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佐藤信人の視点 勝者と敗者

ゴルフ人気回復のカギ 「ローピング」の可能性

2017/12/28 11:09


2017年最後の連載となりました。担当編集者から今年の総括を語ってほしいと言われ、何を話そうか考えたときに、真っ先に頭に浮かんだのが4大メジャーで激戦を繰り広げた選手の姿でした。

「マスターズ」(4月)で悲願の初メジャータイトルを獲ったセルヒオ・ガルシア(スペイン)。「全米オープン」(6月)では、最後まで日本人初のメジャー制覇を期待させてくれた松山英樹選手と、それを阻んだブルックス・ケプカ。「全英オープン」(7月)の最終日13番で練習場から起死回生の一打を放ったジョーダン・スピースジャスティン・トーマスに敗れ、涙を流した「全米プロ」での松山選手。

勝者と敗者――どちらの姿も印象的で記憶に残るものでした。

そこでふと感じることは、彼らの姿をより印象深くさせていたのは、選手のプレーに一喜一憂して観戦していたギャラリーの“熱”だったのではないかと思うのです。勝者が放つガッツポーズにスタンディングで応える。敗者の後ろ姿を固唾(かたず)を飲んで見守る。思い返せば、印象的なシーンを作り上げていたのは、選手だけではなかったのではないでしょうか。

では、ギャラリーの“熱”を高める雰囲気や緊張感、盛り上がりはどのように生まれるのでしょう?

国内では男女ツアーともテレビ中継の視聴率が下がってしまったというニュースを見ましたが、人気回復のヒントがその“熱”の生み方に隠されているような気がしています。そのひとつに私はギャラリーと選手をさえぎる「ロープ」の存在をあげたいと思うのです。近距離で選手を観ることでダイナミックに試合を感じることができる。ある程度の距離の近さが必要だと思うからです。

ですが、そもそもロープはギャラリーの安全を考慮し、飛んでくるボールから身を守るためのものです。安全を考慮するか、危険を顧みず近づけるか。結論を先に述べると、そのどちらでもないと言えます。

答えは絶妙なバランスです。接近できる場所は限界まで近づけ、危険な場所はしっかり距離をとる。今年取材で訪れた「マスターズ」の舞台オーガスタでは、そのメリハリのあるローピング設定を感じました。組と組の間では頻繁にロープ自体を開放したり、コース間ではある程度まで接近して選手を応援できます。

ただ、すぐに改善できる容易なことではないことは分かっています。

特に男子ツアーでは、女子ツアーと違い、レギュラーティよりはるか後ろのティグラウンドを使用するため、ティショットを横からでしか観ることができないコースが多いです。横からではボールが速すぎて目で追うことは困難。男子ツアーの魅力のひとつであるダイナミックなティショットを堪能してもらうには、球筋を確認しやすい後方(飛球方向を前方と見た場合)がベスト。ですが、はるか後方のティグラウンドのそのまた後方に観戦できる場を設けることにメリットがあるかと言われると難しい部分があります。

また、日本のコースはグリーンやティグラウンドが砲台となっている場所が多く、観戦に適していないという現実もあります。そうなると、ロープをグリーンの際まで近づけることができず、近づけたとしても非常に危険となってしまうことが多いのです。

最近ではゴルフの人気回復を問われる場面が多くなってきましたが、改善策は意外と身近なところに転がっているのではないでしょうか。

難しい部分も多々ありますが、私はこのローピングの設定が一役買ってくれるのではないかと信じています。今後もアレやコレやと悩む前に、まずはギャラリーの皆さんを愉しませる施策を考えていきたいと思っています。(解説・佐藤信人

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佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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