UBS香港オープンの知っておくべきアラカルト
2016年 UBS香港オープン
期間:12/08〜12/11 場所:香港GC(香港)
見事なフィニッシュを遂げたブラゼルが香港で優勝
最終ホールでバーディを奪ってラファ・カブレラベローを1打差で退けたサム・ブラゼルが「UBS香港オープン」を制し、欧州ツアー初制覇を果たした。
世界ランキング480位で今週の大会を迎えた豪州のブラゼルだったが、17度目の出場となった欧州ツアーの大会の最終日を、「ライダーカップ」デビューを果たしたカブレラベローと並ぶ首位で迎えた。
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日曜のバックナインは一時6人が首位に並ぶ混戦模様となったが、ブラゼルが、合わせて欧州ツアー11勝を誇る猛者たちを退けた。最終ホールで2.4メートルのパットを沈め、最終日を「68」で回って通算13アンダーとして優勝を遂げた。
カブレラベローは16番と17番でバーディを奪い、勝負を最終ホールへ持ち込んだが、18番をパーとしてスコアを伸ばせず通算12アンダーでホールアウトした。このため、最後の最後で見事な2打目からこの日最終ホールで出たわずか2つ目のバーディを奪ったブラゼルに軍配が上がった。
通算11アンダーの3位タイには豪州のアンドリュー・ドットとイングランドのトミー・フリートウッドが入り、その1打差に米国のデービッド・リプスキー、さらに2打差にはダニー・ウィレットが続いた。
見るからに感情的になりながらトロフィーを掲げた37歳のブラゼルは、最後の一線を超えられたのは新しいクラブセットのおかげとしながらも、最後の2打目は見た目ほどクリーンではなかったと明かした。
「ここまで長い道程だった」とブラゼル。
「ずっと良いプレーはできていた。使っていた古いアイアンで少し苦戦していたのだけど、友人のアダムが新しいセットをセットアップしてくれ、それが転機となったんだ。それがこの結果につながったんだよ」
「ヨーロッパへはぜひ行ってみたい。(この優勝は)すばらしい特権になるね」
件の2打目についてブラゼルは「とてもラッキーだった。すばらしい2打目ではなかったのだけど、良いところについてくれ、あとは知っての通りさ」。
「最後の数日間はワクワクしたね。これが続いてくれることを願うよ」
カブレラベローと首位で並んで最終日を出たブラゼルだったが、両者ともに前半を2オーバーの「36」としたため、後続の選手たちに付け入る隙を与え、バックナインの壮大な戦いを演出する格好となった。
カブレラベローは3番で4日連続のバーディを奪い、ブラゼルが6番でボギーをたたいたため、この時点ではカブレラベローが2打差の首位に立った。
しかし、7番でボギーをたたいたカブレラベローは、ティショットがグリーンをオーバーしたパー3の8番でアプローチを寄せ切れず、このホールをダブルボギーとした。ブラゼルが9番でボギーをたたいたことにより、4番、6番、7番、12番、13番でバーディを奪ったウィレットが首位に立つ展開となった。
出だしでボギーをたたいたドットだったが、4番、長いパットを決めた6番、そして9番でバーディを奪って前半を「34」とした。一方、リプスキーは7番で見事な2打目から前半唯一つのバーディを奪って「33」として後半へ折り返した。
3番でダブルボギーをたたいたフリートウッドは、7番と9番でバーディを奪ってバウンスバックすると、ウィレットが17番をボギーとしたことで、6人が通算9アンダーで首位に並ぶ大混戦となった。
まず12番でバーディを奪ったドットが集団を一歩抜け出したが、10番でバーディを奪ったカブレラベロー、11番で2.4メートルのバーディパットを決めたブラゼル、そしてパー3の12番でティショットをピンそば1.2メートルにつけたリプスキーがこれに続いた。
次に先頭へ抜け出したのは12番でティショットをタップイン圏内につけたブラゼルだったが、14番で見事なバンカーショットからバーディを奪ったドット、13番で見事なアイアンショットからバーディをお膳立てしたリプスキーがこれに続いた。
冷静なプレーを続けるブラゼルは、13番で9メートルのバーディパットを沈め、通算12アンダーとして再び先頭へ抜け出した。欧州ツアー2勝のドットは17番でバーディを奪って食い下がったが、最終ホールをボギーとして一歩後退した。
一時は優勝争いの蚊帳の外にいたカブレラベローだったが、16番でフリンジからのパットをたたき込んでバーディを奪うと、17番では4.5メートルをねじ込み、再びブラゼルと首位に並んで勝負を振り出しに戻した。
15番と17番でバーディを奪ったフリートウッドは通算11アンダーで大会を終え、同組のリプスキーが18番で池につかまったことで、注目は最終組の最終ホールのプレーに集まり、ブラゼルが見事なバーディで混戦に終止符を打った。
通算8アンダーの7位にはポール・ワーリングが入り、1打差の8位タイにはダニー・チアとパブロ・ララサバルが続いた。通算6アンダーで大会を終えたホルヘ・カンピージョ、マーカス・フレイザー、ジェイビー・クルーガー、ジェイソン・スクリブナーまでがトップ10入りを果たした。