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2022年 ザ・CJカップ
期間:10/20〜10/23 場所:コンガリーGC(サウスカロライナ州)

進藤大典 PGAツアー・ヤーデージブック読解

秋を制する者は年間レースを制す? マキロイが4度目戴冠へ好スタート

昨季の年間王者ロリー・マキロイ(北アイルランド)が2022-23年シーズン初戦となった「ザ・CJカップ」を制しました。前シーズン6月の「RBCカナディアンオープン」に続く今年2度目の大会連覇達成で9度目の世界ランキング1位にも返り咲きました。

首位スタートから3つ伸ばして一気に逃げ切るかと思われた直後、8番で3パットボギー。さらに11番では、フェードボールを打ちにいった1Wショットで逆球が出て左の林に飛び込む大ピンチを迎えました。

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グリーン方向が空いており、ツキには恵まれた形でしたが、ウェイストエリアの沈んだライから200ydを残すタフなショットです。それでも7Iで見事にグリーンをとらえた一打は、まさにマキロイの真骨頂。世界最高クラスの切れ味を誇るアイアンショットで流れを引き戻してみせましたね。

近年のPGAツアーを振り返ると、秋口に始まるシーズン序盤で勝利を挙げた選手がフェデックスカップ年間王者に輝くケースが少なくありません。やはりマキロイも昨年10月のこの大会で優勝し、4大メジャー全てでトップ10入りをするなど安定した戦いを続けて史上初となる3度目の戴冠を果たしました。

16年10月「CIMBクラシック」のジャスティン・トーマス、17年10月「WGC HSBCチャンピオンズ」のジャスティン・ローズ(イングランド)、20年10月「ZOZOチャンピオンシップ」のパトリック・カントレーと秋に勝った選手が同一シーズンに当たる翌年プレーオフシリーズで頂点に立っているのです。14年のジョーダン・スピース、15年のマキロイのように秋にスポット参戦した他ツアーでタイトルを獲得し、年間王者となった例もあります。

シーズンの早い段階で結果を出すことが心にゆとりをもたらしてくれるのは、どんなトップ選手にも当てはまる部分でしょう。特にマキロイは一時の不振から抜け出し、「ゴルフを楽しめている」というコメントからもメンタル面の安定がうかがえます。

以前、車いすテニスの国枝慎吾選手と食事をする機会がありました。ひときわ興味深かったのは、勝ち続けるプレッシャーとの付き合い方。国枝選手も一時は重圧を感じながら必死にそれを隠し、わざと人を寄せ付けないように演じている部分があったそうです。しかし、成績が出なくなる中でありのままを受け入れるように変化し、ひとつひとつの過程を楽しみながら試合を戦うようになった、と。そして、今もトップを走り続けています。

別競技のレジェンドとも共通するマキロイの充実ぶり。PGAツアー221試合で23勝目となり、勝率10.4%は現役選手で群を抜いています。359試合目でツアー最多82勝に並んだタイガー・ウッズの勝率22.8%(当時)は神の領域なので参考になりませんが(笑)、24勝を挙げたダスティン・ジョンソンが7.8%、通算15勝のトーマスでも7.5%となっています。

昨年同様、シーズン早々に優勝したことでパフォーマンスはさらに磨きがかかっていくはず。今季も主役としてツアーを盛り上げてくれることは間違いなさそうです。(解説・進藤大典)

進藤大典(しんどう・だいすけ)
1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。

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