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進藤大典 PGAツアー・ヤーデージブック読解

ゴルフ界で最も旬な男が日本へ 「ZOZO」の見どころは?

いまゴルフ界で最も旬な男と言ってもいいかもしれません。韓国の20歳、トム・キムが再びすごいことをやってのけました。

昨季レギュラーシーズン最終戦「ウィンダム選手権」を制し、本コーナーで“第二の松山英樹”として取り上げたのは、わずか2カ月前のことです。今度はツアーメンバーとして臨む新シーズン最初の試合「シュライナーズチルドレンズオープン」で優勝。21歳の誕生日を迎える前の複数回Vはタイガー・ウッズ以来となる快挙でした。

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「僕は運がいい。タイガーの足元にも及ばない。タイガーはもちろん、ロリー(マキロイ)、ジャスティン(トーマス)、ジョーダン(スピース)のようになるには、本当に長い道のりがあって、ハードワークし続けなければいけないんだ」

初々しいコメントとは裏腹に、戦いぶりは堂々としたものでした。今大会のドライビングディスタンスは298.4ydでフィールド70位という数字が示すように決して飛ぶ選手ではありませんが、パーオン率87.5%(63/72)とアイアンショットが光ります。スクランブリング100%(9/9)とショートゲームも巧み。かつてフィリピンで暮らしていた時期もあり、当時は桂川有人選手や笹生優花選手と同じコースを拠点に練習していたと聞きます。そういった経験のひとつひとつが、彼の強みでもある語学力や技術の引き出しを増やすことにもつながっていると思います。

大会前は体調がすぐれず、満足に練習ラウンドもできていなかったといいます。それでも初めてのコースで72ホールをノーボギーでプレーしてしまうのですから、技術だけでなくメンタルの強さもすさまじい。

最終日は、2週前の「プレジデンツカップ」でも激闘を演じたパトリック・カントレーとのマッチレース。カントレーにとっては優勝経験があり、前日3日目のプレーではコースレコード「60」をマークしている大得意のTPCサマリンですが、トムはしっかりと自分のプレーに集中できていました。

そばで支えるキャディのジョー・スコブロンさんの存在も大きいと感じます。プレジデンツカップに続く2試合目とコンビを組んでから日は浅いものの、長年リッキー・ファウラーの相棒としてバッグを担いできたベテランです。3日目の9番(パー5)ではセカンドの番手を迷うトムに対し、「トラブルになったら僕が責任を取る」と背中を押す形で2Iを持たせてバーディにつなげるやり取りが注目されました。

よく食事に行ったり、いまでも仲良くしているスコブロンさんの活躍は個人的にもうれしいところ。今回の優勝がファウラーのハートに火を付けてくれるんじゃないかとひそかに期待もしています。

この試合では4人もの韓国勢がトップ10に食い込みました。ここ10年のPGAツアーで記憶にない躍進ぶりは、20歳の大ブレークに触発されている部分も大きいのではないでしょうか。同じ国の仲間の優勝をグリーンサイドで見届ける-。松山選手がトップレベルをキープし続ける一方、後に続いて勝ったのは小平智選手だけとなっているだけに、日本勢もそんな光景を見せてくれる日を願ってやみません。

今週の「ZOZOチャンピオンシップ」ではトムをはじめ、好調の韓国勢も多数来日します。ファウラーやザンダー・シャウフェレコリン・モリカワらのビッグネーム、キャメロン・ヤングサヒス・ティーガラといった期待のニューフェースを日本で見られる年に一度のチャンス。松山選手の大会連覇へのチャレンジを応援するのはもちろんのこと、いろんな角度から最高峰のPGAツアーを楽しみたいですね。(解説・進藤大典)

進藤大典(しんどう・だいすけ)
1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。

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