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【WORLD】ディッキーの死と黒人選手の活躍の場

Golf World(2012年11月5日号)texted by Jamie Diaz

ビル・ディッキーは人間を愛していた。そして周囲もまた、そんな彼のことが大好きだった。先週フェニックスで行われた彼の慰霊祭で、ジャズトランペット奏者による”The Nearness of You”が演奏された時、彼の温かみに触れた人間の目からは涙がこぼれ落ちた。ディッキーと家族ぐるみの付き合いをしていた友人は、彼の妻のアリスにこう言った。「ビルが遺したものは善良な心だ」と。

10月16日に84歳でこの世を去ったディッキーは、ゴルフを愛していた。不動産業で成功を収め、人を惹きつける魅力を持ち合せていた彼は、1984年に有色人種でゴルフを学ぶ若者に大学教育を受けさせるという支援目的の為、ナショナル・マイノリティ・ジュニアゴルフ奨学金制度を設立。310万ドルを集め、合計1000人以上の学生を大学に進学させた。彼は1人で権力に立ち向かい、家庭環境に恵まれない学生達にゴルフをさせてきたが、1つだけ達成出来なかった目標がある。それは、今より多くのアフリカ系アメリカ人プロゴルファーをゴルフ界で一番大きなステージでプレーさせることだった。

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「それだけが心残りだったと思います。主人の願いは実現しませんでしたから」とアリス・ディッキー。

彼の懸命な努力にも関わらず、多くの関係者がこれに理解を示すことはなかった。今世紀、PGAツアーで戦うアフリカ系アメリカ人はタイガー・ウッズのみ。62年の歴史を誇るLPGAでは過去に4人の黒人プロを輩出しているが、その1人であるレニー・パウエルは現状についてこう語る。「我々の競技は後退してしまっている」と。

多くの人間にとっては経済、地理、文化が絡んだ複雑な問題。しかし、ゴルフがツアー理念である“より良いゲーム”というものに決定されるべきと考える人間にとっては、それが解決策になると考えている。

考えてみてもらいたい。仮にゴルフの理念が切に誤っているとしよう。アメリカ国内にいる20人に1人が黒人だとしても、PGAツアーに参戦するゴルファーの200人に1人が黒人ゴルファーという数字は妥当ではないだろう。近い将来、アメリカでは白人が少数派になることを考えてみても、そして競技人口が減少する傾向にあることを考えてみても、競技レベルを高める施策実行は急務といえる。

Golf World(2012年11月5日号)texted by Jamie Diaz

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