2013年 全米プロゴルフ選手権特集
2013年 全米プロゴルフ選手権
期間:08/08〜08/11 場所:Oak Hill CC
奮闘!74位の井戸木鴻樹「シー・ユー・トゥモロー」
5月の「全米プロシニア選手権」で日本人初のシニアメジャー制覇を成し遂げた井戸木鴻樹が、レギュラーツアーのメジャートーナメントでも魅せた。オークヒルCCで開幕した「全米プロゴルフ選手権」初日のプレーは、周囲の驚きを十分に呼ぶものだった。
「普段通り、緊張して。ボク、ビビりなんで」。ニック・ワトニー、ロッド・ペリーといった地元米国選手と同組に入り、自身初の4大メジャーに挑んだ51歳。だがプレーが始まると、大男2人を引き連れたのはこのシニアプレーヤーに他ならなかった。
<< 下に続く >>
出だしの2番で残り146ヤードの第2打を8番アイアンでピンそば1.5メートルにつけてバーディを先行させると、続く3番(パー3)でカラーから15メートル、さらに4番では6メートルを沈めた。そして5番でセカンドを1メートルにつけると、なんと4連続バーディを奪って、上位グループに加わった。
身長167センチの大阪人が口角を上げ、肩で風を切って歩く。現地映像でハイライトシーンが繰り返され、コース内のリーダーボードには、ジム・フューリックらトップ選手の下に「IDOKI」の名前。首をひねる周囲をよそに、当人の胸はただ躍るばかり。「無茶苦茶、気持ちいい。一回、代わってみましょか?」
さらなる見せ場は14番だ。グリーン奥、深いラフから第3打のアプローチは、ウェッジでピンを直撃。そのままボールは落下し、カップから1メートルにつけてなんとかパーセーブした。それでも「ラフに食われると思って、強く打ったんやけどな」とチップインを逃したことが悔しそう。「(プロゴルファー)猿にはなられへんかったわ」
ところが終盤「前半で貯金できたから、なんとかパープレーにしたいと思った」と1アンダーで迎えた17番をボギーとすると、最終18番でダブルボギーを叩いた。ティショットを入れた深いラフから、第2打でレイアップを狙ったが、すぐ先のフェアウェイバンカーに入れてしまう。「謝ってんのに、謝らしてくれへん」と口をすぼめた。
結局4バーディ、4ボギー、1ダブルボギーは「72」。2オーバーの74位タイで初日を終えた。周囲の興がる視線を浴びつつも「まだ初日。4日間プレーするために、明日予選に残りたい」と、きっぱりと言った。「また一から出直します」。日焼けした顔の中の目は、真剣そのもの。シニアメジャー王者としての誇りがある。インタビューを終え、去り際に「また明日。シー・ユー・トゥモロー」との言葉に強い意志を込めた。
けれどやっぱり、オチを付けるのも忘れない。「これ、2つ目に覚えた英語やで」。
(ニューヨーク州ロチェスター/桂川洋一)
- アダムスコット選手、スペシャルコンテンツ公開中!
- 「ユニクロのウェアは、コースでも常に快適でした。」アダム・スコット選手が認めたウェアを、あなたに。 全英オープンゴルフでの着用予定アイテムや、ザ・メモリアルトーナメント、全米オープンでのスタイリングをご紹介。 汗をすばやく乾燥させるドライ機能商品から少し肌寒い時に重宝するニットやダウンベストまで、ユニクロのウェアがあなたのゴルフを快適にします。