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ウッズの年間グランドスラムの可能性:ツアープレーヤー27人はどう答えたのか

何につけてもタイガー・ウッズである。出場していない試合ですら、彼の名前が語られないことはない。キヤノン・グレーターハートフォードオープンの試合前にも、あらゆる男たちが、かの26歳のゴルファーについて話をしていた。全米オープンの興奮は冷めやらず、年間グランドスラムへの期待は至る所で満ちている。

ビリー・アンドレード(ツアー4勝)
「以前は、タイガーが試合に勝った時にインタビューされるプレーヤーは、『またウッズの話をしなければいけないのか』と憤慨してたけど、今はみんな彼について話したがっていますね」

メジャー11戦7勝の成せる技だ。マスターズと全米オープンに勝って年間グランドスラムの半分を達成したウッズに、他のプレーヤーはもはや首を振るばかり。

ジョン・ヒューストン(ツアー6勝)
「疑いたくなりますね、彼が血を流すところを見ないと。コンピュータチップでも埋め込んであるんじゃないかってね」

全米オープンの翌週、火曜日と水曜日に27人のツアープレーヤーにインタビューしたのだが、世界最高水準のツアーの誇り高きプレーヤーたちをして、大方そんな答えだった。「今年、グランドスラムを達成すると思うか?」という問いに対して、10人がイエス。ノタ・ビゲイIII、ピーター・ジェイコブセン、デビッド・フロスト、D.A.ワイブリング、テッド・トリーバ、ウィリー・ウッド、ジェイ・ウィリアムソン、ポール・ゴイドス、リー・ポーター、ジョン・ヒューストン。ノーと言った17人は、回答に際してしばし考え込んだ後で、ウッズのすごさについて語りはじめるのだった。

「ウッズはツアーで最も過小評価されているプレーヤーです。彼が最高のプレーヤーかどうかという質問がまだなされること自体がその表れです。彼の相手になるプレーヤーはもはやいないのです」。40歳のジョー・オギルビーがそう言えば、トミー・アーマーIIIは「誰が彼をやっつけるっていうんだ」と言ったきり二の句がなかった。「全米オープンが終わったいま、『グランドスラムは無理だ』なんて言えるわけがないでしょう」と、今年のライダーカップに出るスコット・バープランクはそう言った。

全英オープンと全米プロ選手権に出場するプレーヤーたちはグランドスラムを否定する傾向にあったが、それも自分のプライドの問題だろう。10人が肯定しているという事実は、いかにウッズがプレーヤーのやる気に影響しているかということの表れである。「それほど多くのプレーヤーがイエスと答えているのは信じがたいですが、でも、どうやってノーと言えというんです?」とウィリアムソン。

タフガイのフランク・リックライターはノーと答えて、「彼の後ろに我々144人が控えているのだから、それが理由だ」と言った。しかし今年、あるいは2000年の全米オープンから2001年のマスターズまでの期間には、それは効力を発しなかった。年間グランドスラムを否定したプレーヤーのほとんどは、全英オープンと全米プロ選手権で勝つためには、とてつもないプレッシャーがかかること、そしてさまざまな要素が絡んでくることに言及している。

他のプレーヤーも一所懸命になるし、稀ではあろうが、ウッズの調子が悪いということもあり得る。全英オープンの会場となるミュアフィールドは、パワーで優位に立てるコースではないし、木曜と金曜のティータイムの運不運もある。特にプレーの時間帯は大きな要素だ。初日と2日目の午前と午後の組み合わせが不運な結果になってしまうと、全英オープンではほとんど浮上できない。

スコットランドのリンクスでは、気象条件が短時間で変わる。もし悪条件でのプレイを免れれば数打の差になる。1990年のセントアンドリュースで、デービス・ラブIIIは全ホールで強い向かい風の中のショットを強いられたが、ペイン・スチュワートの回る時間になると、天候は一転して追い風になった。ラブは苦しみ、スチュワートは優勝戦線に絡んだ。

パー71、全長6,963ヤードのミュアフィールドはクロスバンカーとドッグレッグのためにレイアップを余儀なくされるホールがいくつかある。ウッズなら2番アイアンを多用することになるだろう。コースのレイアウトと、硬くて転がる典型的なリンクスのコンディションは、オーガスタナショナルやベスページよりも、多くのプレーヤーにチャンスを与えるものだろう。ニック・ファルド(2度)、トム・ワトソンリー・トレビノジャック・ニクラス、そしてゲーリー・プレーヤー。ミュアフィールドでの過去6回のチャンピオンがそれを物語る。しかし、全員が殿堂入りプレイヤーだ。次が誰になるのかを予想するのは困難ではない。

ニクラスが、マスターズと全米オープンを同一年に勝利した時からすでに30年を経ている。前人未踏の年間グランドスラムへ向けて、タイガー・ウッズはかつてないほどに気合いを入れてミュアフィールドへ向かうだろう。ウッズには心理的なアドバンテージがある。他のプレーヤーがミスをする間に、自分の打つべきショットを打つことができる唯一のプレーヤーがウッズだ。「ウッズが出場している試合では、みんないつもと違うプレイになってしまう」とオギルビーは言っていた。「みんなゴルフコースをプレーするのではなく、タイガーを相手にプレーしてしまうのです。ウッズだけがコースをプレーしているのにね」

そう、ゴルフとはマインドゲームなのだ。ソニーオープンで勝ったジェリー・ケリーは、グランドスラム否定組。そのあたりを十分承知している。

「もし私がウッズの年間グランドスラムを肯定したら、彼はおそらく私が彼の軍門に下ったと思い、精神的に優位に立たせてしまう。私は、ウッズに自分を意識させてしまうようなスーパープレーで、動揺を誘おうと思っているんだ」

BY JEFF RUDE(GW)

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