GDO編集部が選ぶ 2014年国内男子ツアー10大ニュース
世界ランク変動から見る 14年男子ゴルフ界の潮流
■もっとも長く世界1位に座ったのはマキロイ
全世界で行われた世界ランキング対象の男子ツアー競技合計288試合が終え、2014年度は3人が世界ランク1位の座に上り詰めた。
タイガー・ウッズ/ (第1週-第19週) 19週間
アダム・スコット /(第20週-第30週) 11週間
ロリー・マキロイ /(第31週-第52週) 22週間
ロリー・マキロイは同6位から14年度をスタート。4月末、第17週には同11位に後退し、トップ10から外れたことが2週間続いた。 しかし、5月欧州ツアー「BMW PGA選手権」で優勝。64ポイントを獲得して同6位に浮上すると、「全英オープン」(100ポイント)、「WGCブリヂストンインビテーショナル」(76ポイント)と立て続けにビッグトーナメントを制し、2013年3月以来となる同1位に復帰。「全米プロゴルフ選手権」(100ポイント)でも競り勝ち、メジャー連勝を記録した。
マキロイの年間最終平均ポイントは「11.04」として、2位以下とは約2.9ポイント以上の大差をつけ、現在22試合連続世界1位(キャリア通算81週)に君臨している。
■松山英樹と石川遼
そして、米国ツアー1年目を迎えた松山英樹。年間28試合に参戦した一番のハイライトは、もちろん「ザ・メモリアルトーナメント」での優勝だ。64点ポイント獲得した松山は前週24位から13位にジャンプアップを果たし、自己最高順位を更新。同大会には同10位以内から7人が参戦し(残る3人のウッズは怪我、ヘンリック・ステンソンは欧州ツアー参戦、セルヒオ・ガルシア欠場)、層の厚さを示すSOF数値は541と高いポイントだった。28試合中トップ10が6試合。予選落ちは3試合、「ホンダクラシック」では第2ラウンド直前に、左手の痛みを理由に棄権した。
また、松山は国内ツアー「ダンロップフェニックストーナメント」を制して26ポイントを加算。ジョーダン・スピースやウェブ・シンプソンなどが出場していたこともあり、SOF数値は109だった。
松山と同じく米国ツアーを主戦上にする石川遼は、本格参戦2年目のシーズン。米国ツアー24試合(英国1試合、アジア1試合を含む)、並行して国内ツアー10試合をこなした年度最終ランクは102位となり、08年にプロ転向してから年度最終ランクで100位を外れたのは今年が初めてとなった。
7月の国内ツアー「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 」優勝で18ポイントを獲得(SOF数値/54)。米国ツアーで最上位フィニッシュだった 「ファーマーズインシュランスオープン」7位は5.26、「アーノルド・パーマーインビテーショナル」の8位は6.13という世界ランクポイントだった。
参戦34試合中、世界ランクポイントを獲得できた試合は15試合。予選落ち10試合、予選通過してもポイントを獲得できなかった試合が9試合。例年に比べると上位に絡むことが少ない年だった。
■ファウラーの飛躍とウッズの低迷
年度最終ランクトップ10のうち、年初から最も順位を上げたのがリッキー・ファウラーだった。優勝こそなかったものの、「マスターズ」5位、「全米オープン」2位、「全英オープン」2位、「全米プロゴルフ選手権」3位と、いずれも優勝を争った4大メジャーで多くのポイントを加算。ポイント対象27試合中10位以内に食い込んだのが13試合と、安定したゴルフが光った。 ファウラーの年初世界ランクは43位、2月に順位は同56位と落ち込むが、年度最終ランクは同10位と飛躍を遂げた。
対照的に、同1位から14年度を迎えたウッズは低迷の年に。3月末に受けた椎間板切除手術の影響で「マスターズ」 「全米オープン 」を欠場。6月には自らがホストを務める「クイッケンローンズ・ナショナル」で復帰を試みるが、良いパフォーマンスを見せることはできずに予選落ちに終わった。8月 「全米プロゴルフ選手権」で予選落ちを喫したあとは、再び背中と腰の長期リハビリに入りツアーから離脱。年度最終ランクは32位まで後退し、ポイント対象試合の参戦は僅か9試合だった。(ウッズのキャリア通算世界ランク1位は683週)
■ジャンプアップを果たした日本人選手
日本人選手で2014年度に大きな飛躍を見せたのは岩田寛 と竹谷佳孝だった。岩田は「フジサンケイクラシック」でツアー初勝利を挙げるなど、国内ツアーでトップ10フィニッシュが11回。秋には、世界の強豪が集う世界ゴルフ選手権シリーズ「WGC HSBCチャンピオンズ」で1打差の3位入る健闘をみせた。年初の同462位から、日本人3番手となる同67位までの躍進を果たしている。
一方、06年にプロ転向した34歳の竹谷は、07年から13年までの7年間で国内男子ツアー32試合に出場して1度も世界ランクポイントを獲得したことがなかったが、14年は大ブレークした。6月の国内メジャー「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」で初優勝を飾り16ポイントを獲得。他にも参戦23試合でトップ10フィニッシュが4回。9月「ANAオープンゴルフトーナメント」からは11試合連続で予選を通過し、年初の1507位から199位と、世界トップ200の壁を突破した。
<2014年 最終世界ランキング>
主な海外選手
最終順位/14年第1週順位/選手名/年間世界ランク対象試合数
1位/6位(5ランクアップ)/ロリー・マキロイ(北アイルランド)/24試合
2位/3位(1ランクアップ)/ヘンリック・ステンソン(スウェーデン)/26試合
3位/2位(1ランクダウン)/アダム・スコット(オーストラリア)/22試合
4位/28位(24ランクアップ)/バッバ・ワトソン(アメリカ)/23試合
5位/10位(5ランクアップ)/セルヒオ・ガルシア(スペイン)/24試合
6位/ 4位(2ランクダウン)/ジャスティン・ローズ(イングランド)/24試合
7位/21位(14ランクアップ)/ジム・フューリック(アメリカ)/21試合
8位/11位(3ランクアップ)/ジェイソン・デイ(オーストラリア)/16試合
9位/17位(8ランクアップ)/ジョーダン・スピース(アメリカ)/30試合
10位/43位(33ランクアップ)/リッキー・ファウラー(アメリカ)/27試合
32位/1位(31ランクダウン)/タイガー・ウッズ(アメリカ)/9試合
主な日本人選手
最終順位/14年第1週順位/選手名/年間世界ランク対象試合数
16位/23位(6ランクアップ)/松山英樹/28試合
56位/67位(11ランクアップ)/小田孔明/26試合
67位/462位(395ランクアップ)/岩田寛/27試合
79位/76位(3ランクダウン)/片山晋呉/19試合
88位/94位(6ランクアップ)/谷原秀人/24試合
90位/216位(126ランクアップ)/近藤共弘/23試合
102位/83位(19ランクダウン)/石川遼/34試合
106位/121位(15ランクアップ)/池田勇太/25試合
114位/146位(32ランクアップ)/藤田寛之/24試合
138位/132位(6ランクダウン)/藤本佳則/24試合
154位/423位(269ランクアップ)/宮本勝昌/24試合
160位/222位(62ランクアップ)/小平智/22試合
166位/177位(11ランクアップ)/宮里優作/26試合
199位/1507位(1308ランクアップ)/竹谷佳孝/23試合
202位/229位(27ランクアップ)/武藤俊憲/21試合
244位/198位(46ランクダウン)/山下和宏/23試合
282位/511位(229ランクアップ)/手嶋多一/23試合
295位/194位(101ランクアップ)/薗田峻輔/22試合
308位/511位(203ランクアップ)/松村道央/25試合
310位/169位(141ランクダウン)/川村昌弘/31試合