が“ベスト3”といえる有名ホールではないでしょうか。 上記3つのパー3で共通しているのが、距離が決して長くないという点です。ソーグラス17番の表記は137yd。カップが手前に切られた時は110から120yd、奥の時も140yd弱しかありません。ウェッジ、ショートアイアンを...
2019/03/21進藤大典ヤーデージブック

スネークピットをかいくぐれ 悲劇を生む最終グリーン

■イニスブルックリゾート18番パー4(445yd) フロリダ州タンパ近郊のイニスブルックリゾートは、前週「ザ・プレーヤーズ選手権」が行われたTPCソーグラスからは自動車で約4時間。2週前の「アーノルド・パーマー招待」の会場ベイヒルクラブ&ロッジからは約2時間のところにあります。今週の「バルスパー選手権」は今年からフロリダシリーズ4連戦の最終戦になりました。 当地の名物はスネークピット(蛇の穴)の愛称を持つ16番からの上がり3ホール。今回はその締めくくりである18番をピックアップします。 第1打はフラットですが、290yd地点から急激にフェアウェイが狭くなるのが最初の特徴です。両サイドの深いバ...
2019/05/16進藤大典ヤーデージブック

“ドS”のブラックコース 最終18番は短くてもワナがたくさん

ベスページ州立公園ブラックコース 18番パー4(411yd) 2019年からメジャー第2戦は「全米プロゴルフ選手権」。プロゴルファーだけによる最高峰の戦いが16日(木)に始まります。例年の大会は4つのメジャーの中で最もロースコアが出るイメージがありますが、今年に限ってはそうはいかない予感がします。 ニューヨーク州のロングアイランドにあるベスページ州立公園ブラックコースは初心者・中級者お断り、まさに“ドS”クラスの世界一難しいパブリックコースとして知られています。 中でも注目すべきは最終18番。数字だけ見ると411ydと短いパー4ですが、ご覧ください、この歪(いびつ)な形をしたバンカー群…。テ...
2019/05/23進藤大典ヤーデージブック

伝統コースのスタートホール イーグル…アルバトロスのチャンスも?

コロニアルCC 1番パー5(565yd) タイトルスポンサーが今年替わった「チャールズ・シュワブチャレンジ」の舞台はテキサス州のコロニアルCCです。ツアー通算64勝のベン・ホーガンが生前、拠点のひとつにしたコースはコンパクトなつくりで、毎年ショットメーカーが試合を有利に進めています。 ピックアップしたのは1番ホール。距離が決して長くないため、イーグルも頭に入れたいパー5です。2018年大会で小平智選手は初日にアルバトロスを達成しました。一日の流れをつかむためにも、バーディは確保したいところです。 ティショットが非常に重要です。軽い右ドッグレッグとなるため、1Wでまっすぐ打つと左のバンカーに入...
2019/02/28進藤大典ヤーデージブック

最後まで気が抜けない ベアトラップの水難ホール

■PGAナショナル・チャンピオンコース16番パー4(434yd) ジャック・ニクラスが1990年に改修に加わったPGAナショナル・チャンピオンコースが、フロリダスイングの始まり。特に15番からの連続する3ホールは難度が高く、“ベアトラップ”の異名を持ちます(ベア=熊/ニクラスの愛称、トラップ=罠)。今回ピックアップするのは右ドッグレッグの16番パー4。すべてのショットに高い精度が求められます。 まずはティショット。アゲンストの風が吹くことが多く、右サイドのハザードを避けることを最初に考えます。飛ばしすぎると池がせり出てフェアウェイが狭くなるため、求められるのは正確性。右のフェアウェイバンカーを...
2019/02/21進藤大典ヤーデージブック

タイトな“入り口”が難関 標高差攻略は計算勝負

■チャプルテペクGC 1番パー4(316yd) 年の最初の世界選手権シリーズ(PGAツアーのスケジュールでは、前年秋のWGC HSBCチャンピオンズに続くシーズン2戦目)がメキシコに移ってから3年目。ピックアップするのは、両サイドに木がせり出している狭いスタートホールです。 ティエリアからグリーンまでは11ydの打ち下ろしになり、距離も316ydしかありませんが、右サイドは272yd、左は278ydでそれぞれバンカーに入ってしまいます。ピンまで40yd前後の中途半端なバンカーショットは、プロでも難しいもの。打ち方はエクスプロージョンショットになりますが、SWではなくAWを使うケースも多くなりま...
2019/03/07進藤大典ヤーデージブック

帝王の次は王様が相手 “画面じゃ見えない”傾斜を読め

■ベイヒルクラブ&ロッジ18番パー4(458yd) “帝王”ジャック・ニクラスが手がけたPGAナショナルでの「ザ・ホンダクラシック」に続き、今週は「アーノルド・パーマー招待」。2016年9月に逝去した“キング”ことパーマーさんが居を置いたベイヒルクラブ&ロッジが開催コースになります。なんといってもタイガー・ウッズが8回もの優勝を飾った当地では、そのフィニッシングホールに注目します。 フラットな印象を持たれるコースですが、それぞれのホールに細やかな傾斜があり、18番はティエリアから第1打の落としどころが見えません。右サイドの池までは331ydあるとはいえ、270yd地点から緩やかな下り傾斜が始...
2019/06/13進藤大典ヤーデージブック

恐怖の109ydパー3 僕もペブルビーチで打ってみた

ペブルビーチGL 7番パー3(109yd) メジャー今季第3戦「全米オープン」がいよいよ始まります。ことしの会場はカリフォルニア州ペブルビーチGL。西海岸のサンフランシスコから車で南に2時間半ほど、モントレー半島にある、ゴルファーなら誰もが一度は訪れたい場所です。 ダイナミックな海沿いの絶景を望むホールが続くなか、やはり難しさをお伝えすべきはこの7番でしょう。世界的にも有名なパー3は、たったの109yd。メジャーで109ydしかないって驚きませんか? しかもティからは打ち下ろしがマイナス10yd入るので、実質的にはピンが手前にあるときで90ydほど。奥にカップが切られても115ydしかありませ...
2019/05/30進藤大典ヤーデージブック

“オーガスタ12番”をさらに難しく? ニクラスが仕掛けたワナ

ミュアフィールドビレッジGC 12番パー3(184yd) ミュアフィールドビレッジGCはジャック・ニクラスが手掛けたコース。まさに“帝王の庭”と呼ぶにふさわしい、ツアー屈指の難度を誇ります。松山英樹選手は2013年の対抗戦「ザ・プレジデンツカップ」で初めてここを訪れ、翌14年に米ツアー初優勝。僕にとっても忘れることなどできない場所です。 特徴あるホールが続きますが、中でも難しいのが今回の12番です。4ydを打ち下ろすパー3は、「マスターズ」のアーメンコーナーでおなじみの12番(パー3)に似た形状で、さらに何倍も難しくしたかのように思えるのです。 ティからはずっと池。グリーンの形状は横に倒した...
2019/04/10進藤大典ヤーデージブック

感動のフィニッシングホール オーガスタ18番は最終試験

4月のメジャー初戦「マスターズ」がいよいよ11日(木)に開幕します。すべてのゴルファーが憧れるジョージア州・オーガスタナショナルGCで、今年も熱戦が期待されます。当地は1934年、ボビー・ジョーンズとアリスター・マッケンジーの設計で開場し、年々進化を続けています。11番、12番、13番の“アーメンコーナー”は特に有名ですが、ほかにも攻略が難しいホールばかり。大会直前のこのコーナーでは、3ホール以外にポイントになるホールを5つピックアップします。(解説・進藤大典) オーガスタナショナルGC 18番パー4(465yd) PGAツアーをはじめ、米国のコースの数々はとにかく18番ホールのつくりが難し...
2019/04/08進藤大典ヤーデージブック

“チーピン”も悪くない? オーガスタ10番は最難関

4月のメジャー初戦「マスターズ」が今週11日(木)に開幕します。すべてのゴルファーが憧れる会場のジョージア州オーガスタナショナルGCで、今年も熱戦が期待されます。1934年に開場した当地はボビー・ジョーンズとアリスター・マッケンジーの設計で始まり、年々進化を続けています。11番、12番、13番の“アーメンコーナー”はとくに有名ですが、他にも攻略が難しいホールばかり。大会直前のこのコーナーでは3ホール以外にポイントになるホールを5つピックアップして解説します。 オーガスタナショナルGC 10番パー4(495yd) フロントナインを終えて、いっそう気持ちを引き締めなければいけないのがオーガスタ。...
2019/04/07進藤大典ヤーデージブック

恐怖の3段グリーン オーガスタ9番は攻めすぎ注意

4月のメジャー初戦「マスターズ」がいよいよ11日(木)に開幕します。すべてのゴルファーが憧れるジョージア州・オーガスタナショナルGCで、今年も熱戦が期待されます。当地は1934年、ボビー・ジョーンズとアリスター・マッケンジーの設計で開場し、年々進化を続けています。11番、12番、13番の“アーメンコーナー”は特に有名ですが、ほかにも攻略が難しいホールばかり。大会直前のこのコーナーでは、3ホール以外にポイントになるホールを5つピックアップします。(解説・進藤大典) オーガスタナショナルGC 9番パー4(460yd) バーディのチャンスが大きい8番(パー5)の直後から、特に難しいホールが続きます...
2019/04/09進藤大典ヤーデージブック

ウッズの名場面を演出 オーガスタ16番の緊張感

4月のメジャー初戦「マスターズ」がいよいよ11日(木)に開幕します。すべてのゴルファーが憧れる会場のジョージア州オーガスタナショナルGCで、今年も熱戦が期待されます。1934年に開場した当地はボビー・ジョーンズとアリスター・マッケンジーの設計で始まり、年々進化を続けています。11番、12番、13番の“アーメンコーナー”はとくに有名ですが、他にも攻略が難しいホールばかり。大会直前のこのコーナーでは3ホール以外にポイントになるホールを5つピックアップして解説します。 ■オーガスタナショナルGC 16番パー3(170yd) オーガスタでの上がり3ホール。最終日に優勝争いをしていたら、プレーヤーはど...
2019/04/18進藤大典ヤーデージブック

フィニッシングホールで風を切り裂け 5人目のPGAツアー日本人王者誕生の地

ハーバータウンGL 18番パー4(472yd) 小平智選手が衝撃的なPGAツアー初勝利を飾ってから、早一年が経ちました。メジャー第1戦「マスターズ」翌週の「RBCヘリテージ」が行われるのはサウスカロライナ州のリゾート地、ヒルトンヘッドアイランド。オーガスタから車で約3時間、海岸線にあるコースが会場になります。ジェイソン・デイ(オーストラリア)のコーチでもあり、前キャディのコリン・スワットンさんも住んでいるところなんですよ。 ピックアップしたホールは最終ホール。ティから真っすぐピンを望めますが、左サイドはすべて大西洋になります。ハーバータウンGLは基本的には林間コースで、フェアウェイが狭く、グ...
2023/07/25進藤大典ヤーデージブック

5年ぶり海外メジャー 蝉川泰果の収穫と松山英樹のすごさ

海外メジャーでバッグを担ぐのは2018年「全米オープン」以来、5年ぶりでした。チャレンジ精神をかき立てるようなハードセッティング、ギャラリーの数と熱気。その中で味わうのは楽しさや興奮といったポジティブなものばかりではありません。忍耐の時間は長く、ふとした瞬間に反省や後悔が湧き上がってくることもあります。ひとつの試合で、これだけいろいろなことを感じさせてくれる舞台は、メジャーをおいて他にないでしょう。 今回の全英オープン開催コースは2006、14年大会に続くロイヤルリバプールで、少しだけティイングエリアの位置をずらすことでバンカーを絶妙なポジションに配置する“味付け”が施されていました。新設され...
2023/05/02進藤大典ヤーデージブック

初タッグ蝉川泰果の驚異的な“嗅覚” 目の前で見た大親友・岩田寛V

「中日クラウンズ」で久しぶりに男子ツアーのキャディを務めました。国内男子は2018年「ダンロップフェニックス」、和合も10年前の13年以来ですから、時の流れを実感しますね。バッグを担いでロープの中を歩くのは懐かしさと同時に刺激にあふれていて、選手と一緒に応援してもらえるこの仕事の素晴らしさを改めて実感しました。 本当に久々だったので、書きたいこと、伝えたいことが山ほどあります(笑)。まずは予選ラウンドで一緒に回った石川遼選手について。いまもプレー映像はチェックしていますが、“対戦相手”として見たのは松山英樹選手と予選同組だった18年のフェニックスが最後だったと記憶しています。 印象としてゴルフ...
2022/10/18進藤大典ヤーデージブック

習志野で惜敗の夜 リッキー・ファウラーは日本酒を飲みたがった

アジアで開催される唯一のPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」が終わりました。月曜からギャラリーが詰めかけるのも、それだけ見たい選手がそろっているから。そんな中でディフェンディングチャンピオンとして期待を一身に集めた松山英樹選手の振る舞いはまさにスーパースターでした。 思うようにスコアを伸ばせない状況でも、目の前の一打に集中力を研ぎ澄ませて決して諦めない姿勢。プレー後には練習場へ直行し、それが終わったら多くのギャラリーにサインをして引き揚げる。全てにおいて手を抜かない、松山選手の真骨頂だったと思います。 単独トップから出たリッキー・ファウラー、追いかけるキーガン・ブラッドリーとアンドリュ...
2022/10/11進藤大典ヤーデージブック

ゴルフ界で最も旬な男が日本へ 「ZOZO」の見どころは?

いまゴルフ界で最も旬な男と言ってもいいかもしれません。韓国の20歳、トム・キムが再びすごいことをやってのけました。 昨季レギュラーシーズン最終戦「ウィンダム選手権」を制し、本コーナーで“第二の松山英樹”として取り上げたのは、わずか2カ月前のことです。今度はツアーメンバーとして臨む新シーズン最初の試合「シュライナーズチルドレンズオープン」で優勝。21歳の誕生日を迎える前の複数回Vはタイガー・ウッズ以来となる快挙でした。 「僕は運がいい。タイガーの足元にも及ばない。タイガーはもちろん、ロリー(マキロイ)、ジャスティン(トーマス)、ジョーダン(スピース)のようになるには、本当に長い道のりがあって、ハ...
2022/10/25進藤大典ヤーデージブック

秋を制する者は年間レースを制す? マキロイが4度目戴冠へ好スタート

昨季の年間王者ロリー・マキロイ(北アイルランド)が2022-23年シーズン初戦となった「ザ・CJカップ」を制しました。前シーズン6月の「RBCカナディアンオープン」に続く今年2度目の大会連覇達成で9度目の世界ランキング1位にも返り咲きました。 首位スタートから3つ伸ばして一気に逃げ切るかと思われた直後、8番で3パットボギー。さらに11番では、フェードボールを打ちにいった1Wショットで逆球が出て左の林に飛び込む大ピンチを迎えました。 グリーン方向が空いており、ツキには恵まれた形でしたが、ウェイストエリアの沈んだライから200ydを残すタフなショットです。それでも7Iで見事にグリーンをとらえた一打...
2020/02/13進藤大典ヤーデージブック

ウッズの原点リビエラ 真ん中バンカーの6番グリーンは“傾斜地獄”

リビエラCC 6番パー3 (199yd) 以前、ダスティン・ジョンソンに「世界で一番好きなコースはどこ?」と聞いたことがあります。彼が名前を挙げたのが、今週「ジェネシス招待」が行われるリビエラCC。3年前に優勝して初めて世界ランキング1位となった地でもあり、ひときわ思い入れも深いのでしょう。1926年に設立された米国屈指の名門コース。2028年ロサンゼルス五輪でゴルフ競技が実施されれば、その舞台となる予定でもあります。 トピックは、大会が今年からタイガー・ウッズの招待試合として開催されること。タイガーにとっては、アマチュアだった1992年に16歳でPGAツアーデビューを果たした“原点”です。3...