<佐渡充高の選手名鑑 68>ロバート・ガリガス
2013年 タンパ ベイ選手権
期間:03/14〜03/17 場所:イニスブルックリゾート(フロリダ州)
ゴルフ界の大記録に迫るタイガー・ウッズ
タイガーはニクラスの後継者になれるのか・・・
世代を超えた名選手同士を比較するのは、興味深いものの信ぴょう性には欠ける。1979年、当時39歳のニクラスは、49歳のアーノルド・パーマーと対戦することはなかったが、メジャー大会通算8勝を記録し、そのうち4勝を1980年代に達成した新生トム・ワトソンや、1979年に4大メジャー大会で初優勝を遂げたセベ・バレステロス(スペイン)、売り出し中だったリー・トレビノ、レイモンド・フロイド、ジョニー・ミラー、ビリー・キャスパー、そしてヘイル・アーウィンらの選手達と顔を合わせることはあった。彼らは皆、後に殿堂入りを果たす選手たちだ。
現在に置き換えれば、ウッズがロリー・マキロイ(北アイルランド)やバッバ・ワトソン、キーガン・ブラッドリー、マーティン・カイマー(ドイツ)、グレーム・マクドウェル(北アイルランド)、ウェブ・シンプソン、チャール・シュワルツェル(南アフリカ)などと対戦しているのと似た話だ。それ以降の数年は、フィル・ミケルソンやアーニー・エルスらとの対戦も含まれる。
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日曜日のウッズのプレーを振り返ってみると、とてもワクワクする。ショットが本当に安定していた前半は、息が詰まるほどの圧巻ぶりだった。彼は後半も、鏡のように同じようなプレーを繰り返した。スランプからの回復後、ウッズはおよそ3回に1度の割合で優勝している。近い将来、マスターズや今年の後半で、大きなことを成し遂げる吉兆のように見受けられる。
ニクラスとウッズ。2人の偉大な選手がゴルフ史の中で築き上げて来た唯一の共通点は、彼らが共に有する“メンタルタフネス”であろう。彼ら2人はともに、日曜日の午後、大きな試合で味わうプレッシャーと対峙するのが大好きなのだ。
かつてニクラスはこんなことを言っている。「自分で自分にプレッシャーをかけてみるんだよ」と。「(ゴルファーは)プレッシャーを求めているんだ。プレッシャーとうまく付き合わなければいいプレーはできない。そして楽しむことも必要だ。なぜならプレッシャーを感じる時は、優勝争いの渦中にいることを意味するのだから。勝つチャンスがあるというサインなんだよ」。
ウッズの日曜の優勝は、不気味なほどに似ていた。「この場にいることを楽しめたよ」と、彼は言った。「次第に練習量を減らしている理由はこれだよ。ウェイトトレーニング、ボールの打ち込み、時間を有効に使おうと焦ってカウントすること…それらをせずに時を過ごしているんだ。このポジションに居続けるためにね。私が準備に時間を費やす理由はここにあるのさ。ここにいるため。そこにいることを楽しむためだよ」。
タイガーは今、彼が目指しているその場に戻りつつある。精神的にも、肉体的にも。ジャックと同じ状態に戻り、彼の後継者としてその名を継ごうとしている。次の4か月、そして向こう4年間は、ゴルフ史に大きな証が刻まれるに違いない。