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2015年 全米オープン
期間:06/18〜06/21 場所:チェンバーズベイGC(ワシントン州)

チェンバーズの攻略法は?2010年・全米アマ出場選手が語る真実

米国Golf Digest誌 2015 全米オープン特集<8>

チェンバーズベイでツアーレベルの大会が開催されたことはないが、今年の「全米オープン」に出場する全ての選手にとって、このコースがミステリーに包まれているわけではない。一部の若手選手たちは、2010年の「全米アマチュア選手権」でこのコースのトーナメント設定を体験している。彼らは、他の選手たちがこれから解かなくてはならない、どのような鍵を握っているのか?

「チェンバーズベイの一番良いところは、僕らが発揮しなくてはならないクリエイティビティの多さだね」と同大会を制したピーター・ユーラインは語った。「ピンの遠くを狙って、傾斜を利用してボールを寄せるコンセプトはすばらしかった」。

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確かに、大会を制した人間はそのコースを気に入るものだ。しかし、8月のその2日間のストロークプレーで、チェンバーズベイは少々硬すぎたという一般的な感想を除くと、(それはUSGAのエグゼグティブ・ディレクター、マイク・デイビスも認めるところである)、大方においてポジティブな意見が聞かれた。

モーガン・ホフマンはコースを「クールだ」と評した。ニック・テイラーは「楽しい」という言葉を用いた。彼らの意見を聞いていると、彼らが「全米オープン」のコースについて語っているのか、シアトルのスペースニードル(名物の鉄塔)に昇った際の感想を語っているのか、分からなくなってくる。そして、今回このコースを初めて経験する選手たちも、普段と異なる試練に耐えうる準備ができているとすれば、同じような思いを抱きながらコースを後にするだろう。

「初めてコースを見る人や、コースについてほとんど予備知識のない人は、確実に驚くだろう」と、ユーラインに準決勝で敗れたパトリック・カントレーは述べた。「いつもと違っていたり、予想通りでなかったりすると、そういう人たちは取り乱すから」。

「心をオープンにして挑まなくてはならない」と語るのは2010年に準々決勝まで進出したマックス・ホマ。「コースを歩くことで、理解を深めようとした。頭の中でコースの鳥瞰図を思い浮かべた。設計者の意図する落としどころはどこだ?使える傾斜はどこだ?という具合に。広い視野とともに、普段とは違う考え方をしないといけない」。

「全米オープン」の“確実にフェアウェイとグリーンをキープすべき”という格言は、どちらかというと「全英オープン」的なこのリンクスレイアウトコースでは常に真実とは言えないだろう。

「パーを獲るために、あえてグリーンを外さなければならないときもある」とホフマン。「フェアウェイはとても良い状態なので、どのような種類のショットでも打つことができる」。

広いフェアウェイに1オン可能なパー4と、選手たちはティショットで多くの選択肢を与えられる。しかし、チェンバーズベイが通常の「全米オープン」と趣を異にするからといって、フィールド全体が特別な恩恵を受けるわけではない。チェンバーズベイがパー「71」に設定された2010年の「全米アマチュア」の2日間のストロークプレーの平均スコアは「79.25」だった。(今回の全米オープンはパー「70」設定)

現在ゴルフ界を牽引する若手スターですら、ブルックス・ケプカは「81」、ラッセル・ヘンリーは「82」、そしてジョーダン・スピースは「83」を叩きストロークプレーで敗退。マッチプレーに進出できなかった。

「とても難しかった」とケプカ。「1打たりとも気が抜けない。1打目も2打目もショットの狂いは許されない」。

「僕がプレーした中で、トップ5に入るタフな設定だった」とジャスティス・トーマス。彼は2010年の大会2日目のチェンバーズベイを、トッド・ホワイトとともにベストスコア「69」でラウンドした。この日は2人を除きアンダーパーでラウンドした選手はいなかった。(大会では2コースが使われた)。その前日は「68」のパトリック・リード、「69」のパトリック・ロジャース、「70」のカントレーだけが、この「全米オープン」コースでアンダーパーを記録している。

「イーブンパーなら、大差で勝てると思う」とホフマンは言う。なるほど、「全米オープン」らしい響きになってきたではないか。

■ マキロイ、ステンソン、そしてミケルソン

では、どのようなタイプの選手がチェンバーズベイで成功を収めるだろうか?我々が話を聞いたゴルファーの多くは特定の選手の名前を挙げることを嫌がった。だが、飛距離があり、弾道が高く、想像力あふれるショートゲームの持ち主が有利であることは皆が認めた。3人の名前が浮かぶだろう?ロリー・マキロイヘンリック・ステンソン、そして「全米オープン」で2位を6度経験しているフィル・ミケルソンだ。

キャリアグランドスラムの達成を狙うミケルソンにとって、この新しい「全米オープン」コースの登場は絶好のタイミングであると言えるかもしれない。最近、リンクスへの愛着を見出した彼は、2013年ミュアフィールドでの「全英オープン」優勝で、それを結実した。

大会開幕の2日前には、45歳の誕生日を迎える。(「全米オープン」の最年長優勝記録は1990年にヘイル・アーウィンの記録した45歳15日)。現時点でチェンバーズベイには歴史が欠けているかもしれない。だが、もしミケルソンが勝つことができれば、その問題もなくなるだろう。

「フィルのように感性でプレーするタイプの選手に分があるだろう」と、2010年に準々決勝まで勝ち残ったスコット・ラングレーは述べた。「他の選手には考えつかないようなオプションをグリーン周りで想像し、実行できる選手がね」。

■ ミケルソンの「全米オープン」トップ10

フィル・ミケルソンは「全米オープン」で大会記録となる6度の2位を経験している。ここに彼の大会トップ10を並べてみた。

<全米オープンでのミケルソンのトップ10一覧>
1995年 シネコックヒルズ 4位タイ
1998年 オリンピック 10位タイ
1999年 パインハースト 2位
2001年 サザンヒルズ 7位タイ
2002年 ベスページブラック 2位
2004年 シネコックヒルズ 2位
2006年 ウィングドフット 2位タイ
2009年 ベスページブラック 2位タイ
2010年 ペブルビーチ 4位タイ
2013年 メリオン 2位タイ

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