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全米オープン
期間:06/18~06/21  場所: チェンバーズベイGC(ワシントン州)

採掘場から至高のコースへ

2015/06/05 10:30

米国Golf Digest誌 2015 全米オープン特集<1>

採掘時代から佇まいを新たにした現在のチェ 採掘時代から佇まいを新たにした現在のチェンバーズベイ。パー3の15番グリーン奥にあるコース唯一の立木を臨む。(米GolfDigest誌)

オープンから8カ月で「全米オープン」招致に成功したチェンバーズベイ。この古き採掘場にとって、初ものづくしとなる「全米オープン」開催により、太平洋岸北西部に活気がもたらされる。

チェンバーズベイは多くにとって未知の存在であり、何も証明されておらず、紛れもなく奇妙な物語ですらある。なぜこのコースは「全米オープン」史上、多くの記録を作る立場にあるのか?まだ選手たちはティオフしていないが、初めて太平洋岸北西部で開催される2015年の「全米オープン」は、既に新たな歴史を作りつつある。

ありそうもない常識外れな話に聞こえるかもしれないが、10年前にこのコースは存在しなかった。そして今年、この地で「全米オープン」を開催するって?突拍子もない話だ。この信じがたい話が実際に6月18日から21日にかけてチェンバーズベイで実現しようとしている。

チェンバーズベイはワシントン州タコマの西端、ユニバーシティプレースの郊外にあった砂と砂利の採取場の跡地に佇む。ここは傾斜した窪地で、西側が開けており、線路の向こうには荘厳なピュージェット湾が横たわる。東には長い断崖がそびえている。その崖の上を走るグランドビュードライブには、物見高い人々が双眼鏡を携え、およそ25メートル下でプレーするロリーとフィルと仲間たちを見物することになるだろう。

この採取場は1890年代から採掘が始まり、以後一世紀にわたり、約60キロ北方のシアトルの摩天楼を造成する資材の9割を賄ったと言われている。ゴルファー諸君にとって幸運だったのは、ここから持ち去られたのが、ほとんどは砂ではなく砂利だったことだろう。

砂場で開催される初めての全米オープン

1890年代に採掘場だったチェンバーズベ 1890年代に採掘場だったチェンバーズベイ。シアトル造成を支えた土地だ(米GolfDigest誌)

1992年にピアース郡下水局が900エーカーに及ぶこの地を買い取った後も、採掘は2001年まで続けられ、情熱的な検察官として知られるジョン・ランデンバーグが郡長官に選出されると、このウォーターフロントの土地は野球場、ハイキングコース、そしてゴルフコースなどからなる公的なレクリエーション施設として再開発されることが決定した。

2003年に郡がゴルフコースの設計と造成を入札にかけると、55の事務所がそれに応えた。現場を訪れた関係者が圧倒されたのは、湾からの風(平常吹いている)ではなく、その土壌の性質だ。そこにある純粋な砂は、密度の高い芝の生育に理想的であり、豪雨の際の水はけに長じ、全てのゴルフボールに適度なバウンドを、そして歩行に最適なクッション性を与えるものだった。

「全米オープン」が砂地で開催されるのは初めてのことではない。ロングアイランドのシネコックヒルズでは、古くは1896年に、最近では2004年に「全米オープン」が開催されており、また同地は2018年の開催地に決定している。しかし、シネコックは最も無理のない形で木々を間引いた砂丘に沿って区画されたホールで構成される。

一方、チェンバーズベイは採取場の跡地であるため、逞しい想像力に沿って砂をふるいにかけたり、地形を変形させたりと、思いのままにコースをかたどることができた。150万立方ヤードの砂場がこねくりまわされたのだ。


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