2016年からのアンカーリング禁止が決定
R&AとUSGAは火曜日、中長尺バターを使用する選手達は違反していないという主張を退け、直近6人のメジャー大会優勝者のうち4人が使用していた中長尺パターの固定を禁止するルールを承認した。
この規則14-1bは、2016年から適用されると発表された。
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R&Aのチーフ・エグゼクティブであるピーター・ドーソンは「この課題について徹底的に検討してきた。ゴルフのために正しい決定であることを確信している」と述べた。
新しいルールでは、中長尺パター自体を禁止しているわけではなく、一般的な使い方が禁止されることになる。これにより、選手たちは固定させるためにクラブを自分の体に付けることができなくなる。マスターズを制覇したアダム・スコット(オーストラリア)は、長尺パターを胸に押し付けて使用していた。 2011年全米プロゴルフ選手権でキーガン・ブラッドリーがそうしたように、全英オープン優勝のアーニー・エルス(南アフリカ)や全米オープン優勝のウェブ・シンプソンは中尺パターを使用していた。
「このルールは、ゲームの改善の為であることを強く信じている」と USGAの会長グレン・ネイガーは述べた。「規則14-1bは、ゲームの中での重要なチャレンジである、全てのクラブでのフリースイングを保証することになる」。
ついに行われた発表は、議論が始まってから半年経ってからのものだった。そして、この議論はまだ続くことになるかもしれない。
米国ツアーにとっての次のステップは、この新しいルールに従うか、またはプレーヤーが中長尺パターを固定することを可能にする独自の規定を行うかどうかのどちらかになる。
「規則14-1bの様々な規定を我々の大会で適用できるかを確かめるプロセスをスタートさせる。もし可能であれば、実際に適用させるプロセスを検討する」と米国ツアーの声明にはある。「来月には選手諮問委員会と政策委員会のメンバーとの議論を行う。このプロセスが終わるまで我々の大会に規則14-1bの適用に関する認識を決定せず、それまではどのようなコメントも発することはない」。
アンカーリングは少なくとも40年以上行われてきた。古い写真からもそれが更に長い間使用されてきたことを示唆している。ブラッドリーが中尺パターを使用しメジャー大会で初優勝した後、USGAとR&Aがそれは新たなパッティングの方法だと述べた時より前のことだ。
「是正するのに遅過ぎることはない」とネイガーは述べた。
米国ツアートップ20のプレーヤー達の全員が、長尺パターの固定が有用であると主張しているわけではなかった。もしアドバンテージが生まれるパッティングなのであれば、何故、全員使わなかったのか?
「意図的に体にクラブの一端を固定し、クラブをスイングする周りに物理的な結合を作ったことが、フリースイングからの実質的な移行点だった」とネイガーは述べた。「よりシンプルで反復可能なアンカーリングは、神経や圧力の影響を減少させ、手、腕、クラブフェースの動きと回転を制限する固定された転心を作成し、別のサポートと安定性を生みだす潜在的な利点がある」。
R&AとUSGAは優位性を示す統計的なデータがなかったにもかかわらず、11月28日に提案された新しいルールを発表した。彼らが最も心配していたのは、全米ツアーでの使用率の増加とたくさんのジュニアゴルファー達が中長尺パターを使用し、インストラクターからもそれが良い方法である聞かされているということだった。従来のパターは時間の経過とともに廃れる懸念があった。
新しいルールの目的は、単純にパッティングストロークがどうあるべきかを定義するためだ。
「ルールは統計的研究に基づいていない。ゲームと意図されたチャレンジを定義する判断に基づいている。全てのクラブを制御するのはそれらのチャレンジの一つであり、アンカーリングはそのチャレンジの形を変えてしまう」とネイガーは述べた。
このトピックは非常にセンシティブなもので、USGAとR&Aは90日間に渡る議論の期間を設けてきた。ゴルフのルールを定義するグループとしては、前例のない動きであった。最も明確なコメントとなったのは、米国ツアーの会長を2年間務めたテッド・ビショップの「禁止の為の"論理的な理由"は見つからない」というものだ。
禁止に賛同した選手の中にはタイガー・ウッズ、ブラント・スネデカー、スティーブ・ストリッカーらがいた。
「私はこれまでゴルフではクラブをスウィングすべきだと感じてきた。神経を制御し、13本ではなく14本全てのクラブをね」とウッズは月曜日に語った。
米国ツアーでは、ティム・クラーク(南アフリカ)とカール・ペターソン(スウェーデン)が、長尺パターを使用してきた。アダム・スコットは2011年に長尺パターに切り替え、初めてメジャー大会で優勝争いに加わるようになった。2011年のマスターズでは3位タイ、 2012年の全英オープンでは2位、先月のマスターズでは初のメジャー大会優勝を果たした。
「世界で最高の選手になる為に、このパターでビッグトーナメントを勝ってきたし、これを使い何時間も練習してきたんだ。何を使おうとも上手くなろうとすることは変わらない」とスコットはマスターズ優勝後に語っていた。
USGAのエグゼクティブ・ディレクターであるマイク・デービスが立ち会った選手だけのミーティングでのクラークの凛としたスピーチが、 米国ツアーを禁止に反対する姿勢に向かわせた。
デービスとR&Aのチーフ・エグゼクティブのピーター・ドーソンは、アメリカでは概ね新しい規則に反対であるとのリサーチ結果を示した。欧州ツアーや世界中の他のツアーは全て、禁止に賛成であった。
選手たちは引き続きパターを使用することはできるが、フリースイングを可能にするため、体から離して使わなければいけないだろう。
「相対的に少数である異議によって、これからのゲームに最善となる利益に貢献できるルールの採用を防ぐことはできない」とネイガーは述べた。「むしろ遅すぎたというより、アンカーリングの使用が増え世界的に根を張り定着する前の今こそが実際的な行動を必要としている時なのだ」。