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タイガー・ルール トラブル撲滅への手段
US Golf Digest 2014年1月号 texted by Divid Fay
別の例を取り上げてみたい。1965年の全米プロゴルフ選手権でのこと。アーノルド・パーマーが打ったボールは、仮設の橋付近に落ちた。そこには木製の柵があった為、パーマーにはフリードロップが認められた。
だが、フリードロップという判定が下るまでの間、パーマーは2人の委員が木製の支柱を壊すのを眺めていた。彼は笑顔を見せ、次のショットを放ち、パーを拾った。それが後に、ジャック・タトヒルにより2打のペナルティが科された。何故か?それは、パーマーが委員に支柱を壊す許可を与えたからだった。パーマーはラウンド終了後、Sports Illustrated誌の取材を受け、謝罪した。「自分のミス。規則は知っていたけれど、それに則らなかった」とした。
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仮にタイガーが自分の過ちをすぐに認めていたら、ここまで大きな騒動には発展しなかったかもしれない。
現在問題となっているのは、テレビ中継の映像を、ルール違反かどうかを見極める正当な材料とするかどうか。これについては意見が分かれるところだ。プロツアー、そしてUSGAとR&Aは、正確にルール違反を示す証拠であれば、いかなるソースであっても検討材料にすべきと主張。コースに入れるテレビカメラの台数に制限を設けることを含め、PGAツアーも、今後はUSGAとR&Aと同議題について話し合う必要があると言われている。
私はテレビカメラの映像を証拠として導入するのに賛成だが、6ホールで記録した罰則を17ホールまで判定をあやふやにしない方法、つまりは選手を守る方法として、あらゆる証拠を認めることを薦めたい。他の選手の証言、ギャラリーの証言、もしくはライブ中継であれ、録画であれ、視聴者からの声もだ。
ルールの専門家が中継を見られれば、それも良い対策になるだろう。フィールド上の委員と映像を見ている委員とが協力し合い、未然にルール違反を防ぐことだって出来る。仮に専門家が違反を確認した場合、選手がスコアカードに記入する前に、コース上の委員が警告を出すよう指示も出来る。それにより失格の数も減るだろう。
前USGA代表のフランク・ヘニガンが定めた練習場のテレビ中継は、1980年代から現在まで続いているが、これは効果的と言える。
1992年にオークモントで開催された全米女子オープン。ドナ・アンドリュースのボールは16番ホールのグリーンのフリンジにあった。ホールの方に目をやった際、故意ではなかったが彼女はボールを僅かに動かしてしまう。アンドリュースは、1打の罰則が科される対象になると理解していたが、元にあった場所に戻す必要があるとは認識していなかった。
そしてラウンドを終え、彼女は「68」を記録したと思った矢先、アテストのテントでUSGAのデイヴィッド・イーガーと会った。ヘニガンはイーガーに対し、アンドリュースがサインする前に警告すべきと進言。そしてアンドリュースに対し、アドレス時にボールを動かしたとして1打、そして元の場所にボールを戻さなかったという疑惑により、更に1打の罰則が加算される疑いがあると伝えた。これにより、スコアは69に変更され、首位タイとなった。アンドリュースは後日、「ルールを理解していなかったの。でも、今では理解している」と、過ちを認めた。
現在チャンピオンズツアー選手のイーガーは、今年のマスターズ第2ラウンド、15番ホールでウッズが行った不適切なドロップについても言及した。
「彼のショットが旗に当たって池に落ちたショットのリプレーを見た。『ボギーで収める素晴らしいショットかと思った』と言うが、それからウッズの5打目の映像を見た時、イーガーはゴルフダイジェストのガイ・ヨーコムにこう伝えた。
「その時に気が付いた。彼が本来5打目を打つ場所の前に窪みが出来ていた。それから3打目を見直したら、そこに窪みは見当たらなかった。つまり、タイガーは、3打目を打った場所から出来るだけ近くでドロップしなかった。ゴルフ規則26-1で定められている場所で打たなかったということ」。