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2013年 プレジデンツカップ
期間:10/03〜10/06 場所:Muirfield Village Golf Club

主将引退のカプルスに有終の美をもたらしたウッズ

By Helen Ross, PGATOUR.COM

米国選抜キャプテンのフレッド・カプルスはかつて、電話で質問に答えることが好きじゃないと発言したことが話題になった。電話の向こう側に知らない誰かがいるかもしれないからだ。

しかし「プレジデンツカップ」最終日のシングルマッチが行われている最中、カプルスの親指はずっと動き続け、まるで手慣れたようにテキストメッセージのやり取りをしていた。

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カプルスが率いる米国選抜は、まるで永遠のように17ポイントの壁にぶつかっていた。あとたった1ポイントをラスト8マッチで得る事が出来れば、5大会連続、そして通算9勝目(両チーム優勝を含む)となる優勝を掴むことができた。

どの対決がこの勝負を決める事になったのだろうか?

世界選抜は全く引き下がる気配を見せなかった。カナダ出身のグラハム・デリューが米国選抜ルーキーのジョーダン・スピースを、ラスト4ホールで逆転。南アフリカのアーニー・エルスはパッティングに冴えを見せ、ベテランのスティーブ・ストリッカーに打ち勝った。

ここで、米国選抜のリードはわずか3ポイントとなった。アシスタントのジミー・ガブリエルソン、そしてもう一人の長年の友人と苦労を共にしてきたカプルスは、パニックにはならずとも多くの不安を抱えていた。そこで、デービス・ラブIIIジェイ・ハースがアシスタント役をかって出た。

「500回くらい問いかけなければいけなかった。どうしたら4ポイント目を取れるか、どこで取れるのか、ってね」とカプルスは振り返った。

「デービスとジェイに、テキストメッセージを送り続けたね。だって、とてもナーバスになっていたから。選手達にはやるべきことをわかっているけれど、我々はとにかく18ポイントを取らなくてはと思っていたから」。

そして、カプルスの不安は少し楽になった。

今年の「プレジデンツカップ」は、カプルスが初めて主将を務めた2009年にサンフランシスコのハーディングパークで行われた大会、そして大陸を超えてロイヤルメルボルンで行われた2011年大会と、同じ結末を迎えた。

世界ランク1位のタイガー・ウッズが勝負を決めるポイントを稼ぎ出し、18.5-15.5で米国選抜が勝利した。

約8時間前、ニック・プライスがこの日の第9試合にリチャード・スターンを起用するのに対し、カプルスはメジャー大会優勝14度を誇るウッズをぶつけることにした。この決断は、この時点では奇抜なものに思えた。

結果的に、スターンは今週1ポイントも奪うことが出来なかった。一方のウッズは、この日朝のフォアボール形式の試合で敗れていたものの、3-0という出だしを見せていた。世界選抜はこの試合のあとに、チャール・シュワルツェル、ルイ・ウーストハイゼンアンヘル・カブレラという錚々たる三人を残していた。

キーガン・ブラッドリーウェブ・シンプソンフィル・ミケルソンを最後の3人として残し「ここでウッズを出すべきだと思った」とカプルス。「なぜリチャードにタイガーをぶつけたかのと皆が訊くね。タイガーは、リチャードについて少し話をしていたんだ。彼の今週の出来はこうだ、ああだとね」。

「タイガーは7試合目から9試合目ならどこでも出てくれることになり、そして我々はこれ以上待ちたくなかったから、彼を第9試合に出したんだ」。

スターンは驚くべき試合運びを見せた。フロントナインの2ホールでリードを奪い、15ホール時点でオールスクエアとした。しかし、つい先日、米国ツアーのプレーヤー・オブ・ザ・イヤーに選出されたウッズは、背中に痛みを抱えながらも14番で浮上してきた。

スターンがティショットを池に打ち込んでしまった16番、ウッズはパーでリードを奪った。そして17番は両者ともにパーとし、決着は最終ホールに持ち越された。1アップで18番を迎えたウッズを、カプルス、そしてチームメイトは、グリーンの周りで期待しながら見守った。

ウッズはこの試合がどれだけ重要かを理解していた。そして、決着をエクストラホールには持ち込みたくなかった。

「フレディと同じような気持ちでいたよ。4ポイント目を取らなければ、とね」とウッズ。「調子は決してベストではなかったけど、1アップのリードがあった。とにかく勝ち切ろうと思っていた」。

「もうプレーしたくないという気持ちだった。最終ホールをどうにか引き分けて、そのまま勝利できればと思った。そしたら、その通りになった」。

ウッズは2打目をグリーンに乗せ、ピンから34フィートの位置につけた。スターンが58フィートから狙ったバーディショットを外し、ウッズはあと2パットで沈めるだけとなった。ウッズはガールフレンドのリンゼイ・ボンからキスで祝福され、米国選抜のチームメイトたちはハグやハイファイブで勝利を祝った。

「今日は本当に良い試合だったと思う。どの試合も接戦だった」とカプルス。「ずっとナーバスだったけれども、タイガーが18ポイント目を取ってくれたことは本当に良かった」。

歓声が鳴りやまない中、カプルスは黄色のシャツに緑のキャップで18番ホールのグリーンに向かうと、2年前のメルボルンでもそうしたように、オーストラリアから駆け付けた応援団「ファナティックス」と一緒に写真に収まった。

「ウィーラブユー、フレディ!」。

ファナティックスは観衆と12人の米国選抜メンバーに向けて大合唱した。

カプルスはこの雰囲気に浸り、楽しんでいた。それもそのはず、彼はその数分前、米放送局NBCに米国選抜主将としての引退を表明していたからだ。

「3度目の優勝なんて、私には十分過ぎる位だね」とカプルスは笑いながら答えた。

情報提供:PGA TOUR

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