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2012年 全米オープン
期間:06/14〜06/17 場所:オリンピッククラブ(カリフォルニア州)

感情と、自らのゲームをコントロールするタイガー・ウッズ

「全米オープン」初日、タイガー・ウッズは「まだまだ改造中」のスイングを駆使してショットをコントロールし、巨大なヒノキを避けながら狭いフェアウェイと難関グリーンを捕えた。

2日目、彼が必要としたのは「忍耐力」だった。

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スイングが乱れたわけでもなく、ゲームに対する気合が入っていなかったわけではない。むしろその逆だった。彼は4年ぶりが心底狙っているメジャータイトルが目前まで来ていることを知っている。

ただ、前日から比べるとコースは速く、固く、太平洋からは風が吹き込んでいてフラストレーションが溜まる状況だった。

この中でイーブンパーというスコアで上がってこれたのはタイガーにとって大きな収穫だった。さらに大きかったのは、このスコアでタイガーは通算1アンダーとしてメジャーチャンピオンのジム・フューリックデビッド・トムズと並んで首位タイに立った。過酷な36ホールの試練をアンダーパーで乗り越えられたのもこの3名だけだった。

「少し疲れが溜まるけど構わない。予選落ちや予選をギリギリ通過したポジションにいるよりよっぽど良い。自国のオープンを勝つチャンスがある位置にいるのは素晴らしいこと」とタイガー。

毎週のように試合もメジャーも勝っていた男にとって、このポジションは嬉しいに違いない。タイガーの最後のメジャー優勝は2008年のこの大会だった。トーレーパインズという舞台で勝利への執念をむき出しにし、アキレス腱と膝のケガを乗り越えロコ・メディエイトをプレーオフで破った。

メジャー14勝目となった全米以降、我々はタイガーが無敵でないということを知った。メジャー11試合に出場し、6度トップ10に入るもトロフィーを増やすことはできていない。最も近づいたのがヘーゼルティンで行われた2009年の全米プロ選手権だったが、Y.E.ヤンに敗れた。これまでメジャーでは36ホール終了時にリードしていた9回は全て勝っていたが、その「不敗神話」も幻となった。

今週の全米で36ホール終了時のリード回数は「10」になる。残り2日間でこの神話がどうなるかは分からないが、ここまでの2日間で偉大なコースは世界トップ2名とタイガーのような忍耐力を見せなかった多くの強者を早々と予選落ちに追い込んでいる。

「昨日のコースとは別物だった。(初日は)グリーンとフェアウェイには水滴が落ちていた。それでも速かった。少しでも水分を含んでいただけよかったが、今日は全くなかった。下りのラインを残したら、ボールが小刻みに揺れるほどグリーンは乾いていた。だから上りのパットを残そうとするけど、(グリーンが)硬いからそれも困難だった」と振り返るタイガー。

当然、USGAは適切な対応をした。幾つかのティインググランドは前方に移され、メジャー大会史上最長ホールとなったパー5、16番ホールも最長670ヤードから61ヤードも短くなった。速くアンジュレーションのきついフェアウェイとグリーンへの対応だけでも大変なのに、これにUSGAのマイク・デイビス氏と彼のスタッフが新たな戦略を要する変化を与えた。これにはさすがのタイガーも手一杯だった。

「これまでの戦略を変えなければいけなくなった。ドライバーを使うホールも増えた。これまで一度も振らなかったホールでも使うことになった。ティポジションを変えたことで、(ドライバーで)狙える距離にもなったから使った」とタイガー。

全てはプラスに働いた。フィル・ミケルソンはタイガーと最初の2日間を共にし、ギリギリ予選を突破した。しかし、2月のAT&Tペブルビーチナショナルプロアマ選手権の最終日で同じ組になった時は、ミケルソンが「64」で回って優勝。タイガーは「75」を叩いた。

では、直近の4試合で2勝しているタイガーにどんな変化が表れているのか?

「コントロールだね。うまくボールをコントロールしているし、フェアウェイを捕える確率が上がっている」とミケルソンは分析する。

具体的に、タイガーはこの2日間で28ホール中21回フェアウェイを捕えていて、全体のFWキープ率1位。パーオン率も69%と全体の3位タイ。2ラウンドで僅か6バーディしか奪えていないが、合計パット数は60回に止まっている。

タイガーは3日目、最終組でプレジデンツカップやライダーカップで頻繁にコンビを組むジム・フューリックとラウンドする。タイガーはフューリックのコースマネジメント能力、練習量の多さを称賛している。

「なぜ我々がチーム競技で良いコンビになれるかというと考え方が似ているからだと思う。俺の方が少し飛距離で勝ってるだけで、コースの攻略の仕方が一緒なんだ。だから息が合うんだろうね」

タイガーは、この共通点が再び土曜日のラウンドでも見られることを祈っているはずだ。そして、その堅実なコース攻略が全米オープンタイトルに一歩近づくきっかけになる。フューリックは2003年にオリンピアフィールズでの全米オープンを制していて、USGAが仕掛けてくる罠をどう処理すればいいか熟知している。

「この大会はコツコツとプレーしなければいけない。我慢し続けること、終わったことをいつまでも振り返らないことが大事。パーを拾っていくことだ」と、タイガーも3日目以降のチャレンジには準備万端のようだ。――by Helon Ross, PGATOUR.COM

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