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全米プロとオリンピック 開催コース連動の可能性を探る

Golf World ―― texted by Ron Whitten

「ゴルフワールド」は先日、PGA・オブ・アメリカが「全米プロゴルフ選手権」の海外開催を検討していると報じた。私個人は、これは好ましいこととは思わないが、一方でPGA・オブ・アメリカCEOのピート・ベバックアが、2016年のオリンピック翌週にリオ・デ・ジャネイロ五輪の舞台と同じコースで全米プロを開催するアイデアを試すための実戦的な道ではあると思う。

この試みは成功するだろう。五輪出場には世界ランクが採用されるため、世界のトッププロがブラジル入りしていることは確実だ。ギル・ハンセ設計のコースは、メジャー開催にも相応しく、ギャラリースタンドや売店、そしてTV塔も準備万端なはず。確かに、オリンピックを放送するのはNBC/ゴルフチャンネルで、全米プロはCBSが放映権を持つが、その週は、CBSがNBCの放送機材を拝借することが濃厚で、自前のスタッフを南アメリカに送り込むよりは安く運営できることも間違いない。

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最大の問題は、2016年の全米プロが既にバルタスロールGCで開催することが決まっているということだ。とは言え、これまでにも選手権開催予定地が変更されたことはある。2004年にはバルハラが舞台となる予定だったが、後日、ウィストリング・ストレイツに変わったこともあるのだ(もちろん、PGAがバルハラを所有していることで変更も容易だったし、同地は2008年のライダーカップと2014年の全米プロ開催地となった)。

一番簡単な解決法は、単純に同コースでの開催を一年先送りにすること。バルタスロールは2017年、クエール・ホローを2018年、ベレリブを2019年、ベスページを2020年にすればいい。こうすることで、まだ名前のないリオのコースが2016年の大会開催地にすることも可能となる。

2016年では詳細決定が間に合わないなら、Bプランはどうだろう。全米プロを2020年五輪後の東京で開催するという案だ。2020年の全米プロ開催地はまだ未確定で、契約不履行による訴訟の恐れの心配もない。東京五輪のゴルフ競技の舞台として発表されている霞ヶ関カンツリー倶楽部に、2020年全米プロの開催地にするというわけだ。その場合、36ホールのうち18ホールを選出して行うことになるだろう。霞ヶ関が現在そして未来のコースには相応しくないという声もあるが、今後7年間でアップグレードされ難易度が増すことは確実だ。そして、当然のように、18の開催候補地から同コースが選出されることを手助けしたコース設計家のトム・ドークが、コース改造の有力候補となっている。(最近になってドークにそのことを伝えたら、本人から「そう思うだろうが、リオでも僕が有力候補になっていると思っている」との回答があった)

もっと重要なことは、CBSによる全米プロの放送は2019年で終了するという事実である。PGA・オブ・アメリカのビッグイベント、ライダーカップの2030年までの放映権を獲得したNBCが、全米プロ放映権の獲得を約束しないなんて思わない者などいるのだろうか?(全米オープン放映権争いに敗れた後となれば尚更だ)NBCは、2020年の東京五輪を放映することになっており、ゴルフ競技を霞ヶ関から中継することにもなる。つまり、(放映権を獲得すれば)翌週も霞ヶ関に止まり、プライムタイムというわけではないが、全米プロをアメリカのお茶の間に届けるということになるのだ。

繰り返しになるが、世界のトッププロは東京に集結しているだろう。一方で、全米プロはツアープロ以外にも20名のクラブプロが全米プロに出場する。これが経済的な負担となる中、PGA・オブ・アメリカはチャーター機と彼らの宿泊施設を手配することができるのだろうか?

ここで、私からベバックア会長へ。主導権を行使するのは自由。海外の声は忘れた方が良い。そうすれば、あなたは、“世界の”ではなくPGA・オブ・アメリカをリードする存在であることに気づくだろう。アメリカにはナショナルチャンピオンシップを開催するに相応しいコースがたくさんある。そして、そういったコースの殆どは、あなた方のメンバーが運営しているのだ。

Used by permission from the Golf DigestR and Golf WorldR. Copyrightc 2011 Golf Digest Publications. All rights reserved

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