2002年WGC第2弾「世界ゴルフ選手権NEC招待」初日
2002年 WGC NECインビテーショナル
期間:08/22〜08/25 場所:サハリーCC(ワシントン州)
伊沢、R.グーセンと並び首位タイで発進!
初日のハイライトは10番ホールからスタートした伊沢利光の快走ぶりだった。トップスタートを切った伊沢は出だしからショットが冴え渡り、前半(バック9)14番、18番でバーディを獲得して34。後半(フロント9)に入ると好調ぶりにさらに拍車がかかり、5バーディ、1ボギーの31。6アンダー65で初日を終了した。
「ティショットはアイアンで打つ回数のほうが多いんですけど、そのアイアンショットも結構いいし、ドライバーも納得いくショットが打てています。徐々に良くなってきていたんですけど、やっと自分のスウィングイメージと(自分が打ち出した)ボールが合ってきたかなという感じです」。
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伊沢は先週の全米プロ出場後、そのままサハリーCCに入ったが、今週はプレーの武器に工夫を加えている。「ドライバーは総重量を10グラム重くして、バランスも2ポイントアップ(D3)しました。最初はヘッドだけ重くし、そのあとシャフトもバランスも重くした。それで去年のイメージ通りになってきたし、球も強くなっている感じです。飛んでいると思うんですけどね」。
伊沢の武器はそれだけではない。先週からニューボールを使用し始めたことも今日の好結果につながっているようだ。ブリヂストン担当者によれば、ニューボール『ツアーステージ・ダブルUXアロー』は高い打ち出し角が得られ、同時にスピン量は抑えられる。そのため、吹き上がらず強く飛んでいくそうだ。重くしたドライバーとニューボールの相性がマッチしたことも今日の好ラウンドを生んだ理由の1つである。さらに伊沢はニューウエポンも求め始めた。ラウンド中に5Wの必要性を感じた伊沢は、すぐさまツアーステージの5Wとプリセプトのユーティリティクラブを注文。明朝にはそれぞれ3本ずつコースに届く予定だが、伊沢がそのニューウエポンをいきなりバッグに入れて第2ラウンドをプレーするかどうか。こればっかりは明日になるまでわからない。
伊沢と並び首位タイにつけたレティーフ・グーセンは1イーグル、4バーディ、ノーボギーで6アンダー。「ここ2、3ヶ月、パットの具合が良くなかったけど、ここ2、3日パットの猛練習をしたら、今日はラインを出しながらうまく打てた」。首位の2人から1打差の3位タイグループにはデービス・ラブ、フィル・ミケルソン、ダレン・クラークの3人。明日は伊沢、グーセン、ラブが同組でプレーする。
大会4連覇を狙うタイガー・ウッズは4アンダーで迎えた17番パー3でティショットを池に落としダブルボギー。それでも最終ホールをバーディで締めくくり、3アンダー68、9位タイで初日を終えた。「ずっといい感じでプレーしていたけど、17番はボールが池に入っちゃったというだけのことだよ。グリーンはすごくソフトなので、これからスコアは伸びるだろう。明日の首位は2桁アンダーになると思うよ」。タイガーは全米プロの週にスウィングコーチのブッチ・ハーモンとの実質的な"決別"を臭わせるコメントをした。その事実が今週のタイガーのプレーにどう影響するか、注目したい。
その他の日本勢だが、丸山茂樹は2番ホールでイーグルを取り好発進。その後は3バーディ、1ボギー、1ダブルボギー。2アンダー69は20位タイで決して悪くない位置だが、丸山自身はショットの感触がいいだけに悔しさが残るラウンドとなったようだ。「自分の中では調子悪くないんですけど、このところ、どうも"風読みイップス"なんです。アゲンストなのかフォローなのか、風が読みきれなくて、思い切り振れない。大きなクラブで合わせてばかりです」と丸山。しかし、そうは言うものの試合はまだ第1ラウンドが終わったばかり。「我慢にも慣れました」と語る丸山が明日以降チャージをかけてくると期待できそうだ。
今年、アメリカでの試合出場はこれが2試合目の佐藤信人は3バーディ、6ボギーで3オーバー74。「緊張しているという自覚はなかったけど、試合になったらコースが狭く見えるし、体の動きも悪くなったと思います。でもフラストレーションもたまってないし、まあ、こんなもんかな」。アメリカでの生活経験が豊富にも関わらず、「僕、外国人が苦手なんですよ」と語る佐藤は、ギャラリーから大きな拍手や歓声を受けたとき、派手なリアクションができず、どう対応していいのか困るのだそうだ。この大会は予選カットはないが、佐藤は64位タイの位置からどこまで巻き返せるか。2日目が楽しみである。
レポート&写真:BEYONDSHIP