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2019年 マスターズ
期間:04/11〜04/14 オーガスタナショナルGC(ジョージア州)

フロム・センダイ(後編) 僕らは“松山英樹2世”じゃない

7年ぶり

2018年10月、シンガポールでの「アジアパシフィックアマチュア選手権」で7年ぶりの日本人チャンピオンが誕生した。20歳の金谷拓実(かなや・たくみ)は、10年&11年大会を連覇した松山英樹がかつて在籍した東北福祉大の現役の2年生。来年4月の「マスターズ」、7月「全英オープン」の2つのメジャーチケットを獲得した。

東北福祉大ゴルフ部は今年、創部30周年。節目の年に男女で「全国大学対抗戦」、「信夫杯争奪日本大学対抗戦」を制覇した。卒業生は続々とプロツアーへの門をたたき、強豪校の伝統が連綿と受け継がれている。前編の松山英樹インタビューに続く後編では、金谷らの言葉で強さの源泉をのぞいた。

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優勝以来の対面

12月のある日、仙台市内にある東北福祉大のキャンパスには厳重に保護されたケースが届いた。中に入っていたのは「アジアパシフィックアマ」のトロフィー。金谷拓実が対面したのは、優勝した時以来だった。

「結構重いんですよね、これ。表彰式の時に腕が痛くなりました」

金色に輝くプレートにはHIDEKI MATSUYAMAの名前が2つ並び、最下段に新たにTAKUMI KANAYAと刻まれた。「マスターズに行く実感? そうですね…最初はなかったんですけど、最近はなんか…。まだまだ先ですけど、ちょっと緊張もあります」。本戦までの約4カ月の期間を“まだまだ先”と表現するあたりに、二十歳らしさをうかがい知れた。

日本のゴルフ界でその名が広く知られるようになったのは約3年半前。2015年に兵庫・廣野ゴルフ倶楽部で行われた「日本アマチュア選手権」で、当時17歳だった金谷は大会最年少優勝を飾った。ちなみに決勝の相手だった中島啓太(当時15歳)は、先の「アジアアマ」で2打差の2位に入った選手だ。さらに金谷は同じ年の秋に「日本オープン」でローアマチュアを獲得。2017年の同大会では池田勇太と優勝争いを演じて2位に入った。東北福祉大に入学した秋のことだった。

初めての苦労も

クラブは5歳で握った。ゴルフ好きの両親が打ちっぱなしに連れて行ったのがきっかけ。出身は広島だが、「父の転勤で3歳から2、3年、秋田にいたことがあった。その頃に初めてパブリックコースを回ったみたいなんです」。何かの縁か、彼のゴルフのキャリアは東北で始まっていた。

小学校入学前に広島に戻り、本格的に打ち込むようになった。広島カープ、特に前田智徳・元外野手の大ファンで「プロ野球選手になりたかった」と笑って思い返すが、ゴルフに情熱をささげた。2007年まで開催されていた国内男子ツアー「ウッドワンオープン広島」の観戦に訪れ、小学生の時にスコアボードを持ってプロに帯同したこともある。

高校卒業後のプロ転向を目指し、日本ツアーの予選会にも参加した。転機はここにあった。「あの時は(2020年)東京オリンピックに出たかった。アマチュアのままではプロの試合になかなか出られないので、世界ランキングを上げられない。プロになってうまくいけば、オリンピックに出られるかもしれないと考えていました。ファイナルQTで6日間回ったら(決勝ラウンドに進出したら)、下部ツアーには出られる。でも4日間の予選で落ちてしまったので、大学にお世話になることにしました」

東北福祉大には「拾ってもらった」という思いだ。「それまで一度も学校を見に行ったことはありませんでした。ただ、比嘉一貴さん(2017年末にプロ転向)には当時ナショナルチームでお世話になっていて、環境が良いと聞いていた」。スーパー高校生は一転、日本一の大学ゴルフ部の一員になった。

親元を離れてひとり暮らしするのは今回が初めて。寮生として集団生活をしているとはいえ「大変です」と苦笑いする。「最初はすっごい不安で。一番難しいのは、栄養を摂ること。料理が全然できないので。朝食と夕食は寮で出るんですけど、昼が…」。先輩たちや現役生が勝ち取ってきた数多くのカップやトロフィーがエントランスに並ぶ、ゴルフ部の住まい「創芯寮」で頭を悩ませる毎日を送っている。

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仙台の刺激

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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  • 2019/04/11~2019/04/14
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