松山英樹が19年初戦へ アマチュア・金谷拓実は米ツアーデビュー
ひやひやさせた最終日 ベ・サンムンが今季初戦で優勝
リードを広げたベ・サンムンが、最終日のバック9も安定したプレーを見せ、「フライズドットコムオープン」優勝を飾った。
ベは最終18番で短いバーディパットを外したが、2位との差が1打縮まっただけで大事には至らなかった。最終日を「73」の1オーバーとして優勝したベは、6月の「フェデックス セントジュードクラシック」を制したベン・クレイン以来、最終日にオーバーパーを記録しながら優勝した選手となった。
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ナパバレーの乾いた暑い最終日に「67」を記録したスティーブン・ボーディッチに、2打差をつけて勝利した。
この日、韓国出身の28歳が唯一見せた危うい場面は、パーとした10番以降の4ホール。ベは11番から14番までの3ホールで3パット(その内2ホールはグリーン外から)したが、なんとか踏みとどまり、2打差以上のリードを保った。
今季初戦に出場した4人の「ライダーカップ」米国代表のうち、ハンター・メイハンは、13番ホールで残り91ヤードからイーグルを決めて首位と2打差に詰め寄り、このまま勢いに乗るかと思われた。だが、15番でボギーを叩くと、グリーンサイドのバンカーに入れたパー5の16番では、辛うじてボールを出しただけで、バーディを逃した。
メイハンは「70」で最終日を終え、レティーフ・グーセン、ブライス・モルダー、松山英樹、マーティン・レアードと3位タイでフィニッシュ。松山は「フライズドットコムオープン」で2年続けて3位タイに入った。
最終組でプレーしたPGAツアールーキーのザック・ブレアは、序盤にボギーを叩いて優勝争いから脱落し、最終日を「74」として、ベと5打差の12位タイで初戦を終えた。
トータル「273」の通算15アンダーで優勝したベは、PGAツアー2勝目をマーク。来年4月開催の「マスターズ」出場権を手にした。
首位をひた走ったベを追い詰める選手は現れなかったものの、後半は安定感に欠けた。2位となったボーディッチは、18番ホールをバーディで締め、トータル「273」の通算13アンダーでホールアウトすると、ベがパーを取るのに必死だった姿を見て、そのまま練習場に直行した。
11、13、14番でボギーを叩いたベだったが、12番で約5メートルのバーディパットを沈め、少しは平静さを取り戻せたはずだった。キーポイントを挙げるとすれば、おそらくパー5の16番だろう。
ティショットをラフに打ち込んでしまい、難しいライから掘り起こすようにフェアウェイに何とか戻すと、アグレッシブにサンドウェッジで攻めた。しかし、硬いグリーンの上で弾み、再びラフに。ベはチップショットをカップまで約60センチのところに寄せ、パー。17番でもグリーンを越えてしまい、再び寄せてパーとし、2位と2打差のリードを保持したまま最終ホールを迎えた。
「少し緊張していた」と話したベは「実際、このコースは簡単ではなかった。優勝できて本当に、本当に嬉しい」と、喜びを言い表した。
最終組の1つ前でプレーしたマット・クーチャーは、首位と5打差で最終日をスタートするも、1番ホールで1メートル弱のパーパットを外し、早くも優勝戦線から脱落。3番でも木の裏のラフに打ち込みボギーを叩くなど「76」で最終日を終えた。ブルックス・ケプカは、後半のバーディチャンスを逃していなければ、ベにもっと圧力を掛けられただろうが、「72」に終わり、ハドソン・スワッフォード、ジョン・カラン、ロバート・アレンビーと並び8位タイ。
週末を「69-67」としたリー・ウェストウッドは、12位タイだった。
急性骨髄性白血病を克服し、2012年以来のPGAツアー出場となったジャロッド・ライルは、最終日の「70」を含み4日間通してパー以上のスコアを残し、31位タイで復帰戦を終えた。
初日から2日続けてベとプレーしたグーセンは、日曜の展開を予期していたという。
「彼(ベ)は非常に良いショットを打っていたし、パターの状態も極めて良かった。彼のプレーを見たら、最終日に捕まえるのは大変だと思っていた。ミスも多くないしね」
グーセンの予想に反し、ベは後半に崩れかけたが、大きな問題とはならなかった。