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【WORLD】課せられた使命 M.ワンLPGAコミッショナー インタビュー

Golf World(2013年2月18日号)texted by Ron Sirak

―グローバルなツアーとなって得られるプラス面、それにマイナス面は何でしょう?
「プラス面の方が多いでしょうね。今日のトッププレーヤー達のバッグを見ればお気づきになるでしょうが、世界中の企業がスポンサーになっています。ワールドワイドなスポンサーに、ファンのベースも世界規模になってきています。それに女子ゴルフがメジャーなスポーツになる役割も果たしていると言えるでしょう。我々が率先して先駆者となっていると思いますよ。規模が大きくなると同時にネガティブな面もあって、基本的にトッププレーヤー達には、26、27歳でキャリアを終えて欲しくはないのです。ロレーナ・オチョアを例に挙げると、彼女は結婚を理由に電撃引退を発表しました。世界トップのプレーヤー達に理解してもらいたいのは、家族を持ちたければ、LPGAの大会に出場しながらでも可能ということです。しかしながら、大会スケジュールが過密になり、出場資格を得るのが難しくなればなるほど、彼女達にとっては障壁が大きくなってしまいます。素晴らしい選手達がキャリア全盛期に競技から離れるような事態は好ましくありません」

―LPGAの競技人口が増えるということは、アメリカ国内での大会数が増えるということでしょうか?
「常にそうしたいですし、より多くの大会を開催したいとも思います。ですが、今のツアーは以前よりも大きな規模になっていることを理解しないといけません。何よりも大会スケジュールを優先しないといけませんし、より注目度が高くなっているという点を、私自身も考えないといけません。年間4、5大会くらいはアメリカ国内で全国放送されるようにする必要があるでしょう。おそらく、今年は何大会かで実現が可能だと思います」

―就任以降、ご自身で最大の功績と思うことは何ですか?
「2010年の段階では、グローバルという視点で考えた時に、LPGAにとっては苦しい状況と大半の方々が思っていたと思います。我々のメンバーの中でもそういう意見は少なくなかったでしょう。ですが、今ではそうした質問に答える必要はなくなりました。世界が我々の存在に気付き、競技的にも良い方向に向かっていると言えます。2年前にはツアーそのものの存続を危ぶむ声もありましたが、今ではそうした意見も少なくなりましたからね」

―未だに韓国の放映権収入が最大の収益なのですか?
「たしかに以前まではそうでしたが、今では他の国々からの放映権料も大きな収益になっています。特に宮里藍宮里美香上田桃子らの活躍で日本での放映権料収入も増えましたし、ヤニ・ツェンの影響で台湾での放映権料収入も見込めていますから」

―クラフトナビスコ選手権は2014年以降もメジャー大会として存続するのでしょうか?
「今後もクラフトナビスコ選手権は、大会開催地、開催時期と変わらず、ツアー大会として存続すると思っています。2014年に大会自体が消滅することはないでしょう。契約には、大会消滅を訴えるには、5年前から申し出なくてはならない条項が含まれていますから。今後クラフトへの注目度も上がるようになると考えています」

―年間5つのメジャー大会となる現状に満足されていますか?
「私は満足していますよ。2009年の時点で、フェアウェイ上で1人のファンとしてインタビューを受けていたら、何と返答していたか想像がつきませんけれどね。女子ゴルフにとっても良いことですし、エビアン・マスターズの地位も今後更に高くなるでしょう。

―前コミッショナーのキャロライン・ビベンズが残したビジネス面での捻れを修復する必要に迫られましたか?
「まず、就任1年目には、私が想像していた以上に多くの関係者から事情を聞く必要に迫られました。メディアや、我々の組織から去った人間の話では前任者の責任という声が多く出ましたが、実のところは不景気の影響が強かったと言えます。2010年はじめに私が下した決断は、スポンサー費の見直しでした。より多くの企業がスポンサーになりやすい価格に設定し直し、自分達の取り分を極力減らすよう努力してきました。私が就任して以降、利益は少ないですが、選手達にプレーする場を与え続けることが自分の仕事だと思いましたから」

―63年の歴史を誇るLPGAですが、その大半では“追い詰められた”時期を経験したと思います。この点については、どうお考えですか?
「2010年にも言ったことですが、我々に対する反対意見は歓迎すべきものと考えました。期待値が低い方が、我々の仕事もしやすくなりましたからね。それに63年前と理念は変わりありません。1950年に発足したLPGAは、自分達のスコアだけを気にするような選手達だけで創設されたわけではないのです。小切手を切ってくれる対象者、そしてファンのことを第一に考え、支払う金額に見合う価値のある組織になろうとしたのです。その理念は今日でも生き続けていますし、それこそLPGAの長所だと思います。だからこそ、63年目を迎えられたのではないでしょうか」

米国ゴルフダイジェスト社提携
Used by permission from the Golf DigestR and Golf WorldR. Copyrightc 2011 Golf Digest Publications. All rights reserved

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