「AT&Tペブルビーチ」でプロが使った道具
2014年 AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ
期間:02/06〜02/09 場所:Pebble Beach Golf Links
3勝目を挙げたウォーカーがライダーカップランキング1位をキープ!
「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」最終日、2位と6打差の首位でスタートしたジミー・ウォーカーは、最終18番で1.5メートルのパーパットを沈め「74」の2オーバーでホールアウトし、ダスティン・ジョンソン、ジム・レナーの2人を抑えて優勝を飾った。
18番のグリーンについてウォーカーは、「まるでドラマのようだった。自分にとっては相当に大変だったけれど」とコメント。
<< 下に続く >>
35歳のテキサス出身にとっては慣れた展開だったとも言える。たった4ヵ月前の時点ではPGAツアー未勝利ながらもベストプレーヤーという称号を得ていたウォーカーは、2013-14シーズンで早くも3勝目をマーク。昨年10月の「フライズドットコムオープン」から飛ぶ鳥を落とす勢いを続けている。
絶好調のウォーカーは、PGAツアーの歴史に残る記録も樹立。過去20年では4人目となる、開幕から8試合で3勝をあげた選手となった。その他の3名はタイガー・ウッズ(過去に8回達成)、フィル・ミケルソン、デビッド・デュバル。
結果的に勝利で終えられたものの、一時はグレッグ・ノーマン、セルヒオ・ガルシアと同じく、2位と6打差の首位スタートとしながら優勝を逃す可能性もあった。
順調に首位を快走していたウォーカーに迫ったのはジョンソンとレナー。ペブルビーチで過去2勝をあげているジョンソンは、3ボギーを含む「66」でフィニッシュ。今大会まで1度も予選通過を果たせていなかったレナーは、バックナインで5バーディを奪い「67」とし、2位タイで終えた。
ウォーカーは11番ホールで3メートル弱のバーディパットを沈め、そのままの流れでホールアウト出来るかと思われた。
だが、パー3の12番でボギー、続く13番では3パットのボギーと後退。14番から16番まではパーで切り抜けたが、17番では90センチのパーパットを決められずに再び3パットのボギー。最終18番ではセーフティに行くためアイアンでティショットを打ったが、右のラフにつかまった。
そして迎えた7.6メートルのバーディパット、ウォーカーは強めに打って外し、不安が頭を過ったという。
「3パットは御免だよ。その前の2ホールで3パットとしてしまっていたから、最後だけは避けたかった」。
最終的にウォーカーは「276」の通算11アンダーで優勝し、フェデックスカップポイント500を獲得し、同ランキングで首位を独走。ライダーカップランキングでも、2位のミケルソンに100万ドル(約1億円)以上の差をつけ首位に立っている。ライダーカップランキングは、PGAツアーのポイントで順位が決まり、今後の日程でポイントの対象となるのは、メジャー4大会(ポイント2倍)、「世界ゴルフ選手権」、そして「プレーヤーズ選手権」。
今は全てがウォーカーを軸に回っているのかもしれない。
「ただ大会に出場してゴルフをプレーしているだけ。自分のやりたいことだし、今のポジションを手に入れるためにハードに取り組んでいるから。嬉しいよ」。
前日、日没サスペンデッドとなったジョーダン・スピースは、最終日の早朝に3日目のラウンド分を終えたが、7つの3パットで「78」と崩れた。3日目のラウンドを通してペブルビーチの強風に苦しめられたが、最終日はボギーフリーの「67」でフィニッシュし、ケビン・ナ「69」と4位を分け合った。
思うような結果を得られなくとも、スピースはユーモアを忘れない。
「昨日は、人生で1度は経験してみたいと思うペブルビーチの気候だったね。ただ、首位として迎えた3日目では経験したくなかったけれど」。
またしても貴重な経験を積んだスピースだが、大会を通して記録した36パットは、実力よりも運に恵まれなかった結果と振り返っている。
「バーディが欲しいと感じた時に取れなかった」
ペブルビーチでの大会出場は、優勝した2010年の「全米オープン」以来となったグレーム・マクドウェル(北アイルランド)は、最終日に「67」を記録。試合勘を取り戻し、来週リビエラで開催される「ノーザントラストオープン」に臨む。
優勝したウォーカーの次に大きなものを手にした選手は、レナーだっただろう。
ウェブドットコムツアーからPGAツアー出場権を手にしたレナーだったが、2013-14PGAツアー出場優先順位を決めるウェブドットコムツアーファイナルで苦戦し、なかなか大会に出場出来ずにいた。5大会目にしてようやく予選通過を果たし、リビエラでの出場権を獲得。今後数ヵ月は、今までよりも優先的に出場出来るようになる。
レナーは、「自分にとっては大きいね。とにかく良い成績を残さないといけなかったから。追い詰められていたけれど、そういう状況には慣れていたし、気にしなかった。でも、プレッシャーから解放されてホッとしたよ」と語った。
補足情報:
ジム・レナー、そしてアメリカで統合型レストランチェーンを展開するConsolidated Restaurant OperationsのCEOを務めるジョン・ハーキーJrのペアがプロアマ部門で優勝。ウォーカーと最終日に同組でプレーしたティム・ウィルキンソンは「73」とし7位入賞。これにより来週の「ノーザントラストオープン」出場を確定させた。
ウォーカーは、1994年以降ペブルビーチでの最終日に「74」としながらも優勝した4人目の選手となった(1994年にはジョニー・ミラー、2010年にはダスティン・ジョンソン、そして2010年の「全米オープン」でグレーム・マクドウェルが最終日に同スコアを記録し優勝している)。