主将引退のカプルスに有終の美をもたらしたウッズ
2013年 プレジデンツカップ
期間:10/03〜10/06 場所:Muirfield Village Golf Club
またしても課題を残した世界選抜
By Brian Wacker, PGATOUR.COM
米国選抜は18.5-15.5で世界選抜に勝利し、「プレジデンツカップ」5連勝とした。その結果は、決して接戦という程のものではなかった。
「みなは紙一重の勝負だったと言うと思うよ」と世界選抜キャプテンのニック・プライスは述べた。「ジャック(・ニクラス)は接戦だったと言っていたよ。君たちはどう思う?」。
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プライスの話とは裏腹に、1994年にはじまった2年に1度のこの大会は、米国選抜が通算8勝1敗1分、1998年以降、負けなしと支配し続けている。
過去10戦中7戦、そして2005年以降の全ての大会で米国選抜は最低3ポイント差をつけて勝利している。プライスの目標は、最低でも決着をシングルマッチまで持ち込むことだった。
しかし、プライスが“ごちゃ混ぜのチーム”と呼ぶ世界選抜に対し、米国選抜は最終セッションまでに6ポイントをリードした。世界選抜は最後に反撃を見せたが及ばず、また遅過ぎた。
「このスポーツを知っている者なら、日曜の午後に逆転して勝利するのがどれほど難しいかわかるだろう」とプライス。「もしそれができていたら、それは奇跡に近いことなんだ」。
「改善すべき点はたくさんあるが、今それについて話すべきではないと思う。米国選抜の勝利を称え、より良い勝負をするため我々は今後、何ができるかを考えよう」。
敗因はたくさんある。
米国選抜の選手たちはもちろん皆同じ国の出身である。世界選抜は6ヶ国から選手が集まっており、全選手が一同に介したのは先週の月曜日がはじめてだった。
マーク・レイシュマンは「何人かのことはそれまでよく知らなかったよ」と話した。
米国選抜は世界ランクトップ11のうち7人、そしてトップ15のうち8人を擁していた。一方の世界選抜は、アダム・スコット1人だけだ。
「間違いなくその通りだ」。選手層の厚さが勝敗を分けたかとの問いに、プライスはそう答えた。「それは明らかだよ」。
米国選抜では、今回がプロとして初の国際試合となった唯一の選手が、ジョーダン・スピースだった。スピースは今季米国ツアーの新人王であり、そして直近6週間では世界中で最も良いプレーをしている選手の1人だ。一方の世界選抜には、7人のルーキーがいた。
カプルスが米国選抜を指揮するのは、今回が3度目。一方のプライスは、自身は選手として5度の「プレジデンツカップ」出場を誇るベテランながら、キャプテンを務めたのは今回が初だった。
プライスはあとからペアをいじるようなことはしかったが、雨で試合が中断し、ペアを決めるための追加の時間を得ると、より難しい判断を強いられるようになった。
「これまで関わった『プレジデンツカップ』の中でも、天候が荒れた今回がおそらく一番難しかった」とプライス。「ベストなペアを考えるのが最も難しい。最適なペアを作るには時間が足りないと感じたよ」。
「少し急かされているような感じだった。フレッドについても同じことが言えるのだから、それは言い訳にはならないけれどね。シングルマッチが始まったときも半分の選手達はまだコースにいたし、難しかったよ」。
好スタートを切ることがチームに勢いを与えると考えたプライスは、経験豊富なアーニー・エルスをシングルマッチ序盤に送り込みたいと考えていた。しかしプライスは、エルスがフォアサムマッチで勝利を収めるのを待たなくてはならず、エルスは30分弱の休憩を挟みシングルマッチの第4試合に臨んだ。
そして、その時点でチームは既に厳しい状況に置かれていた。
「プレジデンツカップ」史上、シングルマッチで逆転して勝利したチームは未だかつてない。
世界選抜はシングルマッチ12戦中7戦に勝利し、ようやく今週はじめてセッションを制したが、全く及ばなかった。
「米国選抜が素晴らしく良いプレーをしたよ」とエルス。「彼等のプレーはとんでもなくレベルが高く、バーディを連発していた。彼等はどのセッションでも素晴らしく、我々は何とか食らいつこうとしたんだ」。
「敗因はいくつかあったと思う。経験不足もあっただろう。でも、勝てそうだったいくつかのマッチを落としたことが大きかったね」。
中には、全く勝てないというケースもあった。
ブランデン・グレースとリチャード・スターンのルーキーは今週、計0勝8敗と惨敗した。
ルイ・ウーストハイゼン、そして21歳の松山英樹はそれぞれ1勝しかできず、1.5ポイントを獲得するのみに止まった。
メジャー大会優勝経験者のウーストハイゼン、チャール・シュワルツェルを含め、チームには南アフリカ出身の選手が5人いた。シングルマッチに入る時点で、彼等は合計で4ポイントしか獲得できていなかった。
そんなチームにおいて健闘したのは、グラハム・デリューだ。カナダ出身のルーキーは3勝1敗1分と健闘し、最終日にはスピースを相手に逆転勝利も見せた。
やはりルーキーのブレンドン・デ・ヨングもまた、2ポイントを獲得しチームに貢献した。松山も、若く経験の浅い選手でありながらいくつかの素晴らしいプレーを披露した。
「彼等は、この大会がどんなものであるかをもう学んだよ」とエルス。「今日午後のシングルマッチでは、それを見せていたと思う」。