インサイダー:メリオンに降りしきる雨との戦い
2013年 全米オープン
期間:06/13〜06/16 場所:メリオンGC(ペンシルベニア州)
【WORLD】メリオンGCの幽霊の隠れ家
Golf World(2013年6月13日号)texted by Jeff Silverman
メリオンと同様、このアーカイブもゴルフ創世記から存在するような気がするが、1865年のメリオン・クリケットクラブまで歴史をさかのぼれるメリオンに関して言えば、まだまだヨチヨチ歩きの段階だ。クラブ会員のジョージ・スクダーが1980年代に取り組み始めたが、アーカイブとしてしっかり機能し始めてから、まだ10年経ったくらい。自分が集められるクラブの歴史に関する物やメモラビリアを集めて保管しようというスクダーの直感は完璧だった。だが、男子ロッカールームに隣接した室内ネットの脇にある施錠できる倉庫に、収集したものを保管して置いたことは間違いだった。
この部屋は、夏は暑く、冬は寒い。さらに、壁がある意味は多少あっても、湿度が壁をくぐり抜けてくる。1990年代後半にイースト・コースを再生する最善の方法を考えた時、スクダーの持つ骨董品の中に、古い写真がないか聞いてみることになった。スクダーは、ジョーンズがグランドスラムを達成した1930年の写真を山ほど提供したことで、趣味が使命に変わった。
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この写真は、修復工事のゴールを決める貴重な資料となった。グリーンを小さくし、ホワイト・フェイスを変えることで、木がうっそうと覆い茂るコースを、その歴史の頂点へと回帰させることになった。そして、このおかげで、USGAはメリオンを再訪の価値があるコースとして認識するようになった。
メリオンの過去は、倉庫の中にしまっておくだけではもったいない。「とにかくたくさんの代物が揃っていたんだ」と、スクダーのコレクションに、自身が集めた1990年代前半の貴重なコレクションを加え始めたケイパーズは語る。「だけど、どうやって整理整頓すればいいのか分からなかった」。
これを手掛けたのが、アンディ・マッチである。2000年後半、博士号を取得するため、博物館とアーカイブの責任者を務めたUSGAを去ろうとしたマッチに、スクダーの長年にわたる愛の結晶を洗練された現代風の記録に変えるために、その専門的技術を貸してくれないかとオファーがあった。返答はこうだ。「それ以上の名案はないね」。
作業は2001年1月から開始された。「納屋のような建物の中にある、凍えるような寒い部屋に、段ボール箱とその他諸々の資料が山積みにされていた。誰かが整理してくれるのを待っているようだった」と、マッチは振り返る。
そして、解明が始まった。「まるで、野菜スープの材料を探り当てているようだった。ニンジンはこっち、チキンはこっち、セロリはここってね。資料をそれぞれに山分けしていったんだ」。目の前の資料を分類し、系統立てて、コンピュータのデータベースに入れ終わった頃には、野菜スープの解説は終わり、初期のメリオンで使用されたスコアカード、昔のクラブ・ハンドブック、ジョーンズからの手紙など、しまい込まれていたお宝が日の目を見た。適切なアーカイブ用のボックスを使用したり、個別にファイルして、お宝を保護した。
それから3年、マッチはアーカイブ棚の中の収容品解析に没頭した。2003年には、常時展示できる準備が整い、ライブラリーの裏にある役員室に収容することが決まった。「役員室はひどい状態だったけど、アーカイブ室にするには完璧だと思ったんだ。それは、少し奥まった場所にあり、最小限の自然光が差し込む部屋だった。コレクションを安全に保管し続けるためには、大きなプラスとなる。作業をするには十分の広さがあり、効率よく管理するにはうってつけの狭さだった。
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