ルイ・ウーストハイゼンら南アフリカで注目の3人
2016年 WGCキャデラック選手権
期間:03/03〜03/06 場所:トランプナショナルドラール(フロリダ州)
ドラールで躍動したスコットが劇的勝利
この日序盤の躓き(つまづき)から見事なカムバックを果たしたアダム・スコットがバッバ・ワトソンを退けて、「WGCキャデラック選手権」を制覇し、世界ゴルフ選手権2勝目を挙げた。
前日首位のマキロイから3打後方で最終日をスタートした豪州出身のスコットは、出だしの5ホールで2つのダブルボギーを叩き、一時は首位から6打差まで後退する苦しい展開となった。
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しかし、そこから俄然、アイアンショットは精彩を取り戻し、9ホールで6つのバーディを奪って首位に躍り出ると、2011年の「WGCブリヂストンインビテーショナル」王者はタフな終盤を持ち堪え、通算12アンダーとしてワトソンに1打差をつけて勝利を飾った。
通算10アンダーの3位タイには、最終日を見事「69」でラウンドしたイングランドのダニー・ウィレットが入ったが、「オメガドバイデザートクラシック」王者の彼は、最終ホールのティショットを池に打ち込むまでは優勝のチャンスがあっただけに、悔しい幕切れとなった。
「レース・トゥ・ドバイ」王者のマキロイは最終日「74」とスコアを落とし、ウィレットと並ぶ通算10アンダーで大会を終えた。
18番ではスコットにドラマが待っていた。池越えの2打目がハザード内に入るも、池には入らず、そこから爪先下りの難しいアプローチをピン側1.8メートルにつけ、返しのパーパットを沈めて栄冠に輝いたのである。
「フロントナインで2度、酷いミスをしたけど、望みを捨てるわけにはいかないからね。もし後半へ折り返す前にいくつかバーディを奪うことができ、その上で自分に流れが回ってきて、すばらしいバックナインとすることができれば十分いけると思い、どうにかそういう展開になってくれたね」とスコット。
「スイングがコントロールできるようになり、リズムが戻って、アイアンショットが寄るようになったんだ。外しようがないくらい近くに寄せることができたね」。
「大分パッティングの練習は積んできたけれど、世界ゴルフ選手権の勝利を決める1.8メートルのパットだなんて、これ以上ない自分へのテストになったよ」。
「2週連続優勝なんて信じられないし、WGCでの勝利はとてつもなく大きいね。マスターズへ向け、あと4、5週間、何とかこの調子を保っていかないとね」。
この優勝はスコットにとってヨーロピアンツアー10勝目となり、先週開催された米PGAツアーの「ザ・ホンダクラシック」に続く2週連続優勝となった。
2016年シーズンの「レース・トゥ・ドバイ」では、既にマーク・レイシュマン、ネーサン・ホルマン、そしてマーカス・フレイザーら豪州勢が優勝を飾っており、35歳のスコットによる今回の優勝で、豪州勢の快進撃は続くこととなった。
米国出身のワトソンは8番で18メートルのイーグルパットを決めるなど、折り返しで首位に並び、12番では単独首位に抜け出す場面もあったが、最終日の「68」はスコットの猛チャージをかわすには一歩及ばなかった。
前半を「33」としたウィレットも、一時は4人が並んだ首位タイの一角を占め、11番ではボギーを叩くも、12番、16番とバーディを奪って再び優勝戦線に食い込んだ。だが、最終ホールでのティショットのミスが響き、最終日のスコアを「69」とした。
マキロイはこの日3ホールを終えた時点で4打差の首位に立つも、7番と9番でボギーを叩いて後続に並ばれると、後半をイーブンパーの「36」でラウンドした。
フィル・ミケルソンも最終組が後半へ折り返した際に、首位タイの一角を占めた一人だったが、この日のスコアを「70」として通算9アンダーで大会を後にした。その1打後方の6位には、この日ベストの「66」をマークした米国の同胞のジミー・ウォーカーが入った。
ラファ・カブレラベローとセルヒオ・ガルシアのスペイン人コンビは、通算3アンダーの11位タイで大会を終え、その1打後方の14位タイグループにはオーストリアのベルント・ウィスベルガーと南アフリカのルイ・ウーストハイゼンが入った。