ルーク・ドナルド バイオグラフィー/英国で育ち米国へ渡った“ハーフ・スコティッシュ”
タイガー・ウッズ 輝かしい6連勝のデータを分析
PGAツアーでの連続優勝回数のリストを見てみると、これまで6試合以上連続での優勝を記録したのはバイロン・ネルソン、ベン・ホーガン、そしてタイガー・ウッズの3人。記者団から都度聞かれる、「ネルソンの11連勝に届くかどうか」という質問についてタイガーは「11連勝はまだまだ遠い先の話だが、6連勝を2度も記録できた事はとても嬉しい」と語っています。過去9週間で7試合に出場したタイガーは、この後しばらく休暇を取るため、7試合連続優勝が実現するのはしばらく先のことになりそうです。
これで2度達成したタイガーの6連勝、前回の6試合をまず振り返ってみます。前回は2シーズンにまたがりました。始まりは1999年の「NECインビテーション」でした。最終日は5打差のリードからスタートしましたが、17番ホールのバーディに助けられ、ミケルソンに1打差と辛くも逃げ切りました。2勝目は10月の「フナイ・クラシック」。初日から3日間66をマークし、最終ラウンドはボブ・トウェイと並びトップタイからスタート。最終ラウンドは73でしたが、アーニー・エルスを1打差で抑えシーズン6勝目を飾りました。そして迎えた「ツアー選手権」では、第3ラウンドに67をマークして、3打差の単独トップ。最終的には2位のデービス・ラブ3世に4打差で優勝。「ツアー選手権」はこれが初優勝でした。
99年はスペインのバルデラマで行われた「WGC-アメリカンエキスプレス選手権」では、地元出身のミゲル・アンヘル・ヒメネスとのプレーオフになり、プレーオフ1ホール目でバーディ、初代チャンピオンに輝き、優勝賞金100万ドルを手にしました。
そして、2000年のシーズン開幕戦の「メルセデス・チャンピオンシップ」では、72ホール目の18番パー5でイーグルを取りましたが、アーニー・エルスも同じホールイーグルで、勝負はプレーオフへ。勝負がついたのは、プレーオフ2ホール目。タイガーは距離のあるバーディパットを沈めて5試合連続優勝を達成しました。そして迎えた6勝目の「AT&Tペブルビーチ・ナショナル・プロアマ」。最終日はトップと5打差からのスタート、さらに一時は7打差まで後退しましたが、15番パー4では、2打目を直接入れてイーグル。最終ラウンドは64をマークして、マット・ゴーゲルに2打差を付けての逆転優勝を遂げました。
そして今回の6連勝です。まず1勝目は7月の「全英オープン」。最終日はクリス・ディマルコ、アーニー・エルス、セルヒオ・ガルシアに1ストロークのリードで迎え結果は2打差での優勝。メジャー11勝目を飾りました。そして2勝目はキャリア50勝目がかかっていた「ビュイック・オープン」。2ストロークのリードで迎えた最終日、最終ホールでもバーディで66をマーク。2位のフューリックに3打差をつけての優勝でした。3勝目はシカゴで行われた「全米プロゴルフ選手権」。ルーク・ドナルドとトップタイで迎えた最終日にはフロントナインで4バーディ、結局68をマークし3連勝でメジャー12勝目を飾りました。その翌週の「ブリヂストン・インビテーショナル」はタイガーがこれまで4勝を記録する得意なトーナメント。スチュワート・シンク相手のプレーオフ4ホール目では2メートル半のバーディを決めて大会5勝目をあげました。5勝目はボストンで行われた「ドイツ銀行選手権」。最終日はトップと3打差でスタートでしたが、出だし3ホールで追いつき15番、17番でもバーディを奪い、2打差で優勝。そして今週の「WGC-アメリカンエキスプレス選手権」では4ラウンド全てで60台を記録。初日からトップを譲らない完全優勝で、この大会5勝目を飾りました。
タイガーの前回の6連勝と今回の6連勝を比較すると、今回はメジャー2つとWGCのイベント2つを含む6連勝。さらに今回の6試合のトータルスコアはなんと109アンダー、平均スコアが66.79。それに比べ前回は6試合で85アンダー、平均スコアでは68.20でした。
2度目の6試合連続優勝、この2回のうち、どちらの連勝の方が価値が高いでしょうか。ここ9週間で7試合と、続けて試合に出場していて、その間、ずっとマスコミの注目を浴び続けていました。その点、前回は、99年から2000年とシーズンを跨いだので、シーズンオフの冷却期間がありました。さらに今回は「ライダーカップ」やメジャーなど、ビッグな大会が目白押しの中で、このパフォーマンスはより高く評価されています。