12位からの逆転は可能か?マスターズの数字あれこれ
2015年 マスターズ
期間:04/09〜04/12 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
欧州トッププロが明かす至高の「マスターズ」攻略法
10番ホール カメリア 495ヤード パー4
セルヒオ・ガルシア (スペイン)
オーガスタの10番ホールは打ち下ろしのパー4で、左にドッグレッグしている。向かい風でない限り、ほとんどの場合において僕らはドライバーを使わない。大概、3番ウッドで下り坂に落とせばランを稼げるんだ。3番ウッドで下り坂を利用すれば15ヤードはランが出るから、そうなれば、セカンドは5番か6番のアイアン、あるいはランの出方によっては8番アイアンで打つこともある。そして2打目は砲台グリーンへ向けた難しいショットになる。わずかでもショートするとかなり戻されてしまうんだ。左側は余裕がなく、右側にはタフなバンカーがある。というのも、グリーンは奥から手前、そして右から左へ傾斜しているから。ピンが左に切られている状況で右側に乗せると速いパットが残るし、ピンが右に切られている状況でグリーンの右に外すと、そこから寄せるのはほぼ不可能だ。ここは4日間通してパーだったらとてもハッピーという類いのホールだね。バーディが奪えれば最高だよ。
11番ホール ホワイトドッグウッド 505ヤード パー4
ヘンリック・ステンソン (スウェーデン)
最もタフなホールの一つだと思う。ティショットは真っ直ぐ。オーガスタでティショットが狭いところは余りないけれど、ここはティショットが狭いホールの一つだね。良いドライバーショットを放つと、泣く子も黙るセカンドショットが待っている。多少打ち下ろしとなり、左に池を見ながら7番か8番アイアンでグリーンを狙いにいくことになる。ここはいつもタフなホールで、大会を通じた平均スコアはとても高い数字になると想像する。2つの素晴らしいショットが求められ、その上、ちょっとした勾配のあるグリーンにも危険が待っている。上からのファーストパットだと、トリッキーな2パット目が残ってしまう可能性がある。
12番ホール ゴールデンベル 155ヤード パー3
リー・ウェストウッド (イングランド)
恐らく、これは世界一有名なパー3だろう。難しいポイントは、ここでは風が舞っているのと、グリーンが左側のフロントエッジから対角線上に遠ざかるような形状をしているところだ。正しいクラブ選択をし、正しい方向に打たなければならない。もし、ピンが左手前に切られているときに、少しでも右側に外すと、ピンハイにある手前のバンカーに捕まり、パーセーブは難しくなる。反対にピンが右奥に切られているときに左に外すと奥のバンカーに捕まる。ここはタフなパー3で、もしパーで切り抜けられれば文句を言う選手はいないと思う。たかだか155ヤードのホールとしては驚くべきことだけれど。
13番ホール アザレア 510ヤード パー5
ジャスティン・ローズ (イングランド)
ここ数年、このホールではアグレッシブに行っている。以前はティショットを3番ウッドで打ってドローをかけ、セカンドは3番アイアンのようなロングアイアンで狙うようにしていたのだけど、2打目をクリークに入れてしまうことが多かったんだ。それで、これは考え得る最悪のプレーだと気付いたんだ。今では、たとえティショットをミスしてレイアップするようになってもバーディチャンスは残るようにマネジメントしている。2打目をクリークに入れて6打で上がるよりはましなんだ、と考えるようになったからだ。ティショットはドライバーでアグレッシブにいって、左のコーナーを越えるようにしている。もし、それでミスしても、別の方法でバーディを狙いに行くことができるからね。ここは2つの素晴らしいショットが必要とされる。ティショットが左へ行くのは最悪のミスで、皆それを分かっているから、多くの選手が右側の松葉の中に打ち込んでいるところをよく目にするだろう。もし2打目を左にミスすると、あのバンカーのいずれかに捕まり、寄せてワンパットが難しくなる。正直なところ、グリーンもタフなんだ。あのグリーンの右端は多くの選手がパットを読み過ぎてしまう。ピンが左奥に切られている場合、グリーン奥にボールを留めなくてはならないタフなウェッジショットが待っている。どのピンポジションもそれぞれ挑戦的であり、全てのショットがスコアを左右する。それがこのホールを素晴らしいものにしているんだ。ここを4打で上がるには、すべてが上手くいかなくてはならない。
14番ホール チャイニーズファー 440ヤード パー4
トンチャイ・ジェイディー (タイ)
14番ホールはとてもタフですね。特にグリーンがタフです。セカンドでピンを狙うには良いドライバーショットが必要とされます。左から手前へ傾斜しているグリーンはとても難しいです。良いアイアンショットを打って上りのパットを残したいところです。どんなショットであれ、右側につけられれば良いですね。
15番ホール フィレットホーン 530ヤード パー5
ロリー・マキロイ (北アイルランド)
ティショットは真っ直ぐ一直線に。風向きによってはフェアウェイにある2つのコブを越すこともできる。そしてセカンドは5番ウッドから5番アイアンのいずれかで打つことになるんだ。皆、ここではショートできないのは分かっていると思う。グリーン中央に乗るようにするか、あるいは、最低でもそこに落とさなければならない。グリーン奥へ外すと、寄せワンは決して簡単ではない。オーガスタのパー5はどれも素晴らしいホールで、リスクへの見返りが大きいんだ。ここは最後のパー5で、この先は終盤のタフなホールが待っているから、何とかロングホールの利を活かして4打で上がりたいホールだね。
16番 レッドバッド 170ヤード パー3
ブランデン・グレース (南アフリカ)
ここは見事なパー3だ。距離感が全て、というホールだね。正確なクラブ選択が求められる、特に風が舞っているだけにね。グリーンは2段になっているから、ピンが手前にあるときはホールの手前に打っていくか、あるいは少しピンの先に落として傾斜で戻るのを期待することになる。ピンが奥に切ってあるときは、狙いにいかず、しっかりとホールの下側につけて、3打でおさらばするだけさ。
17番ホール ナンディナ 440ヤード パー4
ホセ・マリア・オラサバル (スペイン)
もちろん冷害で枯れてしまったアイゼンハワーツリーは今年もないわけだが、あそこがどうなるかによってティショットは大きく左右される。木がないようであれば、ソリッドなドライバーショットで丘を越え、グリーンへの見通しを確保する必要がある。ティショットは左右に木々があってとてもタイトだ。非常にきついティショットになる。フェアウェイを捉えることができれば、セカンドをどう打って行くかはピンポジションが大きく物を言うことになる。ピンが中央に切ってあればショートアイアンで打つことになるだろう。最もタフなピンポジションは右奥だ。最もトリッキーな場所ともいえる。通常、風は右から左に吹いており、グリーンの硬さにもよるが、17番で4打は良いスコアだ。そうしてもらえるなら、私は毎日パーでも構わないよ。
18番ホール ホーリー 465ヤード パー4
チャール・シュワルツェル (南アフリカ)
オーガスタの最終ホールは、あの松の木々がトンネルのような雰囲気を醸し出しており、とても正確なティショットが要求される。その上厄介なのは、木々がティから100ヤード先まで続いており、300ヤード先のフェアウェイ左側にバンカーが2つ待ち受けているところだ。あの2つのバンカーを目がけて打ち、フェードでそれを外すのが理想だね。その通りに打てれば、セカンドは7番か8番アイアンでフェアウェイから10~12ヤードほど打ち上げになっているグリーンを狙いに行くことになる。ここは2段グリーンになっているから、正確な2打目が求められるね。正しい段につければ簡単なパットを残すことができるかもしれないけれど、間違った段にいってしまうと、ちょっとしたトラブルに陥ることになる。