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佐渡充高が簡単解説!初めてのPGAツアー【第二十六回】

■ 「WGC アクセンチュアマッチプレー選手権」の歴史

1995年にスタートとし(98年までは非公式試合)、世界選手権に昇格後14年目。第1回大会はグレッグ・ノーマンニック・プライスフレッド・カプルスアーニー・エルスニック・ファルドコリン・モンゴメリーら世界の強豪が参加せず、「世界一」のキャッチフレーズが疑問視された。これに対してマーク・マッカンバーが「100回を越える伝統的な試合も、1回がなければ存在しない。マスターズでさえ最初はオーガスタインビテーショナルと言われた小さな大会だった」と跳ね返した経緯がある。01年もタイガー・ウッズデビッド・デュバルフィル・ミケルソンら世界ランク上位選手28人が欠場で、参加は12ヵ国、ランク104位のクラフトまでが参加した年もあった。

■ マッチプレーはゴルフの原点!?

ゴルフは今現在のようなストロークプレーではなく、最初はマッチプレーからスタートしている。なぜマッチプレーから始まったかというと封建制度の時代に、いわゆるスコットランドやヨーロッパではいわゆる騎士道がその時代の気風であり、何においても1対1で戦うことが当時の常識だった。ゴルフがプレーされ始めた頃、そんな時代背景ということもありマッチプレーが広く浸透したのだ。ストロークプレーが発明されたのは1759年。それまではずっとマッチプレー形式でゴルフはプレーされ続け、「全英オープン」がスタートした1860年頃には、すでにストロークプレーが浸透している。

今でもアメリカやヨーロッパで行われている、全米アマをはじめとするアマチュア大会は、まず2日間のストロークプレーを行い、上位64名がマッチプレーによるトーナメントに進む。準決勝までが18ホール、決勝は36ホールで争われる熾烈な戦いであるがゆえ、優勝者の体力たるやすごいものがある。今ではマッチプレー形式の試合は、米国、ヨーロッパでもそれぞれ1試合しか存在しない。というのも、終わる時間がまちまちで、試合時間が読めないというのが理由のひとつだろう。近年、世界中の人々がテレビを通じてゴルフを観戦する人口が増えるに従い、試合展開によっては早くゲームセットになったり、さらには長引いたりと、メディア側もそれに対応していくのは容易なことではない。ギャラリーだって、テレビ観戦にしても、現地での観戦にしても、着いた頃には試合が終わっていたなんてこともあり得る状況が予想されるのである。そういった意味で、マッチプレーがだんだんと時代の流れにそぐわなくなってきてしまったとも考えられる。しかし、そんなマッチプレーがゴルフの原点でもあるのだ。

別の観点から見れば、マッチプレーが原点となりうる理由がもうひとつ挙げられる。人類が初めて「100」のスコアを切ったのは、1768年(「99」)。「90」を切ったのは1855年(「88」)だ。さらに言えば1977年、アル・ガイバーガーがPGAツアー史上初の「59」をマークし「60」の壁を打ち破っている。マッチプレーはスコアカードがいらない。当時のレベルや、コース、ゴルフクラブ、ボールの不完全さを考えると、膨大な総打数となったはず。それをわざわざスコアカードに記入してストロークプレーを行っていたら、競技は大変な作業になることも考えられるからだ。

■ マッチプレーに相応しい、3つの勝負ホール

今大会が開催されるダブマウンテン・リッツカールトンGCはマッチプレーに相応しい面白いコースである。バックナインで言えば2オン可能なパー5(11番、13番など)、1オン可能なパー4(15番)がある。マッチプレーの勝負の中では、劣勢なところから逆転して流れを掴むなど、一か八かの勝負所が必要となる。後半にその3つのチャンスがあるというのが面白い。選手誰もが、プレーの流れを切り替えるチャンスを与えられ、負けていれば攻めてくるし、勝っていたとしても相手を封じようと攻めてくる。ストロークプレーでは、そんな危ない橋は渡らないであろう攻め方を見せるのがマッチプレーの見どころでもある。

佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

関連リンク

2012年 WGC アクセンチュアマッチプレー選手権




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