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2012年 全米オープン
期間:06/14〜06/17 場所:オリンピッククラブ(カリフォルニア州)

“モンスターホール”の罠にかかったフューリック

最終18番まで混戦は続き、息苦しさすら覚える緊張感に包まれた2012年の「全米オープン」最終日。1つのミスが勝敗の命運を握る、まさにメジャーの名に相応しい戦いが演じられていた終盤に、最終組で誰もが目を疑うようなシーンがあった。

今大会の名物ホール、パー5では全米オープン史上最長の670ヤードを誇る16番。首位タイで迎えたジム・フューリックが放ったティショットは、打った瞬間にそれと分かるミスショット。大きく左に曲がって林に打ち込み、結局5オン1パットで痛恨のボギーとした。米ツアーでも屈指のショットメーカーとして鳴らすフューリックらしからぬ姿だった。

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実は、この1打にはある背景があった。最終日はティグラウンドが101ヤードも手前に出されており、その距離569ヤードと大幅に短縮。それだけティが前に出れば、当然ながら見える風景もマネジメントも変ってくる。その影響をまともに受けたのが、優勝争いの渦中にいたフューリックだった。「16番は大きなミスだった。100ヤードも動くとは考えてもいなかったし、どこに打っていいのかイメージができなかった」。USGAは事前に、選手に対してティグラウンドがある程度は前後することを告知していたが、選手たちも予想外だった100ヤードもの移動。タイガー・ウッズは言う。「あれは興味深いセットアップだった。(同組の)ケーシー・(ウィッテンバーグ)は少し怒っていたけどね」。

「3番ウッドでアグレッシブにいこうとしたけど、結果的に左へ曲げてしまった」とフューリック。2打差を追っていた同じ最終組のグレーム・マクドウェルが解説するには、この日のティグラウンドからだと「ドライバーでは、右から左に40から50ヤードは曲げなければいけない」という。そのマクドウェルは2番のハイブリッドを選択。フューリックは「それが一番適した攻めだったと思う」と、クラブ選択のミスを悔やんでいた。

“モンスターホール”として開幕前から話題の中心にあった16番。距離が短縮されたことで、難易度はそれまでの4番目から7番目にまで下がり、数字的には易しくなっていたといえる。しかし、短縮したことで、まさかこのような形で勝敗の鍵を握るホールになろうとは誰も思っていなかったことだろう。フューリック本人も、恐らくUSGAも。(カリフォルニア州サンフランシスコ/塚田達也)

塚田達也(つかだたつや) プロフィール

1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。

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