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佐藤信人の視点 勝者と敗者

地の利で感じたゴルフのポテンシャル

2019/12/26 08:15


2019年最後の連載は、ことし一年で印象に残ったことを中心に、総括としてまとめてみたいと思います。

ことしはタイガー・ウッズ(米国)の「マスターズ」優勝から始まり、「全英オープン」では地元シェーン・ローリー(アイルランド)が歓喜のメジャー初制覇。国内初のPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」では、ウッズと松山英樹選手が優勝争いを演じたことで、多くのギャラリーが声援を送りました。

国内ツアーは今平周吾選手が抜群の安定感を見せ、2年連続の賞金王に輝き、一方で対照的だった石川遼選手が好不調の波を乗り越えながら、「日本プロゴルフ選手権」を含む年間3勝という快進撃。それぞれ異なる形でしたが、最後まで多くのギャラリーを魅了してくれました。

一年を振り返ると、試合展開として面白いものは山ほどありましたが、ギャラリーの声援と熱狂が感じられる試合こそ、本当の意味でプロゴルフの真髄を感じることができる瞬間だったように思います。

なかでも印象深かった試合は、北アイルランドで68年ぶりに開催された「全英オープン」。地元の期待を一身に背負ったロリー・マキロイ(北アイルランド)が、初日で「79」とまさかの出遅れ。百戦錬磨のマキロイでさえ、1ホール目のティイングエリアに立った瞬間に、手が震えたということでしたから、そのプレッシャーは我々では計り知れない大きなものだったと予測できます。

そんなマキロイは翌日、6アンダー「65」で猛追し、予選通過まであと1打というところまで迫り、最後は大観衆のスタンディングオベーションで迎えられました。試合後のインタビューで、彼は「生まれ変わる。今後の(自分の姿を)見ていてほしい」といった内容を語り、文字通りその後PGAツアーの年間王者に輝きました。

マキロイが去った後、地元の注目を集めたのはアイルランド出身のシェーン・ローリーでした。マキロイの分まで声援を受けた彼は、プレッシャーというよりも、より通常以上の力を発揮し、誰もが予想していなかった初タイトルという栄冠まで手に入れたのです。

ローリーと同じ“地の利”を結果に結びつけたのは、10月に行われた「ZOZOチャンピオンシップ」の松山英樹選手。ウッズとは結果的には3打差という幕切れでしたが、優勝争いは最終日まで縺(もつ)れ、多くの観客を動員。大雨順延により無観客試合も行われましたが、合計で4万3777人ものギャラリーの足を習志野CC(千葉県)へ向かわせました。

松山選手以外の日本人出場者は、結果には結びつきませんでしたが、この経験は何ものにも代えがたい貴重なものとして胸に刻まれることと思います。コース管理スタッフの尽力で設計された舞台は、国内コースとは思えないほど、PGAツアーのそれとなっていました。世界基準の雰囲気を味わいつつ、プレーできたことこそ、今後の糧になるに違いありません。第1回に出場できた選手はもちろん、出場できなかった選手も、今後はこの場所を目指して国内ツアーを戦えることが大きなモチベーションになることでしょう。

また、ギャラリーを湧かせたといえば、アマチュア選手の台頭も外せません。「三井住友VISA太平洋マスターズ」では金谷拓実選手、AbemaTVツアー「石川遼 everyone PROJECT Challenge」では杉原大河選手が優勝と、女子ツアーでの「黄金世代」「プラチナ世代」といった20歳前後の男子選手が躍動しました。近い将来、かならずや国内ツアーの主軸になりえる世代として今後も目が離せない存在といえます。

来年2020年は、「東京五輪」が控えています。国内出場選手の全員が、“地の利”を味わえる訳ですが、優位に立てる場合もあれば、逆にプレッシャーとなって襲ってくる場合もあります。

男子出場者は松山選手、今平選手もしくは石川選手かもしれません。女子では畑岡奈紗選手、渋野日向子選手、鈴木愛選手、または来シーズン活躍する選手になることも考えられます。誰が出場2枠の権利を獲得するかは分かりませんが、メダルを獲ってほしいと切に願っています。他のスポーツを見ても、メダルを獲ることで注目を集め、人気の起爆剤となった例を見かけます。メダル獲得にばかり期待してはいけないのかもしれませんが、多くの方に振り向いてもらうために、これほど最適な舞台はないと思うのです。

特に男子ツアーは人気低迷が囁かれ、現在は厳しい状況ではありますが、「ZOZOチャンピオンシップ」の盛り上がりを見れば、ゴルフ自体のポテンシャルは決して低くはありません。

プロスポーツはギャラリーあっての興行。多くの応援が選手の後押しとして感じられるからこそ、プロが奮起して感動を呼ぶ。そしてまた多くのギャラリーが魅了される。まだ多くのファンから期待をしていただけている以上、今後も“魅せる”努力をひたむきに続けていきたいと思っています。(解説・佐藤信人

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佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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