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2012年 ザ・プレーヤーズ選手権
期間:05/10〜05/13 場所:TPCソーグラス(フロリダ州)

【WORLD】タイガーはもはや“その他大勢”?

Golf World (2012年5月21日号) texted by John Huggan

ウッズが過去に成功した要因のひとつは、ショットのバリエーションの豊富さにあった。高い球、低い球、ドロー、フェードをすべて持ち、どんなピンポジションに対しても対応できたウッズは、全部門でアドバンテージを持っていた。ターゲットを外し、パーセーブできないことは本当にまれだった。

だが、もうそうではないのだ。

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タイガーのミスは、ボールがどこに行ってしまうかわからないほど大きなものになった。オーバーだったり、ショートしたり、左右に曲がる姿は、経験不足なゴルフファンでさえ、ぶざまに見え、心地よくないアドレスをとっている印象をける。15回目の出場となった「ザ・プレーヤーズ選手権」を終え、ウッズのゴルフの様子は、何一つ安定しておらず、再現性がないものであるということを露呈してしまった。

かつてのプレーの輝きが垣間見えるのは、技術よりもタッチやフィーリング、想像力が大切になる短いショットにおいてだけ。ウッズが成功してきたのは、頭であれこれ考えて他人の言葉を糧にしてきた、というからではなく、才能あってのものだった。

しかし、ウッズは強情だ。ソーグラスで明白だった度々の優柔不断な様子を見ると、ヘイニーが遠まわしに(そして金儲けのために)書いた『ビッグミス』の内容が、より本当のことに見える。ウッズは荒っぽく、乱れたドライバーショットのせいで、パーオンするチャンスをなくした。合理的で、鋭いショートゲームによるバックアップをもってしても、パーセーブの可能性が減っていた。フェアウェイの良いライからでさえグリーンを15ヤードはオーバーしたシーンもあった。

いわゆるビッグミスというものは、決まってスコアを(時にはいくつも)落とす原因となる。ウッズはソーグラスではグリーンのエッジに運ぶことが精一杯の状態だった。このケースで最も安全な攻略法は、ボールをグリーンセンターに置くことから始まり、ピンに寄せていくことだ。こうすると、グリーンを外すことが減り、場合によってはバーディチャンスが増える。以前のウッズは、そのようにプレーしていたのだ。今はもうそうではなくなってしまったが…。

以上の理由に加え、タイガーの優位さが失われてしまった点はまだある。2000年前後には華麗だったパッティングは最悪になった。パッティングで重要な距離は1.2メートルから2.5メートルだが、スキャンダル前のシーズンとなった2009年、ウッズはこのカテゴリーで78.61%を記録しツアーNo.1だった。しかし、2010年以降、ウッズはこの距離で69.6%しかカップに入れることができていない。

これまで、プロゴルファーという点でもパーソナルな部分でもウッズを応援してきたギャラリーでさえ、ソーグラスの最終日3番ではこんな仕打ちをした。一緒にプレーしていたキーガン・ブラッドリーに対しては「セクシーだぜ、キーガン!」と言う歓声があがったのが、ウッズのドライバーショットの後には「(薄くなった)髪のことは心配するな、タイガー」と言われる始末だったのだ。

もちろん、まだいくらか復活の可能性は残っている。我々は、ツアーカードをキープするために苦しんでいたり、ツアー優勝について気にすることのない男について、こんなにネガティブな話をしているわけではない。ウッズに関しての話は、エベレストの頂上のようなところからの衰えについての話なのだ。ほぼ完璧だった過去は失われたけれども、やはり、それは取るに足らないことだ。

ウッズは今でも、どの試合でも(長い間14勝で止まっているメジャータイトルでさえ)勝つ力が残っているゴルファーなのだ。しかし、ウッズの生物学的な時計は、特にグリーン上でこれまでにないほど大きな音で時を刻んでいる。30代後半になってパッティングで進化が認められる選手は多くないからだ。そして、忘れないようにして欲しいのだが、ウッズは過去2年間でたった1つしかレギュラートーナメントで優勝していない。

ウッズに対してポジティブな見方は、フォーリーとの試みがまだ進行中だということだ。一方で、世界最高だったゴルファーが、避けることのできない下り坂を歩んでいることがネガティブな見方だ。

いまはただ、ともかくみんなで、そのポジティブなところを見守ろう。

米国ゴルフダイジェスト社提携
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