ジャック・ニクラス インタビュー オークモントよもやま話(下)
2016年 全米オープン
期間:06/16〜06/19 場所:オークモントCC(ペンシルベニア州)
ジャック・ニクラス インタビュー オークモントよもやま話(中)
米国Golf Digest誌6月号 2016 全米オープン特集
◆「私は何も変えなかった」
アーノルドと私はオークモントの初めの2ラウンドを同組で回ったんだ。私は3連続バーディで選手権をスタートしたが、アーノルドも盛り返してきた。36ホールを終えた時点で、彼はボブ・ロスバーグと並ぶ首位タイにつけ、私は3ストロークを追っていた。オークモントのようなコースで3ストロークというのは、差がないも同然だ。リーダーがそのまま行くのは難しい。土曜の36ホールフィニッシュを控え、私は何も変えなかった。
◆「忘れられないヘリコプター騒動」
第4ラウンドの1番ホールで、私には8m弱のバーディパットが残っていた。パットに入ろうと構えると、撮影をしているヘリコプターがやって来て、我々の頭上でホバリングをしたんだ。あれはデジャヴだったね。と言うのも、チェリーヒルズで行われた1960年の「全米オープン」でも、最終ラウンドの4番ホールでヘリコプターがやって来て、我々の頭上で止まったのだよ。その時は手に汗握る接戦でベン・ホーガンやその他の選手に勝とうとしていたのだが、ヘリコプターは飛び去ってくれないんだ。私はプレーせざるを得ず、3パットしてしまった。2年後、再び「全米オープン」で優勝争いをしている時に、またヘリコプターがやって来たのだ。案の定、私は3パットしたのだが、それはその週90ホールプレーした中で唯一の3パットだった。
◆「全米オープンを勝ったときは副業もしていた」
1962年当時、私はまだ副業で保険のセールスをしていた。ゴルフで大金を稼げる保証はなかったからね。代理店では友人のボブ・ホーグとパートナーだった。その翌年以降、私はセールスを一切しなくなったが、ボブには折に触れて電話をしたよ。我々は1970年代まではビジネスを続けたんだ。