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2015年 全英オープン
期間:07/16〜07/19 場所:セントアンドリュース(オールドコース)(スコットランド)

さらばワトソン&ファルド…聖地で全英オープンに別れ

スコットランドのセントアンドリュース・オールドコースで開催中の「全英オープン」2日目。トム・ワトソンとのニック・ファルド(イングランド)が、最古のトーナメントに別れを告げた。大雨による約3時間の中断の影響で日没サスペンデッドとなったが、ワトソンは通算12オーバーの暫定156位、ファルドは10オーバーの153位でホールアウト。どちらも予選落ちが決まり、キャリアで最後の出場とした全英を終えた。

午後10時前。日没直後のゴルフの聖地に、スタンディングオベーションが沸き起こった。18番ホール、大声援を全身に浴びながらスウィルカン・ブリッジを渡り切ったワトソン。歴代2位の全英オープン通算5勝の65歳は、夕闇に包まれながら歓声に応えた。日没サスペンデッドの時刻が迫る中、同組のアーニー・エルス(南アフリカ)が大会側に、同日中にワトソンがフィニッシュできるよう要請し、感動のフィナーレを迎えた。

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全英オープンは歴代王者に60歳まで毎年出場権を付与。ワトソンは60歳で迎えたセントアンドリュースでの2010年大会で、一度“卒業”を決意したが、主催者は09年大会で59歳にして2位に入った功績をたたえ「過去5年間の全英で10位タイまでに入った歴代王者」という新たな出場枠を11年に設け、今年がその資格の最終年だった。

この日のラウンドは「80」に終わり「ズタボロだ。ああ!みっともない!」と苦笑い。「涙するときではない。最高の思い出ばかりだ」。マット・クーチャーら後輩の選手たちにも出迎えられ、笑顔でリンクスでの戦いを終えた。

また、ワトソンに先んじ、午後6時前に英国の英雄であるファルドも万雷の拍手を受けてフィニッシュした。「マスターズ」を3勝、「全英オープン」も3勝。セントアンドリュースでは1990年大会を当時の歴代最少ストローク(270=通算18アンダー)で優勝した。第一線を退いてからはジュニア育成に積極的で、近年はテレビ解説者としても活躍している。

今大会の最難関ホール、17番でバーディを奪取すると「セントアンドリュースのゴルフの神様を17番で見た。キャリアでも最高の思い出のひとつになった」と感激。スウィルカン・ブリッジで同組のジャスティン・ローズ(イングランド)、リッキー・ファウラーとともに記念写真に納まる前には、黄色いカシミアのセーターに着替えた。1987年に初めて全英を制した際に着た物だった。

「30年経ったいまでもピッタリだろう」。58歳の誕生日前日に聖地を去る姿は、実に誇らしげだった。(スコットランド・セントアンドリュース/桂川洋一)

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