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タイガー・ルール トラブル撲滅への手段
US Golf Digest 2014年1月号 texted by Divid Fay
実は1991年、PGAツアーはテレビ中継のモニタリングを実施したが、僅か数ヵ月で中止する破目になった。モニタリングは、その年の3月に始まった。視聴者から、ドラール・ライダー・オープンに出場したポール・エイジンガーがルール違反をし、失格となるべきという報告が届き、ツアーはテレビ局の中継車に競技委員を配置。ルール違反予防に努めた。
GTEバイロン・ネルソン・クラシック最終日、ツアーは選手の誤判断を無効とする為、リプレー映像を採用。現在ゴルフダイジェスト、ゴルフワールドに寄稿しているジェイミー・ディアズが、当時その記事をニューヨークタイムスに掲載した。
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だが論争が起こったのは、トム・カイトが11番ホールで打ったフックショットに対する見解だった。カイトのフックショットは池に入り、同組のフィル・ブラックマーは、ボールが境界線を超えたというカイトの主張に同意。カイトにはペナルティのドロップが認められた。しかし、元ツアープロのジョージ・ボーテルは、そのショット映像を見たところ、カイトのボールは境界線を越えていないと主張。カイトはティーから打ち直すべきと結論づけた。ボーテルはツアートーナメントディレクターのマイク・シェアに連絡を取り、シェアは急いで11番ホールに向かった。そして、ボーテルの意見をカイトに伝えた。
カイトはボーテルの意見に反論し、2つのボールでプレー。ドロップしたボールではボギーを記録。ティから打ち直したボールではダブルボギーを叩いた。シェアは問題となったショットの映像を見直し、ダブルボギーが適当と判断した。
カイトは自分の見解を疑問視されたとして憤慨。3日目を終えて首位としていたカイトは、最終日に75を叩き、8位タイで終えた。
カイトは大会後、「テレビには何の効力も無い。委員が中継車から映像を見て判定するなんて何の意味も無い。何故こんなシステムを使っているのか理解に苦しむ」と怒りをぶちまけたのだった。
話を2013年のプレーヤーズ選手権最終日に戻そう。首位を走っていたウッズは、14番ホールでティショットを左の池に入れた。そして同組のケーシー・ウィッテンバーグに確認を取り、ドロップ。このプレーについて、NBCのジョニー・ミラーは、「タイガーのドロップは、確かに境界線上だった」と振り返る。同組だったウィッテンバーグも、「言わずにはいられない。ティから彼のショットを完璧に見ていた。彼の判断は間違っていない。同意する。何も間違ったことはなかったんだ。彼がドロップしたところの境界線をボールが超えたんだ」と語っている。
自信を持ったウィッテンバーグがタイガーを擁護する為に言った、或いはそうさせられたと考えるのは愚か。ゴルフワールドのジョン・ストレジは、視聴者が見る映像の角度も誤った判定を引き起こしかねないと警鐘を鳴らす。「実際に頭上を超えたボールではないので、映像のリプレーだけでは誤った見方に誘導してしまう可能性があるでしょう」。
PGAツアー競技部門副代表を務めるマーク・ラッセルも同調した。「確かな証拠が無い限り、ウッズのボールが最後にどのラインを超えたかを判断するのは、ウッズ自身、そして同組の選手の判断に委ねるべき。仮に、映像、もしくは他の証拠が出て、ウッズの判断が誤っていたとなったとしても、ゴルフ規則26-1に則ったペナルティは科されるべきではない。選手達は公正に判断したにも関わらず、その判断が後になって正しくなかったと分かった場合には罰を受けるという危険を常に負うことになるから(ゴルフ規則26-1/17)」。
2013年にルール問題が再燃したことを受け、我々はツアー側がモニタリングに関するルールを改めるかどうかを問うた。
すると、ツアースポークスマンのジョエル・シューシュマンは、「PGAツアーでは、スタッフにテレビ中継を見る権利を与えない。我々が最重要視するのは、コース上の競技委員の見解」と返答。また、「状況に応じて、認められるのであれば、競技委員がテレビ映像をモニタリングすることもある。幅広い観点から、今後もテレビ映像を1つの証拠として監視し、今後のルール構築にとって重要なポイントになると見るだろう。結論として、我々は現在、この問題に対して競技委員会と検討を重ねている」と続けた。
そういうことならば、ツアー、そして競技委員会に私から進言したい。選手達は正しい判断を求めている。ファンも正しい判断を求めている。そして、テレビ映像は、正しい判断をする重要な役割を担える、と。
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