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2012年 全米オープン
期間:06/14〜06/17 場所:オリンピッククラブ(カリフォルニア州)

【WORLD】サンフランシスコ・ラブストーリー/オリンピッククラブの魅力

US Golf Digest (2012年6月号) texted by Jamie Diaz

オリンピッククラブが特別であることは疑いようがない。すべてを兼ね揃えた構成要素をひもといてみよう。レイクコース、オーシャンコース、クリフズコースと合わせて45ホール。ポストストリートにあるダウンタウンクラブ。1925年頃にアーサー・ブラウン・ジュニアが設計したクラブハウス。太平洋沿いの立地は、現在決まっている全米オープンのどの会場よりも、素晴らしく活気のある街の中心地に近い(6マイル=約9.7km)。これ以上の条件を備えているゴルフクラブがあるとは言いがたい。

グリーン上での話は別としても、全米オープンの会場を格付けする際、今回の会場、レイクコースが持つ魅力は大きい。おなじみのコース状態は、どこよりも確実に芯で捕らえたショットが要求される。理由はいろいろある。重い海辺の空気や、特に風が吹いた時、東海岸にあるコースや南カリフォルニアよりも厚くみずみずしいライ。ブルーグラスのラフ、逃げ道をほとんど作らずスープボールのように霧を包み込み、さらに拡大しつつある「キャッチャーミット」のような森。そして今時のウェッジの滑らかな動きを妨げる硬い砂が入ったグリーン脇の深いバンカー。正確なアイアンショットが求められる、最低限の安全圏しかない小さなグリーン…。PGAツアーで優勝する前にサンフランシスコ郊外で育ったアーロン・オーバーホルザーは、オリンピックやサンフランシスコにあるコースを、「6番アイアン、140ヤードの土地」と呼んでいる。そして、補足として、「どこよりも、とにかく難しいブランドのゴルフだ」と話している。

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はっきり言って、オリンピックとしのぎを削れるコースはない。ウォーターハザードがなくても、たった1つのフェアウェイバンカーがあるだけにもかかわらず、1955~1998年の間に行われた4回の全米オープンは、それぞれ全長6800ヤード以下だったが、4人の優勝者のスコアを合計すると2オーバーにすぎない。これほど“大きな”スコアになる“小さな”コースはない。

ゴルフ界の巨人たちは次のように語っている。設計家のアリスター・マッケンジーは1920年代に北カリフォルニアを初めて訪問した後「オリンピッククラブが所有する砂丘は、モントレー半島にあるものほど壮大ではないが、アメリカで見た中でも最も洗練されたゴルフ場だ」と記している。

ホーガンは、オリンピックを最も好きな全米オープン会場と言った。

バイロン・ネルソンは1940年代にサンフランシスコオープンで3度優勝した後、1950年代にはエキシビジョントーナメントを戦うために定期的にこの地を訪れ、若きケン・ベンチュリを指導した。98年には、ネルソンはサンフランシスコについて、「私の経験を踏まえると、優れたプレーヤーになりたいなら、全米で最高の場所。本当にここでプレーするのが好きなんだ」と話している。

アイアンの達人、ベンチュリやミラー、ショートゲームの魔術師、ボブ・ロスバーグ、パットの名手ジョージ・アーチャーら、サンフランシスコが輩出した最高のゴルファーは、芸術的なプレーヤーだ。この4人を合わせると、グランドスラムが成立する。おそらくサンフランシスコ一帯が完璧なゴルファーたちを育て上げた最高の例は、湾の向こう側、サンリアンドロで育ち、サンフランシスコ・ゴルフクラブのゴルフショップで働いていたトニー・レマが、初めてイギリスでプレーした1964年に、セント・アンドリュース・オールドコースで開催された全英オープンで優勝したことだろう。

1966年の全米オープンで19歳にして8位タイに食い込む数年前に、オリンピックのジュニアメンバーになっていたミラーは、サンフランシスコの最も力強いゴルフ解説者だ。「ゴルファーが望める最高のトレーニング環境だ」と言う。「霧はあるし、自分でボールを両方向に曲げられなければならないし、細く狭い場所からプレーできなければならない」。サンフランシスコと対極にあるフェニックスやツーソンの乾燥した空気の中にある、平らで完璧に芝が刈り込まれたコースでは、ミラーは常に圧倒的な勝利を収めたことで有名だ。「私が育った場所に比べると、プレーするのが簡単だった」と言う。

だが、サンフランシスコ血統の偉大なるプレーヤーの最後がミラーであるように、全米オープンの開催地だったオリンピックの日々は、2000年頃に起きた用具と距離の革命のため、過去のものとなってしまったようだった。特に、多層構造のボールのおかげで大半のツアープロが、簡単に10ヤード飛距離を伸ばすようになった後、レイクコースにやってくるオリンピアンは激減した。USGAも同じことを考え、2007年の「全米アマチュア」で使用された長距離バージョンのコース(約150ヤード長い)を入念に査定しなければならなかった。

この大会は成功したが、オリンピックのお偉方は積極的に動き、今年の全米オープンを全長7170ヤード、パー70でプレーできるような、さらに大きな改修をした。紙の上ではまだかなり小さなコースだが、再びオリンピックは大きなコースとなるだろう。

US Golf Digest (2012年6月号) texted by Jamie Diaz

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