ミケルソンとブラッドリー 丸一日出番なし
2014年 ライダーカップ
期間:09/26〜09/28 場所:グレンイーグルスホテル(スコットランド)
欧州が主導権を握る
土曜日のフォアサム(2人が同じボールを交互に打つ)で圧倒した欧州が10-6とリードし、主導権を握ったままグレンイーグルスでの「ライダーカップ」最終日のシングルスを迎える展開となった。
ジェイミー・ドナルドソンと組んだリー・ウェストウッドがこの大会でのフォアサム2勝目を挙げ、欧州代表の歴代最多獲得ポイントに近づくと、アンカーとなったビクトル・デュビッソンとグレーム・マクドウェルのペアは、ジミー・ウォーカーとリッキー・ファウラーのペアを5&4で下した。
フォアサム2戦目では、セルヒオ・ガルシア&ロリー・マキロイ組がジム・フューリック&ハンター・メイハン組を3&2で下して今大会初勝利を挙げた。3戦目ではマーティン・カイマーと組んだジャスティン・ローズが最終ホールで2メートルのパットを決め、ジョーダン・スピースとパトリック・リードのペアとの勝負を引き分けに持ち込んだ。
欧州は2日間連続で午後のセッションで3.5ポイントを獲得し、直近10大会での8勝目へ向けて大きく前進した。
欧州の主将ポール・マギンリーは「まだ終わったわけではない。我々にはまだやるべきことはたくさんあり、明朝はしっかりと集中した状態で臨まなくてはならない」と語った。マギンリーは2年前、シカゴでホセ・マリア・オラサバル率いる欧州代表が今回と同じ4ポイント差を逆転した際に副キャプテンを務めている。
世界ランク1位のマキロイは「僕らのチームに自己満足の気持ちはさらさらない。このポイント差が2年前のメダイナと同じであることを僕らは承知しているんだ」と付け加えた。
米国のキャプテン、トム・ワトソンは「何より、我々は(1999年にブルックリンで)10-6を逆転したことがある。選手たちはそれを知っているし、私はその再現を目指す」と述べた。
「我々のルーキーたちは見事なゴルフをしてくれているから、明日どうなるか様子を見てみようじゃないか。我々にはカムバックを果たせる選手たちがそろっているんだ。欧州代表をたたえたい。彼らはすばらしいゴルフをしている。どうやらフォアサムは彼らの強みのようだね」
大会2日目を5-3のリードで迎えた欧州は、ローズ&ステンソン組が7番から10ホール連続でバーディを奪うなど、16ホールを12アンダーで回り、バッバ・ワトソンとマット・クーチャーのペアを3&2で破る理想的なスタートを切った。
しかし、結局はそれがマギンリーのチームにとってフォアボール(2人がそれぞれのボールでプレーし、ホールごとに良い方のスコア採用)での唯一の勝利となり、リー・ウェストウッド&ジェイミー・ドナルドソン組はジム・フューリック&ハンター・メイハン組に4&3で敗れ、トーマス・ビヨーンとマーティン・カイマーのペアはジョーダン・スピースとパトリック・リードのルーキーコンビに5&3で敗れた。
イアン・ポールターは遅ればせながらも「ライダーカップ」のお守りとしての本領を発揮し、マキロイと組んだアンカー戦で、ジミー・ウォーカーとリッキー・ファウラーのペアとの勝負を引き分けに持ち込んだ。これにより欧州は6.5対5.5でなんとかリードを保った。
ポールターは15番のグリーン手前からチップインして2ダウンとなるのを阻止すると、パー5の16番でもバーディを奪ったが、その時点で午後のフォアサムには出場しないことが決まっていた。
マギンリーはウェストウッドとドナルドソンを信頼し続け、ザック・ジョンソン&マット・クーチャー組に対する2&1の勝利で報われる格好となった。この勝利により「ライダーカップ」での獲得ポイントを23まで伸ばしたウェストウッドは、セベ・バレステロスを0.5ポイント上回り、最多記録を保持するサー・ニック・ファルドまで2ポイントに迫った。
その後、マクドウェル&デュビッソン組がウォーカー&ファウラー組に5&4と圧勝し、フォアサムでの2連勝を飾ると、マクドウェルはまたしても、フランス人ルーキーのパートナーをたたえた。
「あの若者がどれだけ才能にあふれているかは言葉で語り尽くせないね」とマクドウェル。「彼は僕が一緒にプレーした選手ではロリー・マキロイ以来最高の選手かもしれない。それだけで彼のすごさが分かるだろう」。
残りの2戦は接戦となった。ガルシア&マキロイ組とフューリックとメイハンのペアは10ホール連続で互いに譲らなかったが、ガルシア&マキロイ組が14番と16番でバーディを奪ってこの勝負をものにした。
「手柄を自分のものとしたいところだけど、今日はロリーが残りの3人を上回ったね」とガルシア。「僕はベストの状態ではなかったけれど、ロリーが僕をずいぶん落ち着かせてくれた」。
ローズとカイマーは12番と15番ホールを獲ってスピース&リード組との勝負をオールスクエアに戻すと、16番では信じられない相手の取りこぼしに恵まれた。パー5を6打で上がった欧州のペアを前に、リードが60センチ余りのパーパットを外したのである。
米国ペアは17番を獲って1アップで最終ホールを迎えたが、そこでガードバンカーにはまり、ライの悪さからピン方向へプレーできなかった。対するカイマーは同じバンカーから簡単なショットを放ち、スピースがバーディトライを外したのを尻目に、ローズがしっかりとバーディパットを決め、この勝負を引き分けとした。
「勝てるチャンスもあったのだけど、とにかく18番へ向かって歩いているときに、ジャスティンに言ったんだ、僕らの労力は少なくとも引き分けには値するとね」とカイマー。「僕は2オンのイーグルを狙おうと言ったのだけど、いい感じの寄せワンになったね」。
シングルスでは、米国キャプテンのトム・ワトソンはスピース(21)、リード(24)、ファウラー(25)の若手3人を序盤の3戦に起用する決断を下した。
これに対し、マギンリーはマクドウェル、ステンソン、マキロイをぶつける。アンカー戦ではデュビッソンが、かつての「マスターズ」王者ザック・ジョンソンと対決する。
最終日のシングルスの対戦表と開始時刻(左側が欧州代表)
11:36 グレーム・マクドウェル v ジョーダン・スピース
11:48 ヘンリック・ステンソン v パトリック・リード
12:00 ロリー・マキロイ v リッキー・ファウラー
12:12 ジャスティン・ローズ v ハンター・メイハン
12:24 スティーブン・ギャラハー v フィル・ミケルソン
12:36 マーティン・カイマー v バッバ・ワトソン
12:48 トーマス・ビヨーン v マット・クーチャー
13:00 セルヒオ・ガルシア v ジム・フューリック
13:12 イアン・ポールター v ウェブ・シンプソン
13:24 ジェイミー・ドナルドソン v キーガン・ブラッドリー
13:36 リー・ウェストウッド v ジミー・ウォーカー
13:48 ビクトル・デュビッソン v ザック・ジョンソン