マキロイのメジャーを戦う14本 ここ1カ月で「Qi10ドット→Qi35→Qi10」 ドットの意味は?
◇メジャー第3戦◇全米オープン◇オークモントCC(ペンシルベニア州)◇7372yd(パー70)
ここ数試合、ロリー・マキロイ(北アイルランド)の周辺はドライバーの話で持ちきりだ。ご存じない方のために、経緯を説明しておきたい。
5月のメジャー第2戦「全米プロゴルフ選手権」で、マキロイは反発係数の抜き打ちテストでドライバーが不適合となり、スペアのクラブで戦った。次に出場した「カナディアンオープン」では、Qi35ドライバーを44.625インチと短くしてプレー。
そして今週のメジャーでは再びQi10に戻していたのだ。実はこのヘッドは以前のQi10とまた違うモデル。優勝した「マスターズ」を含め、全米プロ前週の「トゥルーイスト選手権」まで使用していたドライバーは、ネックのロフト表記の右上にドット(点)が入っているプロトタイプだった。
ドット入りのモデルは、Qi10よりもヘッドが小ぶりで、重心の位置もマキロイ好みと噂されていたモデル。トゥルーイスト選手権で撮影したドット入りヘッドは確かにディープかつ小ぶりに見え、いかにも振りやすそうだった。一方で、今週投入したヘッドのロフト表記部にはドットが確認されなかった。つまりプロトタイプではないということなのだろう。
実際にUSGAのクラブ適合リストを確認すると、Qi10にはVersion1とVersion2の2機種の登録があった。マスターズの優勝をもたらしたドット入りヘッドはVer.2。今週のヘッドはVer.1と目され、いわゆる市販品ヘッドと同じものだと推測される。
各メーカーともにプロ用のプロトタイプを作るのはよくある話。ちなみにQi35は、Ver.1、Ver.2、Ver.3まである。買えないモデルがあると思うと、つい欲しくなってしまうのものだが…。
その他のクラブを見ると、アイアンはロングアイアンが「P760」、5番から9番アイアンが「RORSPROTO」。プロトタイプではあるが、マスターズ優勝後に販売が決まったマッスルバック。ヘッドは小ぶりすぎるわけでなく、ほんのりグースも入っている。シャフトはお馴染みプロジェクトXの7.0。ウェッジは4本体制。「ミルドグラインド4」を46度から4度刻みで、50、54度と入れ、ロブウェッジのみ61度とロフトピッチは開く。
ドライバー以外の大きな変更点はボールだ。2月に「TP5x」から「TP5」に替え、「AT&Tペブルビーチプロアマ」でいきなり優勝、その後「プレーヤーズ選手権」などを制してきた。ボールスイッチが前半戦の活躍に大きく貢献したのは疑いのないものだろう。
<ロリー・マキロイの14本>
ドライバー:テーラーメイド Qi10(9度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS BLACK(重さ60g台、硬さX)
フェアウェイウッド:テーラーメイド Qi10(3番 15度、5番18度)
シャフト:3番/藤倉コンポジット VENTUS BLACK(重さ80g台、硬さX)、5番/藤倉コンポジット VENTUS BLACK(重さ90g台、硬さX)
アイアン:テーラーメイド P760(4番)、テーラーメイド RORS PROTO(5番~9番)
シャフト:トゥルーテンパー プロジェクトX 7.0
ウェッジ:テーラーメイド MG4(46、50、54、61度)
シャフト:46~54度/トゥルーテンパー プロジェクトX 6.5、61度/トゥルーテンパー プロジェクトX 6.5 ウェッジ
パター:スパイダーツアーX
ボール:テーラーメイド TP5