熱狂の中心に戻ったウッズ 1876日ぶり復活優勝
2018年 ツアー選手権byコカ・コーラ
期間:09/20〜09/23 場所:イーストレイクGC(ジョージア州)
5年ぶり通算80勝 タイガー・ウッズ“復活”への軌跡
タイガー・ウッズが米国ツアーのプレーオフ最終戦「ツアー選手権」で復活優勝を飾った。2013年「WGCブリヂストン招待」以来となる米ツアー通算80勝目を挙げた。キャリアで2回目の長期離脱とスランプに苦しんだ末、ついに第一線に戻ったウッズの5年間の軌跡を振り返る。
■年間5勝 世界ランキング1位に復帰<2013年>
ウッズはひざの故障や不倫問題を乗り越え、2012年の3月の「アーノルド・パーマー招待」で3季ぶりの優勝を飾った。翌13年3月から世界ランキング1位に再び君臨し、同年は”第5のメジャー”「ザ・プレーヤーズ選手権」含む5勝をマークした。
<< 下に続く >>
■腰痛で初の「マスターズ」欠場<2014年>
2014年初頭に腰痛を発症し、春先に椎間板切除手術に踏み切った。同年4月の「マスターズ」は初出場となった1995年以降、初めて欠場した。2013-14年シーズンの米ツアー出場は7試合で、うち2試合が途中棄権。最高順位は手術前の「WGCキャデラック選手権」の25位タイだった。ショーン・フォーリーとのコーチ契約を解消し、年末にかけてクリス・コモを新たにスイングコーチに迎えた。
■アプローチイップス…ワーストスコアを更新<2015年>
腰痛を克服したかに思われた2015年は泥沼状態。前年8月の「全米プロ」以来、ツアー競技に復帰した2月の「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」では2日目に「82」のキャリア最悪のスコアを記録し、世界ランキングで上位50位から外れた。さらに5月「ザ・メモリアルトーナメント」3日目には「85」でワーストを更新。アプローチショットのミスが顕著になり、イップスと表現された。
■全試合を欠場 用具契約も変更<2015~2016年>
腰痛が深刻化し、2015-16年シーズンの出場試合はゼロに終わった。16年秋の「ライダーカップ」はプレーをしない米国選抜の副主将としてチームに加わった。松山英樹が優勝した自身のホスト大会、16年12月のツアー外競技「ヒーローワールドチャレンジ」で1年4カ月ぶりに復帰した。用具は同年夏のナイキのボール、クラブ製造の撤退を受け、ブリヂストンとボール契約、テーラーメイドとクラブ契約を結んだ。
■4度目の腰の手術 逮捕も<2017年>
2017年2月の欧州ツアー「ドバイデザートクラシック」を腰痛により途中棄権。4月に4度目となる腰の手術に踏み切った。フュージョン手術という前例の少ない(ウッズは初めて)オペとなった。復帰への道筋をなかなか描けないまま、5月29日には自宅のあるフロリダ州の路上で飲酒か薬物の影響下で車を運転した容疑で逮捕された。「飲酒ではない。処方薬の服用で予期せぬ反応が起きた」と釈明し、1年間の保護観察処分となった。副主将のひとりとして参加した「ザ・プレジデンツカップ」では現役引退の可能性に言及した。
■世界ランク1199位からのカムバック<2018年~>
2017年末の「ヒーローワールドチャレンジ」で9カ月ぶりに実戦にカムバックした。クリス・コモとの関係はすでに解消。世界ランク1199位で迎えた同大会を9位で終え、ランキング656位で2018年に入った。ツアー復帰戦となった1月末の「ファーマーズインシュランスオープン」で23位、「ザ・ホンダクラシック」は12位。3月の「バルスパー選手権」では1打差の2位フィニッシュを決め、大きな手応えをつかんだ。
■「全英オープン」「全米プロ」で優勝争い
メジャー勝利は2009年「全米オープン」での14勝目から遠ざかっている。3年ぶりに出場した4月の「マスターズ」は32位。6月「全米オープン」は予選落ちだったが、夏場のメジャー2試合でタイトル争いを演じた。「全英オープン」では4打差の6位から出た最終日、バックナインを迎えた時点で単独首位に立った。結局6位に終わったが、5年ぶりにメジャーでトップ10入り。3週後の「全米プロ」では最終ラウンドのベストスコア「64」をマークして単独2位で終えた。世界ランクは26位に浮上した。
■5年ぶりのシーズン最終戦「ツアー選手権」で復活優勝
2013年シーズン以来5年ぶりにPGAツアーのフェデックスカッププレーオフに臨み、フェデックスランキング上位30人が出場する最終戦「ツアー選手権」のフィールドに立った。過去2勝(1999年、2007年)を挙げた大会で初日から首位を走り、3打のリードを持って迎えた最終日を「71」とし、後続に2打差の通算11アンダーで5季ぶりの復活優勝を遂げた。
ツアー通算勝利数は節目の80勝目に到達。サム・スニードが保持する最多勝利数「82」にあと2勝まで迫った。