松山英樹×藤本佳則がプロアマスタート前の1時間の濃密セッション 「ゴルフの話が止まらない」
◇米国男子◇ベイカレントクラシック Presented by レクサス 事前(7日)◇横浜CC(神奈川)◇7322yd(パー71)
早朝の薄暗い横浜CCのパッティンググリーンに、藤本佳則の姿が合った。この日、プロアマ戦に入ってない藤本だったが、「このぐらいならいるかなと思って」と朝いちばんで会場入りして、大学の2学年後輩の松山英樹の練習を待ち構えていた。
いつも通りスタート時間の約1時間半前にグリーン上に現れた松山は、藤本の存在に気付き、驚いたような表情を見せた。国内ツアー「関西オープン」で藤本が飾った12年ぶりの復活優勝を「本当に、めちゃくちゃうれしい」と喜んでいた松山にとっても、久々の再会だった。
藤本は松山の横にぴったりと付き添い、ショット練習をつぶさに観察した。時折バッグからクラブを抜いてチェックをしたり、松山へ質問をしたりして、それに対して松山も丁寧に応じていた。その後はアプローチグリーンに場所を移し、2人のやり取りはさらにヒートアップした。
「そんなにフェース開いて打つんや」(藤本)
「ウェッジのバランス(数値上は)けっこう重いんやな。でも振ったらそんな感じへんな」(藤本)
十数年前の空気感に一気に戻り、その場はまるで東北福祉大時代の先輩と後輩にフラッシュバックしたかのよう。周囲が誰も会話を挟めない、2人だけの空間になっていた。
グリーン上に移ると、松山の持つピン型パターで打つように促された藤本は、「俺の(打つ)ピン型はアカンよ。打たせたらアカン」と返し、冗談を言い合った。そんな姿も、先輩と後輩の微笑ましいやり取りそのものだった。2人の会話はなかなか止まらず、「スタート6分前です」と声を掛けられて慌ててティイングエリアに向かった松山も、時間を忘れるほど、その空間を楽しんでいるようだった。
濃密な約1時間を終えた藤本は打撃練習場に戻り、「英樹とはやっぱり会話のフィーリングが合う。こういうこと言いたいんやろうな、とか。その感覚は、伝わらない人には伝わらないけど、そこはびったし一致する。お互い認め合っているからね。あ、でもアイツが俺のこと認めてるかは知らんけど」と笑った。さらに「英樹からは学ぶことしかないよね。話していると、そうとう賢いんやろうなと思った」と付け加えた。
かわいい後輩でもあり、世界の頂点を走り続けるかつてのライバルでもある松山。その存在から刺激を受けた藤本は、打撃練習場に向かい、朝の静かなレンジで黙々とボールを打ち始めた。(横浜市保土ヶ谷区/服部謙二郎)